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「 婚約は破棄。だから聖女もクビだ!」と怒鳴られたので国を出ます。いくら悔しがっても、もう遅いですよね。
しおりを挟む「 何をおっしゃっているのか、よくわかりません。」
本当は全部知ってるけど、あんまり頭にきて、きつい言い方になってしまった。
「 くそー、じゃあ言ってやるぞー。
お前との婚約は破棄だ。だから聖女もクビだ。
聖女には、お前が今まで手柄を取り上げていたマチルダになってもらう。
国から出て行け。お前の顔なんて見たく無い!」
そうなの。マチルダは私の魔法学院の同窓生なんだけど、魔力でかなわないからって私の婚約者を奪い取るって決めたみたい。
息を吐くように嘘をつく子だったから、スチュアート王子はすぐ騙されたんだって。
そのあたりの詳しい事情は私の周りにいる、ご先祖様達や守護霊様達や天使様達や精霊達が教えてくれてたから、知ってた。
だから、ちっとも驚かないですんだんだけど。
いつ言われるかなぁって思ってたんだけど、よりにによって、春の花見のパーティの席って無いわ。
大勢の人達の前で、指を刺されてツバを飛ばしながら怒鳴り散らすとは。
許さん。
今の今まで、この国の平和のために一生懸命頑張って働いて来た私を、何だと思ってるわけ!
まぁ、でもこの王子様とは幸せになれる気がしないから返事しなきゃ。
「 わかりました。出て行きます。」
この瞬間、国民の皆様の前にマチルダがスチュアート王子に嘘をついている場面を映してみました。
その結果、聖女が国を追われる事まで、そう今のこの場面ね。
てへ、聖女なんで、このくらいの魔法はお茶の子さいさいです。
ドラゴンに乗って飛んで行けば楽なんだけど、国民の皆様を見捨てられなくて。
私の後には国民の列が出来た。結界で守って行きたい所まで送り届けました。
マチルダには魔力なんて無いから、祖国には魔獣が侵入した。
山は燃えて、水はニガヨモギの味になった。
この世の地獄ですよね。
でも、私は復讐はしてませんよ。
全ては神様の言う通りですもの。
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