思い込み、勘違いも、程々に。

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限定的な『予知夢』

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 花壇から離れた芝生にテーブルが設置され、上にはお茶の準備がされていた。3人分。私達が来ると見越してのものなのは見て取れる。
 さあ、とオーリー様に勧められるがままに私達は椅子に座りました。
 テーブルには数種類の焼き菓子とティーカップとティーポットがある。手慣れた様子で紅茶を注ぐオーリー様からティーカップを受け取った。芳醇な香りに顔を綻ばせているとアウテリート様が「おじ様」と発した。


「フィオーレ、おじ様にも相談してみましょう」
「え?」


 オーリー様にも? でも、リアン様とエルミナのくっ付け作戦を学院外の方に協力してもらうって……。
 オーリー様は何の話とばかりに首を傾げられた。ティーカップの縁に口を付けながら。
 私は説明をした。昨日の件もあり、表情を崩すこともなく最後まで聞いてもらうと。


「うーん……気になることがあるんだ。フィオーレちゃん、君の視る『予知夢』はどうも限定的過ぎないかな?」


 エーデルシュタイン家にのみ現れる『予知夢』の能力者。発現すれば、即王家に報告するのが義務となるのは、国を左右する重大な予知を視ることも多いから。歴代の能力者は、『予知夢』の力で何度も国を救っている。お祖母様が私の『予知夢』を秘密にしてくれているのもこれが大きい。
 私の視る『予知夢』は、私の周囲にいる人に起きる不幸が主。


「最初は伯爵家の執事さんで、その次も伯爵家に関連する人ばかりなのだろう?」
「はい……でも、起きたことは全て事実です」
「事実は事実だろうね。……うーん……エーデルシュタインの予知能力とフワーリン家のが偶然絡まってしまったのなら……」
「フワーリン家って……」


 お母様のお祖母様の生家である隣国の公爵家の名前。何故今出るのか。オーリー様に訊ねると紅茶を飲みながら、うーん、うーん、と唸るだけ。


「お行儀が悪いですわおじ様」
「そう言ってもね……そうだ。よし、僕もフィオーレちゃんの計画面白そうだから協力しよう」
「本当ですか?」
「うん。実は、明後日学院に特別講師として呼ばれているんだ。1日中校舎内にいるから、お昼時、僕をその2人会わせて」


 予想外な味方を得られ、幸せな未来への大きな第1歩となる。胸を襲う痛みは無視だ無視。誰も不幸にならず、私だけが失恋という不幸に見舞われるならそれでいい。隣国に行く私がリアン様とエルミナの姿を見るのは今年だけなのだ。それまでの辛抱。
 隣国に行けば、失恋を忘れて新しい恋を探せるかな……?


「ちょっとだけ退屈してたから、面白そうな話題には乗るべきだよねえ」
「悪趣味ですわ」
「ローゼちゃんやシエルちゃんみたいなこと言う」
「誰ですか?」


 初めて出た人の名前に興味を示すと「僕の知ってる可愛い子達」と話され、次に別の話題へと切り替わった。気になるが隣国に行ったら会えるかな。名前的に女性っぽい。あ、でもシエルちゃんって方は男性の可能性もあるのか。




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