66 / 188
第64話 冒険者殺し
しおりを挟む
「あの、相手は元Aランクですよ? レベル60もあるそうですし、戦うのは無謀です!」
「レベルなど身体能力の目安でしかない。勝てないと判断したらルウに任せる」
うんまぁ、でも実際そうなんだよな……。前に捕まえた盗賊団のスキル持ち、あれでレベル37だったらしいからねぇ……。さすがにレベル60の技術がゴミ、ってことはないだろうけど。
僕らは忠告はスルーして先へ進む。あれから2つの看板をすり抜けるとその先から声が聞こえた。
「ふぅーっ、あいつら結構持ってたな」
「いやー、しかしここはいいよな。死体の処理にも困らねぇし、この階層だと上位の冒険者も来ないからな」
「違いねぇ」
男どもの笑い声が響く。中の様子を見たいとこだけど、関係ないかな?
「よし、乗り込むか。真正面から行くぞ」
「なら是非私にやらせてくれ!」
「そうか? じゃあ先頭頼む」
アレサが剣を抜く。そして思いっきり息を吸って吐き出す。そしてアレサが声をあげた。
「ひとーつ! 人の生き血をすすり!」
「な、なんだ!?」
あー、そういえば最近演劇とやらを見に行ったとか言ってたな……。感化されたな。
「ふたーつ不埒な悪行三昧!」
「何者だ!」
「みーっつ見て見ぬふりできぬなら!」
アレサ、ノリノリなのはいいけど相手にもう姿見せてるからね?
立ち上がって武器構えているからね?
「なんだこいつは!」
「よーっ……!」
「やっちまえ!」
口上が終わる前に悪党どもが動く。するとアレサの額に青筋が立った!
「口上が終わる前に来るやつがあるかぁっ!!」
襲ってきた悪党どもを次々と斬り伏せる。腕を切り落とし、腹を薙ぎ、肩を切りつけていった。
技術の差は歴然で悪党どもは一太刀振るう暇もなく斬られていく。
「ふん、他愛もない。しかし4人か。レベル60とかいう奴はいないのか」
アレサがつまらなさそうに切り伏せられた悪党どもを見下ろす。もはや全員戦闘不能だね。
終わりかな、と思って少し気を抜いていた。すると。
ぽふっ。
僕の肩に何かぶつかり、そこから粉が舞う。これは……!?
粉が喉に入り、盛大に咳き込む。さらに鼻腔をくすぐってくしゃみまで。なんじゃこりゃ?
とか思っていたらいきなり首に腕を回されてしまった。
「あなたたち動かないで! 動けばこのガキの命は……、あ……?」
言い終わる前に終了。いや弱化で心臓の鼓動を弱くしただけよ?
お姉さんはあっさりと胸を押さえて座り込む。
声出ないから無声発動だけど。若いんだしもう弱化は解いたからすぐ治るでしょ。聞きたいことがあるから、喋られる状態にしておかないといけないのめんどくさいです。
とりあえず回復で喉痛いの治るかな?
うん、簡単に治ったわ。やられたの僕だし、僕がやってもいいよね?
「お姉さんどういうつもり?」
「な、何を……したのよ……! ていうか、な、なんで……喋れるのよ……!」
まだ胸が痛いのか言葉が途切れ途切れだ。言い終わるとゼェハァと呼吸を必死に整えている。
「喉痛かったから回復で治した」
「なんで回復で治るのよ!」
いや、そんなこと言われましても。できるもんは仕方ないと思うな。
「それと、お姉さんが胸痛いの僕の魔法だから。僕は声出さなくても魔法使えるからね」
「ちっ……! 氷結地獄!」
「させん!」
喋っている間にアレサが前へ出ていたおかげで間に合ったみたい。あのお姉さんの放った氷結地獄がアレサの左手にかかる。
「ストック!」
するとアレサの左手に発動した魔法が吸い込まれていった。アレサの恩恵スキル、魔法保持の効果だ。自分や他人の魔法を1つだけ左手にストックするという魔導士殺しなスキルで、保持した魔法はその支配権もアレサに移り任意に放つことができる。ちょっと強すぎない?
