93 / 188
第90話 魔神ドレカヴァク
しおりを挟む
「総員魔法撃て!」
殿下の指示で射程に入ったドレカヴァクに対し浄滅魔法や火炎系の魔法を放つ。僕らも負けじと強化をかけた魔法を放った。
リオネッセさんの審判
僕の浄滅
リーネの龍炎
他にも最大火力級の魔法を撃った。その乱射によって前方は光と炎にまみれる。熱気がこちらまで伝わり、僕の髪の毛からチリつくような焦げ臭い匂いがした。
「よし、総員後退! 距離を取って第二波を用意せよ!」
殿下の命令で総員が後退する。僕たちはこの場で待機だ。そして次の瞬間炎が消し飛ばされた。
「ハーッハッハッハッ! 効かねぇなあ! 悪いけど魔法そのものが効かねぇんだよ!」
ドレカヴァクが前身する。そしてその全身を見て僕は怖気がした。
その巨体は無数の屍でてきていたのだ。その足も、腕も、顔も全てが人の屍。その肉体の周りをレイスやレヴナントといった無数の悪霊がまとわりついている。その全長は果たしてどれほどなのか。もうそれこそオーガが赤子に見えるほどだよ……。
「お返しをしてやろう……」
死の巨人となったドレカヴァクが右手を掲げる。その掲げた手の中にレイスやレヴナントが集まっていき、球体を作りあげた。
「まずい! 防壁、強化」
「聖霊の盾」
僕が障壁を張ると、皆も持てる障壁魔法を使って攻撃に備える。
「おもしろい、あえてその盾にぶつけてやろう」
ドレカヴァクが右手に集めた悪霊たちを1つの球体にまとめると、大きく振りかぶって全力で投げてきた。そのときに足が大地を踏みしめ、地面が大きく揺れる。
投げた悪霊球は全ての悪霊が合わさったせいか、1つの大きな悪霊のようだった。僕の障壁を破壊し、リオネッセさんの障壁と衝突すると、そのサイズを減らしながらも障壁を打ち破る。
そして残った障壁を食い破り、威力を大きく落としながらエクソシスト達の手前10m程の位置に着弾した。
着弾した箇所が爆発を起こし、黒い瘴気が爆ぜる。それは爆風のように広がり、離れた位置にいるエクソシストや騎士達、冒険者たちを吹き飛ばした。
悲鳴と絶叫が響き、戦線は容易く崩壊。命令を待つまでもなく撤退が始まる。
「ハーッハッハッハッ! 雑魚どもなんざ後でゆっくり殺してやる。今は逃げるがいい。だがライミス! テメェはダメだ! 撤退するなら俺は街を襲うぞ!」
ドレカヴァクは高笑いをあげると、今度は僕たちを指差して宣言した。声は額の方からしている。空を飛んで直接やるか?
いや、リスクが高すぎるな。
「勇士の紋章メンバーに告げる! 撤退はない! ここで決着をつける!」
「おう!」
ライミスさんがそう宣言し、皆が意志をひとつにする。どのみち僕らに逃げ場はない。決着をつけるならここだろう。
「いい覚悟だ! 死ね!」
「とにかく避けろ! 全員散開!」
ドレカヴァクが右手を振り上げる。直接ぶん殴る気か!
僕たちは蜘蛛の子を散らすように広がって逃げる。特にライミスさんは完全に孤立だ。恐らく囮になるつもりだろう。
案の定、狙いはライミスさんだった。ライミスさん目掛けて振り下ろされた右手は大地を抉り、土煙を巻き上げる。殴った箇所にはクレーターができていた。あんなもの食らったら即死してしまう。
「どうしたどうした! 逃げてばかりか?」
「ふん、木偶の坊が!」
アレーテさんが距離を詰め、脚を切りに行った。その凄まじい疾さにドレカヴァクは反応出来ていない。
アレーテさんが右脚を切りつけた。
切りつけた箇所から光が立ち上った。しかしその光は右脚を崩壊させるには至らない。切りつけたキズも回復していく。
ドレカヴァクはすぐに右足を上げ、アレーテさんを追い払った。
アレーテさんが踏み潰されないよう後ろに回りこむ。
この攻防ではドレカヴァクはほぼ無傷。魔法も効果なし。
「氷塊流星群使う?」
「いや、あれだけ大きいと威力が出る前に当たって大したダメージにならないよ」
氷塊流星群だと生成中に叩き落とされる可能性もある。それに味方にも被害が出てしまうだろう。
味方に被害、という点では爆発もダメだ。あの巨体を吹き飛ばす爆発となるとここら一帯が焦土と化す。
「くそっ、どうする?」
「今考え中……」
うーん、デカイってのはそれだけで脅威だよなホント。オマケに魔法は効かないか。
「くそっ、私の龍炎光牙剣でもダメだというのか……」
うーん、せっかく作った龍炎光牙剣は切り札になると思ったのになぁ。僕たちパーティの名を冠した剣だもの。これが役に立たないなんて悔しすぎる。
ん?
龍炎光牙……。みんなのスキル……。僕の拡大解釈で……。
「ある!」
「え?」
天啓のごとく閃いた考えに僕は勝機を見出すと、思わず叫んでしまった。
「勝つ方法だよ。そうだよ、僕らだからこそできることがあるじゃないか!」
「さすがルウだ。その方法は?」
「超龍炎光牙剣だよ!」
「「「は?」」」
僕の一言に皆が意味わからん、と肩を落とす。でも大丈夫、これならきっと勝てる!
