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親族会4
しおりを挟む「俺がフィオーレ嬢といて君に問題でも起きるのか?」
「あ……い、いえ……これは……」
「リグレットがいないのを幸いと1番に想っているのは俺やアウムルだろう。君にとって何が問題なのか教えてくれないか」
リアン様の後姿しか今は見えなくても、普段眠たげな青の瞳がキサラ様に鋭さを帯びた青に変わってるのは雰囲気で察せられる。顔を青褪め、口籠ってしまったキサラ様がこれ以上何かは言うまいと判断したのか、マグカップを持っていない手を握られ早足でテラスに出た。食堂内と違い、テラスの方には殆ど人はいなかった。
食堂から離れようと遠い席を選んだ。
お互い向かい合って座るとキサラ様について訊ねられた。
「君は彼女と面識は?」
「親族会で何度かお会いしています」
「ロドニー侯爵夫人とカンデラリア公爵は従兄妹だったな。それでか」
「リアン様、今日の事は目を瞑ってください。キサラ様はその……」
好きな人に嫌われてしまうのは不憫だ、リグレット王女殿下とまではいかなくてもキサラ様もリアン様に懸想している。知ったのは何時だったか。
「……君に危害が及ばないなら、様子見に留めておく」
「ありがとうございます……」
ホッと息を吐いて、初めてココアを飲んだ。生クリームを入れてもらえば良かったかな……甘さが足りない。
リアン様も手軽に食べれるサンドイッチを頼んでいて、旬のフルーツが薄い2枚のパンに挟まれている。
無言のまま、お互いの食事が進み、会話が再開されたのはリアン様が朝食を完食してからだった。
「アクアリーナから大体の話は聞いているんだが、親族会というのは殆ど夜会と変わらないんだな」
「集まるのが身内同士なだけでしていることは確かに変わりません。身内しかいないので、多少羽目を外しやすいのでは」
「そうか。さっきのロドニー侯爵令嬢も出席するんだな」
「毎年参加されているので今年もきっと」
「……」
先程の事でリアン様は心配しているんだ。キサラ様とは殆ど接点はなかった。今回の件でそうもいかなくなる。
「そろそろ戻ろう。時間も迫ってきた」
席から立ち上がったリアン様に釣られて私も立った時。前から手を掴まれリアン様へ引き寄せられた。声を出す間もなく抱き締められ、離れようと後ろに傾こうにも後頭部と腰に回された手が許してくれなかった。
「リ、リアン様」
恥ずかしさでどうにかなってしまいそう……。
互いの体が密着してるから、私の心臓の鼓動がリアン様にうるさいくらいに伝わっているんじゃ……。
「……嫌なら、俺を殴ってでも逃げればいい」
「……」
……嫌な筈が、ない。
「ん……」
昨日の強引なキスじゃない、触れるだけの優しいキスを注がれる。リアン様の背に手を回したら、抱き締める腕の力が強くなった。
ずっと、このまま、リアン様といたい……。
「…………いっそのこと…………」
キスの合間にリアン様が言葉を紡いでも、夢中になっている私には聞こえなかった。
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