「リリース!」
そして吸い込んだ魔法を即座に返す。アレサの左手から強烈な冷気が巻き起こり、通路の壁やお姉さんの衣服が凍っていく。
「魔法殼!」
慌てて魔法を防ぐため防御魔法を使うが、結構凍りついてきている。
「な、な、な、なによそのスキルは!」
寒さでガタガタ震えながら文句を言う。
「見たまんまだ。それよりちゃんと防いでくれてよかった。死なれると困るからな。それより聞きたいことがある」
「な、なによ!」
「レベル60とやらはどこだ?」
死なれなくて良かったのは僕も思った。そんでアレサの要求だけど、強いのいなくて欲求不満になってるなあれは。
「すいません嘘吐きました……。ああ言えば逃げると思って……」
「つまり居ないということか! 楽しみにしていたのになんということだ!」
お姉さんが土下座するとアレサが頭を抱えて喚き散らす。そんなに戦いたかったのか。
「この私の欲求不満をどこにぶつければいい!」
「知らないわよ!」
アレサがお姉さんの襟首を掴み文句を言う。お姉さんもどうしようもないわな。
「リーネ……。石にして差し上げろ」
諦めきれないのがありありとわかるわー。涙まで流しちゃってまぁ……。いずれまたダンジョンに潜るから強敵に期待してもらうしかないかな。
「む、無駄よ! 私の魔力は520! 3倍はないと石化しないんだから!」
あら、意外とレベルが高いらしい。単純な魔力ならリーネとタメ張れるのか。
「弱化、強化」
弱化を強化してかける。魔力を下げればいいだけの話なんだけどね。
「な、なに? 力が抜けていく……?」
「お姉さんの魔力を弱めてみました! でもまだ250くらいあるのか。リーネ、石化を強化するから大丈夫だと思う」
無声発動で鑑定したら意外と残ってたね。魔力が高いとある程度防がれるのかな?
「わかったー。石化」
「強化」
パキパキパキ……。
「な、なんで石化魔法に抵抗できないのよぉぉぉぉっ!」
そしてお姉さんは悪態をつきながら石になりましたとさ。はい、収納収納。あ、倒れてる奴らも石にして収納しましょうねー。
「レベルなど身体能力の目安でしかない。勝てないと判断したらルウに任せる」
うんまぁ、でも実際そうなんだよな……。前に捕まえた盗賊団のスキル持ち、あれでレベル37だったらしいからねぇ……。さすがにレベル60の技術がゴミ、ってことはないだろうけど。
僕らは忠告はスルーして先へ進む。あれから2つの看板をすり抜けるとその先から声が聞こえた。
「ふぅーっ、あいつら結構持ってたな」
「いやー、しかしここはいいよな。死体の処理にも困らねぇし、この階層だと上位の冒険者も来ないからな」
「違いねぇ」
男どもの笑い声が響く。中の様子を見たいとこだけど、関係ないかな?
「よし、乗り込むか。真正面から行くぞ」
「なら是非私にやらせてくれ!」
「そうか? じゃあ先頭頼む」
アレサが剣を抜く。そして思いっきり息を吸って吐き出す。そしてアレサが声をあげた。
「ひとーつ! 人の生き血をすすり!」
「な、なんだ!?」
あー、そういえば最近演劇とやらを見に行ったとか言ってたな……。感化されたな。
「ふたーつ不埒な悪行三昧!」
「何者だ!」
「みーっつ見て見ぬふりできぬなら!」
アレサ、ノリノリなのはいいけど相手にもう姿見せてるからね?
立ち上がって武器構えているからね?
「なんだこいつは!」
「よーっ……!」
「やっちまえ!」
口上が終わる前に悪党どもが動く。するとアレサの額に青筋が立った!
「口上が終わる前に来るやつがあるかぁっ!!」
襲ってきた悪党どもを次々と斬り伏せる。腕を切り落とし、腹を薙ぎ、肩を切りつけていった。
技術の差は歴然で悪党どもは一太刀振るう暇もなく斬られていく。
「ふん、他愛もない。しかし4人か。レベル60とかいう奴はいないのか」
アレサがつまらなさそうに切り伏せられた悪党どもを見下ろす。もはや全員戦闘不能だね。
終わりかな、と思って少し気を抜いていた。すると。
ぽふっ。
僕の肩に何かぶつかり、そこから粉が舞う。これは……!?