殿下の指示で射程に入ったドレカヴァクに対し浄滅魔法や火炎系の魔法を放つ。僕らも負けじと強化をかけた魔法を放った。
リオネッセさんの審判
僕の浄滅
リーネの龍炎
他にも最大火力級の魔法を撃った。その乱射によって前方は光と炎にまみれる。熱気がこちらまで伝わり、僕の髪の毛からチリつくような焦げ臭い匂いがした。
「よし、総員後退! 距離を取って第二波を用意せよ!」
殿下の命令で総員が後退する。僕たちはこの場で待機だ。そして次の瞬間炎が消し飛ばされた。
「ハーッハッハッハッ! 効かねぇなあ! 悪いけど魔法そのものが効かねぇんだよ!」
ドレカヴァクが前身する。そしてその全身を見て僕は怖気がした。
その巨体は無数の屍でてきていたのだ。その足も、腕も、顔も全てが人の屍。その肉体の周りをレイスやレヴナントといった無数の悪霊がまとわりついている。その全長は果たしてどれほどなのか。もうそれこそオーガが赤子に見えるほどだよ……。
「お返しをしてやろう……」
死の巨人となったドレカヴァクが右手を掲げる。その掲げた手の中にレイスやレヴナントが集まっていき、球体を作りあげた。
「まずい! 防壁、強化」
「聖霊の盾」
僕が障壁を張ると、皆も持てる障壁魔法を使って攻撃に備える。
「おもしろい、あえてその盾にぶつけてやろう」
ドレカヴァクが右手に集めた悪霊たちを1つの球体にまとめると、大きく振りかぶって全力で投げてきた。そのときに足が大地を踏みしめ、地面が大きく揺れる。
投げた悪霊球は全ての悪霊が合わさったせいか、1つの大きな悪霊のようだった。僕の障壁を破壊し、リオネッセさんの障壁と衝突すると、そのサイズを減らしながらも障壁を打ち破る。
そして残った障壁を食い破り、威力を大きく落としながらエクソシスト達の手前10m程の位置に着弾した。
着弾した箇所が爆発を起こし、黒い瘴気が爆ぜる。それは爆風のように広がり、離れた位置にいるエクソシストや騎士達、冒険者たちを吹き飛ばした。
悲鳴と絶叫が響き、戦線は容易く崩壊。命令を待つまでもなく撤退が始まる。
「ハーッハッハッハッ! 雑魚どもなんざ後でゆっくり殺してやる。今は逃げるがいい。だがライミス! テメェはダメだ! 撤退するなら俺は街を襲うぞ!」
ドレカヴァクは高笑いをあげると、今度は僕たちを指差して宣言した。声は額の方からしている。空を飛んで直接やるか?
いや、リスクが高すぎるな。
「勇士の紋章メンバーに告げる! 撤退はない! ここで決着をつける!」
「おう!」
ライミスさんがそう宣言し、皆が意志をひとつにする。どのみち僕らに逃げ場はない。決着をつけるならここだろう。
「いい覚悟だ! 死ね!」
「とにかく避けろ! 全員散開!」
ドレカヴァクが右手を振り上げる。直接ぶん殴る気か!
僕たちは蜘蛛の子を散らすように広がって逃げる。特にライミスさんは完全に孤立だ。恐らく囮になるつもりだろう。
案の定、狙いはライミスさんだった。ライミスさん目掛けて振り下ろされた右手は大地を抉り、土煙を巻き上げる。殴った箇所にはクレーターができていた。あんなもの食らったら即死してしまう。
「どうしたどうした! 逃げてばかりか?」
「ふん、木偶の坊が!」
アレーテさんが距離を詰め、脚を切りに行った。その凄まじい疾さにドレカヴァクは反応出来ていない。
アレーテさんが右脚を切りつけた。
切りつけた箇所から光が立ち上った。しかしその光は右脚を崩壊させるには至らない。切りつけたキズも回復していく。
ドレカヴァクはすぐに右足を上げ、アレーテさんを追い払った。
アレーテさんが踏み潰されないよう後ろに回りこむ。
この攻防ではドレカヴァクはほぼ無傷。魔法も効果なし。
「氷塊流星群使う?」
「いや、あれだけ大きいと威力が出る前に当たって大したダメージにならないよ」
氷塊流星群だと生成中に叩き落とされる可能性もある。それに味方にも被害が出てしまうだろう。
味方に被害、という点では爆発もダメだ。あの巨体を吹き飛ばす爆発となるとここら一帯が焦土と化す。
「くそっ、どうする?」
「今考え中……」
うーん、デカイってのはそれだけで脅威だよなホント。オマケに魔法は効かないか。
「くそっ、私の龍炎光牙剣でもダメだというのか……」
うーん、せっかく作った龍炎光牙剣は切り札になると思ったのになぁ。僕たちパーティの名を冠した剣だもの。これが役に立たないなんて悔しすぎる。
ん?
龍炎光牙……。みんなのスキル……。僕の拡大解釈で……。
「ある!」
「え?」
天啓のごとく閃いた考えに僕は勝機を見出すと、思わず叫んでしまった。
「勝つ方法だよ。そうだよ、僕らだからこそできることがあるじゃないか!」
「さすがルウだ。その方法は?」
「超龍炎光牙剣だよ!」
「「「は?」」」
僕の一言に皆が意味わからん、と肩を落とす。でも大丈夫、これならきっと勝てる!
33
あなたにおすすめの小説
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます
空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。
勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。
事態は段々怪しい雲行きとなっていく。
実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。
異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。
【重要なお知らせ】
※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。
※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる