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「私に毒を盛る気か?」と怒鳴られて婚約破棄された聖女は、この国を追い出されました。
しおりを挟む私はクルル・スーパーランドと申します。
この国の聖女として幼い頃から働いています。
そして聖女になったその日から、この国の皇太子の婚約者になりました。
それはこの国のしきたりであり王様の命令でした。
私の希望や考えではありません。
聖女の仕事をするだけでも大変なんです。
魔獣が侵入しないように結界を張り巡らせる。
って簡単に言うけど、凄い大変だから。
だって、出来無いでしょう?普通の人には。
私が特別って言ってるんじゃ無いんです。
大変だってわかって欲しいの。
聖女の仕事を全部した上で、お妃教育があります。
王妃様がして下さるんですけど、私凄い嫌われてるんです。
私が貧しい家の生まれで、ろくな教育を受けて育って無いからだと思います。
だって私、マナーもなってないし、姿勢も悪いし、貴族の令嬢と比べられたら全然ダメだから。
でも、婚約者のお母様だと思って耐え忍びました。
ある日、ビクトリア王妃が重い病気になりました。
聖女として回復魔法をかけ、ビクトリア王妃の看護役として毎日飲み薬を煎じるように命じられました。
私は聖女として自分の出来る限りの魔力で頑張りました。
「 ニガい、マズいわ。これ毒なんじゃないかしら。飲め無いわ。飲んだら気分が悪くなる。」
ビクトリア王妃は毎日毎日、私に元気に文句を言った。
ヒストリーを起こしている彼女を見て、病気なんだからかわいそうなんだからって自分をなだめながら、
「 良薬は口に苦しと言うじゃないですか。
心を込めて作りましたから飲んで下さい。」
と、優しく言った。
しかし、ビクトリア王妃に私の心は届かなかった。
彼女は私に文句を言い続けて、私がいない所でも私の悪口を言い続けた。
皇太子のリーグズ殿下に相談したいと思ってた時に、彼から呼び出された。
行くと、そこにはビクトリア王妃もいた。
「 あなたは私に毒を盛ってるわね。毎日毎日殺すつもりでしょう?もう顔も見たくない。あなたは息子の嫁に、ふさわしく無い。今日限りで聖女はクビよ。この国から出て行きなさい。」
「 そんな、どうして。」
私が言うと、リーグズ殿下は、
「 お前が悪いんだ。
お母様に言われて気がついた。お前は僕にふさわしく無いもん。
新しい聖女はお母様がちゃんと見つけてるから大丈夫だ。
お前は、出て行け。」
「 わかりました。出て行きます。」
もう無理。
我慢出来ない。
私は城出た。
私は精霊達に頼んで国民達の目の前に全てを映してもらった。
私の後ろには国民達の列が出来た。
この国に魔獣が侵入した。
山は噴火し、水はニガヨモギの味になり、土地は燃えた。
私は国民達を結界で守り、それぞれが行きたい国まで送った。
しばらくして、ビクトリア王妃が亡くなったと聞いた。
ビクトリア王妃の選んだ薬師は砂糖たっぷりの甘い美味しいものを薬として出したらしい。
そうしないと怒って飲んでくれ無いから。
薬を飲む事無く亡くなったらしい。
祖国はこの世の地獄の光景になった。
リーグズ殿下は王にふさわしく無いとして国民から追い出されたそうです。
私が復讐したと言ってる人がいるみたいですけど、私は復讐はしてません。
全て神さまの言う通りですから。
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