粉が喉に入り、盛大に咳き込む。さらに鼻腔をくすぐってくしゃみまで。なんじゃこりゃ?
とか思っていたらいきなり首に腕を回されてしまった。
「あなたたち動かないで! 動けばこのガキの命は……、あ……?」
言い終わる前に終了。いや弱化で心臓の鼓動を弱くしただけよ?
お姉さんはあっさりと胸を押さえて座り込む。
声出ないから無声発動だけど。若いんだしもう弱化は解いたからすぐ治るでしょ。聞きたいことがあるから、喋られる状態にしておかないといけないのめんどくさいです。
とりあえず回復で喉痛いの治るかな?
うん、簡単に治ったわ。やられたの僕だし、僕がやってもいいよね?
「お姉さんどういうつもり?」
「な、何を……したのよ……! ていうか、な、なんで……喋れるのよ……!」
まだ胸が痛いのか言葉が途切れ途切れだ。言い終わるとゼェハァと呼吸を必死に整えている。
「喉痛かったから回復で治した」
「なんで回復で治るのよ!」
いや、そんなこと言われましても。できるもんは仕方ないと思うな。
「それと、お姉さんが胸痛いの僕の魔法だから。僕は声出さなくても魔法使えるからね」
「ちっ……! 氷結地獄!」
「させん!」
喋っている間にアレサが前へ出ていたおかげで間に合ったみたい。あのお姉さんの放った氷結地獄がアレサの左手にかかる。
「ストック!」
するとアレサの左手に発動した魔法が吸い込まれていった。アレサの恩恵スキル、魔法保持の効果だ。自分や他人の魔法を1つだけ左手にストックするという魔導士殺しなスキルで、保持した魔法はその支配権もアレサに移り任意に放つことができる。ちょっと強すぎない?
「リリース!」
そして吸い込んだ魔法を即座に返す。アレサの左手から強烈な冷気が巻き起こり、通路の壁やお姉さんの衣服が凍っていく。
「魔法殼!」
慌てて魔法を防ぐため防御魔法を使うが、結構凍りついてきている。
「な、な、な、なによそのスキルは!」
寒さでガタガタ震えながら文句を言う。
「見たまんまだ。それよりちゃんと防いでくれてよかった。死なれると困るからな。それより聞きたいことがある」
「な、なによ!」
「レベル60とやらはどこだ?」
死なれなくて良かったのは僕も思った。そんでアレサの要求だけど、強いのいなくて欲求不満になってるなあれは。
「すいません嘘吐きました……。ああ言えば逃げると思って……」
「つまり居ないということか! 楽しみにしていたのになんということだ!」
お姉さんが土下座するとアレサが頭を抱えて喚き散らす。そんなに戦いたかったのか。
「この私の欲求不満をどこにぶつければいい!」
「知らないわよ!」
アレサがお姉さんの襟首を掴み文句を言う。お姉さんもどうしようもないわな。
「リーネ……。石にして差し上げろ」
諦めきれないのがありありとわかるわー。涙まで流しちゃってまぁ……。いずれまたダンジョンに潜るから強敵に期待してもらうしかないかな。
「む、無駄よ! 私の魔力は520! 3倍はないと石化しないんだから!」
あら、意外とレベルが高いらしい。単純な魔力ならリーネとタメ張れるのか。
「弱化、強化」
弱化を強化してかける。魔力を下げればいいだけの話なんだけどね。
「な、なに? 力が抜けていく……?」
「お姉さんの魔力を弱めてみました! でもまだ250くらいあるのか。リーネ、石化を強化するから大丈夫だと思う」
無声発動で鑑定したら意外と残ってたね。魔力が高いとある程度防がれるのかな?
「わかったー。石化」
「強化」
パキパキパキ……。
「な、なんで石化魔法に抵抗できないのよぉぉぉぉっ!」
そしてお姉さんは悪態をつきながら石になりましたとさ。はい、収納収納。あ、倒れてる奴らも石にして収納しましょうねー。
48
あなたにおすすめの小説
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます
空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。
勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。
事態は段々怪しい雲行きとなっていく。
実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。
異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。
【重要なお知らせ】
※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。
※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる