陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

神無月 花

文字の大きさ
115 / 408
第一集 壱ノ巻

*芦屋の末裔▽

しおりを挟む
「紫苑さん。」


   話会が終わり紫苑が本家の廊下を歩いていると、誰かに話し掛けられた。声からしていて、話し掛けてきた相手はどうやら若い男性のようだ。


紫苑「....久しぶりですね。正明さん。」




  紫苑が振り返ると、そこにはやはり若い男性がいた。紫苑が正明さんと呼んだこの男性は、土御門   正明(つちみかど  まさあき)といい、安倍・土御門一族の直系家系の内の1つ、土御門家の現当主である。
   
  安倍一族の直系家系は、本家,東京分家,安倍町分家,土御門家の4つであり、この4つの家系は、安倍晴明直系の末裔だ。他の分家は傍系家系といわれ、先祖が直接安倍晴明の血を引いていない家系の者である。

   今でこそ、大きな差別や上下関係は薄いが、戦後までは直系家系と傍系家系の上下関係ははっきりとしており、それこそ今の紫苑と癒良の様に直系の人間と傍系の人間が幼なじみなどあり得ないことなのである。

   しかも、安倍の一族内や安倍一族に仕える陰陽師の中で65歳以上の者の中には、未だに古い考えの者もいて、本家,分家,直系,傍系を気にしない者や力の強さや霊力の質を重視する者とともに3つの派閥が出来てしまっている。







そして、紫苑は、自分を襲った芦屋やしつこい御曹司と同じくらい、正明が苦手なのだ。




紫苑(何か、私この人苦手なのよね....笑顔の裏で何考えてるか分からないし....)



   
   正明は、人に好かれそうな、女性ならば誰もが彼に見惚れてしまいそうな笑顔を浮かべて紫苑に話し掛けていた。

   紫苑の本音としては、勿論、出来れば正明に関わりたくはないのだ。だが、旧家のお嬢様である以上、こういう人間とも関われねばならないし、まして、正明は親族なのだ。必ず話会では顔を合わさねばならない。だから、紫苑は仕方なく正明と話していた。


その時....




「紫苑。」


紫苑「宗家。」


   話室から、丁度清秋があらわれた。


清秋「土御門の当主、俺はその姫に用がある。姫とともに失礼するぞ。」


  そう言うと、清秋は紫苑の手を引いて歩き出した。











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...