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第120話 《リーネの視点》人魔
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人質たちを収納したまま神殿へと急ぐ。予定では後からルウ達も来てくれる算段だ。さすがに飛翔で飛んでいくと目立ち過ぎるのでちょっも急ぎ足程度なんだけどね。それでも着くのに1時間は歩かないといけない。
神殿に到着すると中へ入り、神官に声をかけて事情を説明する。前もって伝える間もなく救出作戦に移ったからね。ま、それは何とかなるだろうという算段だったんだけど。
「なんと、クリフォトの種に捕らえられていた人たちを救出したと!? それは素晴らしいことです。わかりました、すぐにボンズ大司祭に取り次ぎましょう」
神官は急いで奥へ入り、大司祭様に知らせに行ってくれた。
待つことしばし。神官が戻って来た。
「お待たせしました。それで、捕らえられていた人たちはどこに? 神殿で保護いたしますので連れて来て欲しいとのことでした」
「あ、それでしたらこの中です」
神官に聞かれ、私はみんなを収容した箱を取り出し蓋を開けた。すると中からぞろぞろと人質になっていた女性達が姿を見せる。
「凄い! あんな小さな箱の中にこんな大勢の人が入っていたのですか!」
その様子に神官達や礼拝に訪れた人々から驚きの声があがる。うん、そりゃ驚くよね。この魔法のこと聞かれると面倒だなぁ。
「良かった、神殿だわ! 私たち助かったのね」
「ああ、もうダメかと思ってたわ!」
出た場所が神殿だったおかげで彼女たちも安心できたみたい。助けに来た時は笑顔なんて見せなかったけど、ようやく笑えて良かったと思う。
「これは驚いたね。まさか神殿に戻ってくるとは」
「そうですねお兄様。この魔法技術は革命的ですわ」
テオドール様とリーゼロッテ様も出てきて周りを見渡す。後はこの2人を領主様の元へお届けして依頼は終了かな。
「なんと、領主様の御子息ではございませんか。良くぞご無事で」
「あっはははは。僕らは大丈夫だよ。確かに奴らに捕まって無理矢理連れてこられたけどね、今となってはむしろ良かったとさえ思っているよ」
「は……? それはどういう……」
ん?
テオドール様の返答に私や周りの神官が首を傾げる。
良かった……?
何が……?
「お兄様、ここで始めるつもりですの?」
「いやー、なんかさ。ここの空気が清らか過ぎてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてぇぇぇっっ!!」
「みんな、彼らから離れろ!」
何を始めるのやら、とか思っていたら急にテオドール様の様子が一変。いきなり目を血走らせ、ヨダレを垂らして剣呑とした空気が辺りを支配した。
ええ?
もしかして偽物だった?
でも鑑定して名前はわかってるし、入れ替わるにしても準備が良すぎる。そんなの有り得るわけがない。
「い、いったい何が!? この気配はもしや悪魔か!? さては偽物か!」
神官がテオドール様の気配に悪魔を疑う。偽物は私も考えた。でもそんなこと有り得るわけがない。いったいどういうこと?
「悪魔……? ふふっ、違うよ。僕らは生まれ変わったんだ。僕らはアマラ様に出会い、その御力に触れ理解したのさ。彼こそが僕らが仕えるべき王となるお方だ」
「ええ、その御力は絶対にして神の如し。私その存在の大きさに惚れてしまいましたわ。であるからこそ、私は彼の役に立つことを望むのです」
いったい何が……?
アマラは彼らに何をしたというの?
「いけません、あなた方は騙されている。目を覚ましなさい!」
「ああ、この神聖な空気が腹立たしいですわね。本当はこんな所で暴れる予定ではなかったですのに」
「そうだね。その箱があれば生贄集めも捗りそうだ。そこの魔導士ともどもいただくことにしようか」
「え? 私……?」
私に勝てるつもりでいるのか。ならなんであの時に仕掛けなかったんだろ?
「そう、あなたよ。生贄には非常に良さそうな女の子じゃなぁい。でもあなた強そうだったからね。アジトを壊しちゃったらドレク様に怒られてしまうから我慢したのよ?」
「神官さん、早くみんなを避難させて!」
ああ、そういうことか。まぁ、確かにアジトぶっ壊れるかもね。壊さなくてもこっちにはアレサがいた。そして今はサルヴァンもフィンもいるからね。生贄なんかにされてたまるものですか。
「逃がすわけないじゃん。封絶せよ!」
テオドールの一言で神殿のロビーが結界に包まれる。どうやら並々ならぬ力を持っているみたい。
「うふふ、折角手に入れた力だもの。試してみたくてウズウズしていたのよね。簡単に終わっちゃ嫌よ?」
2人から感じる空気感は間違いなく悪魔と同種のものよね。ドレカヴァク程の強烈さはないけど、同じ感じがある。
「ホントだね、では見せてあげるよ。これがアマラ様からいただいた力。人の身でありながら悪魔の力を手に入れた新たなる存在、人魔の力だ!」
テオドールが叫ぶ。強烈な魔力の波動が周囲に広がり、逃げ遅れて端で立ち往生していた人達を気絶に追い込んだ。周囲には人がいるし建物の中だからあまり強力な魔法は使えないか。私の得意な闇魔法じゃ悪魔とは相性も悪い。切り札の願いも当分使えないしルウもいない。もしかして結構ピンチなのかな……?
