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本編
30.朝食
しおりを挟むチュンチュン⋯⋯ピチチチチチ⋯⋯
可愛らしい鳴き声に、僕は目を覚ました。うーんと伸びをして周りを見渡すと、キラキラと豪華な装飾が目に入って来た。あ、そういえば王城に住むことになったんだった。昨日のことを思い出しながらしばらくぼーっとしていると、部屋の扉がコンコンとノックされた。
「妖精様、起きていらっしゃいますでしょうか」
昨日紹介を受けたエフィさんの声だ。はーい! と元気よく返事をすると、水の入った桶とタオルを持ったエフィさんが入って来た。桶をテーブルに置いたエフィさんは、窓へ向かってカーテンをバッ! と開いた。部屋に入る朝日に、眩しくて目を細める。パチパチとまばたきをするうちに、眠気が完全に吹っ飛んだ。
「こちらでお顔を洗って差し上げます!」
桶の水で濡らしたタオルを持ち、ベッドの前まで来ると、僕を待つように待機されたので、よいしょと掛け布団から出て正面を向く。顔を上げて待つと、丁寧に優しく拭われて、はふ~とため息が漏れた。水じゃなくてぬるま湯だったようで、ちょうどいい温度だった。まあ、僕の身体はなぜか汚れないから綺麗にする必要も無いんだけど、こういうのって気持ちの問題だからね。
顔を洗い終えると普通は着替えるんだろうけど、僕には必要ないから、朝食に向かう。エフィさんによると、王族の人たちと一緒にどうかと誘われているようなので、どうせなら顔を見ておこうと了承しておいた。広間に向かう途中、メイドさんや従僕さんがちらほら見られたけど、皆忙しそうにバタバタしていた。でも顔は澄まし顔だったから、さすがだなあと思った。
広間に着いた。両開きの扉が開かれると、中には白いテーブルクロスがかけられた長いテーブルが目に入ってきて、ズラッと並んだ椅子の先、テーブルの端っこ辺りに、人が何人か座っていた。
「よく来てくれた。感謝しよう、ミント殿。さ、ここへ来てくれ」
真正面に座っている王様の声が響いた。促されて部屋の中を進むと、どうやら僕の席はテーブルの上に用意されているようだ。いつの間に作ったのか、僕にピッタリサイズの椅子と丸テーブルが、ちょこんと置いてあった。ありがたく座ると、給仕の人がいろいろ料理を運んで来て、僕の目の前の丸テーブルに置いた。もちろん、サイズは小さい。
「では食事の前に、簡単な自己紹介といこうかの」
僕は輝く金の髪の家族を見渡して、一人一人の自己紹介を聞いた。
「私はメイプル・レーヌ・ガルディアン。知っての通り、この国の王妃ですわ。これからよろしくお願いしますわ、可愛らしい妖精さん」
正面から見て王様の右隣に座っている王妃様。ほほ笑みが素敵な美人だ。
「カルド・ユヌプランス・ガルディアンです。第一王子で、王太子として任命されています。私ともぜひ仲良くしてくださいね」
爽やかイケメンの第一王子。正面から見て王様の左隣に座っている。キラキラしたエフェクトがかけられているのかってぐらい爽やかな笑顔だ。金髪碧眼っていうのも王子らしい。
ちなみに、王様が金髪碧眼、王妃様は金髪緑眼だ。
「第二王子の、ヴィンデ・ドゥープランス・ガルディアンです! 妖精さんと会えるなんて夢みたいです! 僕と一緒にいっぱいおしゃべりしようね!」
元気いっぱいな第二王子。緑の瞳をキラキラさせながら話していて、僕に興味津々というのがとても伝わる。仲良くなれそう。
「そろそろ朝食としよう。神のご加護に感謝を。『いただきます』」
「「「いただきます」」」
あれっ。挨拶が日本流だ! 文字も似てたし、なんとなく親近感が湧くなあ。まあそれは置いといて、
「いただきます!」
僕も元気に食事前の挨拶をし、目の前のご馳走に手を伸ばした。
ーーーーーーーーーー
いくつかの話を修正いたしました。主要人物の髪や目の色などの説明を加えたので、より想像しやすくなったと思います。
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