私を婚約破棄に追い込んだ令嬢は、あなた以外の男性とお付き合いしてるのはご存知ですか。

私を婚約破棄に追い込んだ令嬢は、あなた以外の男性とお付き合いしてるのはご存知ですか。

「 クルル、お前との婚約は破棄させてもらう。
僕はお前とは比べものにならない最高の女カミラ嬢との間に真実の愛を見つけたから。」

婚約者のベイン殿下は、ポーズを決めながら言ってやったとばかりにニヤニヤしてる。
私が何か言おうとしても、

「 うるさい、うるさい、黙れー！」
と、怒鳴り散らすだけで私の話に耳を傾けてはくれなかった。

この様子だとベイン殿下は全く何も知らないらしい。
カミラ嬢はベイン殿下以外の男性と付き合っている。しかも現在進行形で。

学院の中では、嫌な女として有名なカミラ嬢はなぜか男達にモテモテだ。

それがなぜなのかを私は知っている。
聖女の私に精霊達が教えてくださるから。

理由は簡単。
誰とでも寝るから。
2.3人ってレベルじゃないよ。
凄い数。そりゃモテるって騒ぎになるよね。

それってモテるって言うのかー？
って突っ込みたくなる気持ちはわかる。

私もそう思ってます。
ああ、知りたくもない、どうでもいい情報はいらないんですけど。
国を守る為に、この国の全ての情報が私の元に集まるのに。

まぁでも、この世にどうでもいい事など無いのだった。

あ、それに今、婚約者のベイン殿下と話の途中だったんだわ。

「 わかりました。私出て行きます。」
私は城を出た。

精霊達に頼んで全ての人達の目の前に、このいきさつを全部映してもらった。

この国に魔獣が侵入した。

山は噴火し、水はニガヨモギの味になって、土地は燃えて作物も無くなった。

私の後ろには国民達の列が出来た。
私は国民達を結界で守り、それぞれが行きたいところまで送り届けた。

風の噂で聞くところによると、ベイン殿下は自分が沢山いる男達の一人と知って落ち込んでるらしい。

カミラもこの国を滅ぼした元凶として、断罪されたみたい。

えっと、私が復讐したと言いふらしてる人がいるみたいですけど、復讐なんてしてません。

全ては神さまの言う通りですから。