【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

文字の大きさ
55 / 188

第54話 感謝状

しおりを挟む
 目を覚ますと僕はベッドの上だった。どれくらい寝ていたのかな?
 お、右腕が動く。リオネッセさんが治してくれたのかな?
 身体も気だるさが失せ、まとわりついていた闇も消え失せている。呪いも解いてくれたのか。ありがたい。

 周りを見ると結構豪勢な部屋だった。広すぎて落ち着かないくらいだ。こんな豪勢な部屋があるということは領主様の邸宅かもしんない。時計もあって今はもう7時を少し回っていた。うーん、お腹すいてきたなぁ。

 ん?
 7時過ぎ?
 その割には部屋が明るいな……。窓からは陽が射し込んでいる。どう見ても夕方じゃない。

「もしかして朝の7時?」

 どうやら僕は相当長い間眠りこけていたらしい。そんなに消耗してたのかな?
 イマイチ自覚がない。呪いのダメージのせいかもしんない。

 僕はゆっくりと身体を起こす。一応自分の身体を鑑定してみたが特に異常はない。ただエピュデミアを倒したせいか、レベルが26になっている。うーん、悪魔の経験値すごいや。

 ベッドを降りて部屋の外に出る。とにかくリオネのさんと合流したいな。疫病は多分もう落ち着いたと思うんだけど。道は全くわかんないけどとりあえず適当に歩こう。

 屋敷内を宛もなく歩き回る。すると登り階段が見えた。ロビーに出たみたいだ。そこではメイドさんがお掃除をしている。

「あの、すいません」
「あら、目を覚まされたのですね。旦那様からお話は伺っております。皆様は今食堂の方で朝食を摂っておられます。こちらへどうぞ」

 皆様?
 サルヴァンたちも来ているのかな?
 メイドさんに案内され、食堂へと通される。そこにはサルヴァン達やリオネッセさん、領主様が朝食を摂っていた。

「おお、これはこれはルウ殿。お目覚めになられましたか。この方の朝食を用意しなさい」
「かしこまりました」

 領主様は僕に気づくとメイドさんに命じて僕の朝食を用意してくれるようだ。ていうか、領主様ほどの方が僕なんかに敬語?
 リーネが僕を見てここに座れと隣の椅子の座面をポンポン叩く。僕は誘われるままその椅子に腰掛けた。

「みんな来てたんだ。てことは疫病はもう大丈夫なんだね」
「ええ、その件に関しましては深い感謝を。サンマルクの街を救ったあなた方はこの街の英雄ですよ。領主として礼を申し上げます」

 領主様が僕に向かって頭を下げる。なんかくすぐったいなぁ。でもこの言葉を受け取らないのは失礼だよね。僕だけに言ってるわけじゃないんだから。

「とんでもございません。助けになったのであれば幸いに存じます」

 僕も頭を下げ、言葉を受け取る。

「ルウ君ごめんなさいね、無理をさせてしまったのは私の責任だわ。私の力が及ばないばっかりに」
「いえ!    とんでもないですよ!    僕だけじゃ勝てなかったですし、呪いを解いてくれたのもリオネッセさんですよね?」

 僕の浄滅魔法では強化してさえ足りなかった。リオネッセさんがいなかったら殺されていたと思うな。

「ちょっとルウ!    呪いってなに!」

 リーネが呪いと聞いて食べる手を止めて僕を睨む。ちょっと怖い。

「え!?     ほら盗賊団のアジトで見つけた剣だよ。凄くいいものだったけど、呪いがかかっていたんだ」
「あの剣か。ロングソードはルウの身体には大きくないか?    よく扱えたな」
「火事場の馬鹿力ってやつを意図的に出した」

 わかりやすく言うとこういうことだ。多分これ身体の負担大きいのかもしんない。

「無茶し過ぎです。左腕にもヒビが入っていたんですよ?」

 リオネッセさんが右手を頬に当て、ほぅ、とため息をついた。左腕もか。どうやら力に骨の耐久が追いつかなかったみたいだ。今度骨の強度を強化できないか試してみよう。

「ルウぅ?   あんまり心配させないでよね!」
「ご、ごめん……」

 リーネが泣きそうな顔で睨むから僕には謝ることしかできなかった。そんな顔は反則でしょ……。



 それから食事をしながら領主様より事の顛末を聞かせていただいた。リオネッセさんの超広域浄滅魔法でほとんどの地域の病原体は駆逐され、神水を手分けして配布したことにより根絶に向かっているとのことだった。

 万が一発症しても浄滅魔法が有効であることがわかったので対処は可能だそうだ。ただ、念の為神水の備蓄が欲しいので協力して欲しいと頼まれた。

 その辺はリオネッセさんと相談してあと樽でもう20個分用意することで合意した。例の神石が国王陛下に献上される手前、それを超える性能を持つ神石を作って渡すのはまずいし。

 どのみち2つの魔法を付与は相当ランクの高い魔石じゃないと難しいけどね。ましてや1つは治癒系最上位魔法だし。

    謝礼は疫病解決の件と合わせて金貨1500枚。あの水の価値を考えると破格に安い。というか安すぎるんだけど、疫病で被害を受けた経済の復興などもあり、それ以上出すと経済が破綻しかねないそうだ。その代わり大きな貸しということで落ち着いた。




 その後マルタンさん達と合流し、僕たちはベルナール商会のサンマルク支部に来ていた。そこの応接室に通されるた、ソファが異様に長い。恐らく6人座れるようにわざわざ運んできてくれたのだろう。

 僕らがソファに腰掛け、向いにマルタンさんが座ると、突然頭を下げた。

「あなた方のおかげで我らベルナール商会も救われた。もしあなた方がいなければサンマルク支部は壊滅し、大きな損害が出ていたことでしょう。本当にありがとう!」

 サルヴァンがリオネッセさんをチラッと見る。解決したのはリオネッセさんと僕だし、書類上のリーダーはアレーテさんだ。自分が何か言うべきなのか迷っているんだね。

 するとアレーテさんが肘でサルヴァンをつついて促した。お前が言え、ってことね。頑張れ僕らのリーダー!

「いえ、お役に立てたなら良かったです。リオネッセさんとルウのおかげなんで俺が言うのもなんですけどね。今回はクラン勇士の紋章の一員としての評価でお願いします」

 サルヴァンが言葉を選びながらゆっくり話す。リオネッセさんのおかげなんで龍炎光牙としてではなく、クラン勇士の紋章として話すのは僕も正しいと思う。

「ええ、それはもう。では今回は勇士の紋章へ感謝状を作成し、贈らせていただきます」
「ふふ、お手柄ですねぇ。領主様からも感謝状をいただいていますので、これはクランの評価にも繋がるわ。クランからも褒美は出ますよね?」
「……そうね。さすがに出さないわけにはいかないでしょうね。例の件もあるし」

 リオネッセさんの褒美の催促にアレーテさんは苦笑いを浮かべて答える。例の件とは神石のことだね。商人に知られたら面倒だわな。あの神水だけでもかなり面倒な話が来そうだけど。

「龍炎光牙にはCランクへの昇格推薦状を書くことになりそうね。この護衛依頼を無事終えることが出来たら昇格だから、油断しないようにね?」
「やったーーー!」
「よっしゃーーっ!」

 Cランク昇格が見えたことに僕らは諸手を挙げて喜ぶのだった。


しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます

空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。 勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。 事態は段々怪しい雲行きとなっていく。 実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。 異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。 【重要なお知らせ】 ※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。 ※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

処理中です...