【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

文字の大きさ
111 / 188

第108話 《アマラの視点》クリフォトの種2

しおりを挟む
「ははははははっ、実に素晴らしいですよ。アマラ、あなたは最高です!」

 レイモンが声をあげて笑うと、何故か俺を褒める。全くわけがわからん。もう頭の中が疑問符だらけで何がなにやらだ。

「いや、凄いのは二ー様だろ?    なんで俺を褒めてんだよ。ていうよりお前は何者だ?    いいかげん教えろ」
「ええ、もちろん話しますとも」

 レイモンがニタニタと気味の悪い笑みを浮かべる。サングラスの奥の表情は読めねぇがほくそ笑んでるのは間違いねぇな。

「私の手、見ての通り木なんですけどね、なんの木かはもうお分かりでしょう?」
「クリフォトの木……だろ?」

 てめぇで言ってたじゃねーか。

「ええ、正確には木の枝に過ぎません。ですので実を付けるのも一苦労ですよ。ひとつの実を付けるのに必要なのは多数の生娘の生命エネルギーと、写し身となる悪の心を持つ人間なのですよ」

 ……今聞き捨てならないことを言わなかったか?
 写し身っつーことはあれは俺の何かを反映した姿ってことかよ!
 納得いかんぞ!

「ちょっと待て。俺に女装趣味はねぇぞ」
「多分ですが、可愛い彼女が欲しいとか思っていたんじゃないですか?    残念ながら性別は写し身となる方の影響を受けますので」

 いや、そこは普通に可愛い女の子出せよ。つかそれで俺の好みドンピシャだったのか。俺の性癖がねじ曲がったらどうしてくれんだよ……。

「……ドレカヴァクの時はどうだったんだ」
「シリアルキラーというヤツでしたね。人殺しが三度の飯より好きな野蛮人です」

 レイモンがあれはダメだと頭を振る。そういやその人間はどうしたんだろうな。

「……野蛮人で悪かったな」
「って、お前かよ!」

 ドレカヴァクはこのマスターの写し身だったのかよ。全然見えんかったわ。

「ねぇ、その話まだ続くの?」
「二ー様、もうしばらくお待ちください」

 二ーはつまらなさそうにぶー垂れる。まぁこいつにとってはつまらん話か。つかこいつはこいつで何を求めるのか気になるな。だがとりあえずレイモンだな。

「んで、とりあえずお前の目的を教えろ」
「目的?    私の役目は悪魔を生み出すことのみです。そして枝である私の使命は新たなる魔王を生み出し、この世界のクリフォトの木となることなのですよ」
「俺はビッグになりたいだけなんだが。俺にもメリットあるんだよな?」

 枝が木になるのか……?
    普通種じゃないのかよ。

「ありますとも。ドレカヴァクの加護を失ったあなたには二ー様より加護を受けられるはずです。そして新たに二ー様を魔王として崇める団体を作り上げ、そのトップに立てばあなたの願いは叶うでしょう」
「加護かい?    いいとも。飛びきりの加護をあげようじゃないか。ただし、人間の枠を越えることになるけどね」

 なるほど。確かにこの世界でビッグになるには力は必要不可欠だ。ドレカヴァクの加護は確かに失ったが、いくつか残った能力もあるんだけどな。しかし人間の枠を越えるってどういう意味だ?

「ふむ、でしたらアマラさん。いっそ人魔になってみては?    人でありながら魔である存在。実に面白いじゃないですか」

 人魔?
 聞いた事ねぇんだが。しかし悪くねぇ響きかもしれねぇな。

「ほう……?    メリットはなんだ?」
「そうだねぇ。まず寿命が1000年以上になるかな。それに魔力も人間の限界を超えられるはずだよ。君なら子爵級悪魔の魔力と同程度になれると思うよ?」

 寿命が1000年!?
 つまりそれだけ長く楽しめるってことか!
 さらに魔力も悪魔に匹敵かよ。それって無敵ってことじゃねーか!?

「いいねぇ、実にいい話だ。信じていいんだよな?」
「もちろんですとも」

 これが本当なら是非飛びつきたいところなんだがな。

「ふふっ、じゃあ取り引き成立でいいよね?    君はこの世界でビッグになる。僕はこの世界で信徒を増やし、新たな魔王として台当する。わかりやすいだろ?」
「そうだな。なんだ、あんたは魔王になりたいのか」

 ギブアンドテイクが成り立つなら信用してもいいかもしれんな。しかし魔王になりたいとはね。

「僕たち魔神の役割なんてそんなもんだよ。魔神の使命は魔族の勢力拡大さ。そのための手段がクリフォトの木を植えることさ。それには王クラスの力が必要なんだけど、力の得方は色々ある。そのひとつが信徒なんだ」
「ドレカヴァクは大量の屍で力を得ようとしていましたがね。あれは効率が悪いんです。強い人の想念が大事ではあるのですが、想念の方向性がよくありません」

 そういうもんなんかね。よくわからんが。まぁ信奉者が必要なら集めてやるさ。闇ギルドの人間やスラムの奴らなんざ力が支配する世界だからな。簡単なもんだろ。

「まぁ、とにかく君には特に素敵な力をあげようじゃないか」

 二ーは自分の入っていたクリフォトの実に触れる。するとその実が一瞬で溶けたかと思うと二ーの手の中で再生され、ひとつの赤い実となった。

「これを食べるといい。僕だと思ってゆっくりと味わうんだよ?」

 二ーはニコニコと可愛らしい笑みを浮かべちゃいるが、男なんだよな……。そんな言い方されたら食べにくいだろうが!

「……ありがたくちょうだいします」

 とはいえ、これ断ったら後が怖そうだ。力が手に入るんだし我慢我慢……。

 俺は平静を装い赤い実を受け取ると、つつーと一筋の汗が流れた。そしてゴクリと唾を飲み込む。

 ええーい、ままよ!

 意を決して赤い実にかぶりつき、その身をムシャムシャと咀嚼する。
 意外と美味い。ちょっと安心したわ。

「……結構いけるな」
「ふふっ、僕の味がするでしょ?」

 ゴホッ!

 やべ、むせたわ。変なこと言うんじゃねーっての!
 しかし文句を口に出すこともできず、俺は赤い実を食べ尽くすのだった。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます

空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。 勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。 事態は段々怪しい雲行きとなっていく。 実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。 異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。 【重要なお知らせ】 ※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。 ※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

処理中です...