神殿に到着すると中へ入り、神官に声をかけて事情を説明する。前もって伝える間もなく救出作戦に移ったからね。ま、それは何とかなるだろうという算段だったんだけど。
「なんと、クリフォトの種に捕らえられていた人たちを救出したと!? それは素晴らしいことです。わかりました、すぐにボンズ大司祭に取り次ぎましょう」
神官は急いで奥へ入り、大司祭様に知らせに行ってくれた。
待つことしばし。神官が戻って来た。
「お待たせしました。それで、捕らえられていた人たちはどこに? 神殿で保護いたしますので連れて来て欲しいとのことでした」
「あ、それでしたらこの中です」
神官に聞かれ、私はみんなを収容した箱を取り出し蓋を開けた。すると中からぞろぞろと人質になっていた女性達が姿を見せる。
「凄い! あんな小さな箱の中にこんな大勢の人が入っていたのですか!」
その様子に神官達や礼拝に訪れた人々から驚きの声があがる。うん、そりゃ驚くよね。この魔法のこと聞かれると面倒だなぁ。
「良かった、神殿だわ! 私たち助かったのね」
「ああ、もうダメかと思ってたわ!」
出た場所が神殿だったおかげで彼女たちも安心できたみたい。助けに来た時は笑顔なんて見せなかったけど、ようやく笑えて良かったと思う。
「これは驚いたね。まさか神殿に戻ってくるとは」
「そうですねお兄様。この魔法技術は革命的ですわ」
テオドール様とリーゼロッテ様も出てきて周りを見渡す。後はこの2人を領主様の元へお届けして依頼は終了かな。
「なんと、領主様の御子息ではございませんか。良くぞご無事で」
「あっはははは。僕らは大丈夫だよ。確かに奴らに捕まって無理矢理連れてこられたけどね、今となってはむしろ良かったとさえ思っているよ」
「は……? それはどういう……」
ん?
テオドール様の返答に私や周りの神官が首を傾げる。
良かった……?
何が……?
「お兄様、ここで始めるつもりですの?」
「いやー、なんかさ。ここの空気が清らか過ぎてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてムカついてぇぇぇっっ!!」
「みんな、彼らから離れろ!」
何を始めるのやら、とか思っていたら急にテオドール様の様子が一変。いきなり目を血走らせ、ヨダレを垂らして剣呑とした空気が辺りを支配した。
ええ?
もしかして偽物だった?
でも鑑定して名前はわかってるし、入れ替わるにしても準備が良すぎる。そんなの有り得るわけがない。
「い、いったい何が!? この気配はもしや悪魔か!? さては偽物か!」
神官がテオドール様の気配に悪魔を疑う。偽物は私も考えた。でもそんなこと有り得るわけがない。いったいどういうこと?
「悪魔……? ふふっ、違うよ。僕らは生まれ変わったんだ。僕らはアマラ様に出会い、その御力に触れ理解したのさ。彼こそが僕らが仕えるべき王となるお方だ」
「ええ、その御力は絶対にして神の如し。私その存在の大きさに惚れてしまいましたわ。であるからこそ、私は彼の役に立つことを望むのです」
いったい何が……?
アマラは彼らに何をしたというの?
「いけません、あなた方は騙されている。目を覚ましなさい!」
「ああ、この神聖な空気が腹立たしいですわね。本当はこんな所で暴れる予定ではなかったですのに」
「そうだね。その箱があれば生贄集めも捗りそうだ。そこの魔導士ともどもいただくことにしようか」
「え? 私……?」
私に勝てるつもりでいるのか。ならなんであの時に仕掛けなかったんだろ?
「そう、あなたよ。生贄には非常に良さそうな女の子じゃなぁい。でもあなた強そうだったからね。アジトを壊しちゃったらドレク様に怒られてしまうから我慢したのよ?」
「神官さん、早くみんなを避難させて!」
ああ、そういうことか。まぁ、確かにアジトぶっ壊れるかもね。壊さなくてもこっちにはアレサがいた。そして今はサルヴァンもフィンもいるからね。生贄なんかにされてたまるものですか。
「逃がすわけないじゃん。封絶せよ!」
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「うふふ、折角手に入れた力だもの。試してみたくてウズウズしていたのよね。簡単に終わっちゃ嫌よ?」
2人から感じる空気感は間違いなく悪魔と同種のものよね。ドレカヴァク程の強烈さはないけど、同じ感じがある。
「ホントだね、では見せてあげるよ。これがアマラ様からいただいた力。人の身でありながら悪魔の力を手に入れた新たなる存在、人魔の力だ!」
テオドールが叫ぶ。強烈な魔力の波動が周囲に広がり、逃げ遅れて端で立ち往生していた人達を気絶に追い込んだ。周囲には人がいるし建物の中だからあまり強力な魔法は使えないか。私の得意な闇魔法じゃ悪魔とは相性も悪い。切り札の願いも当分使えないしルウもいない。もしかして結構ピンチなのかな……?
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