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第143話 神霊アウラ 前編
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あの後魔導士ギルドに寄り、新たに手に入れた魔導書をギルドマスターに提出。そして魔法の契約も行った。試し打ちとかしてみたかったけど、とんでもない被害を出すと困るのでダンジョンで試し打ちをしてみたんだよね。そしたら強化なしでドラゴンの身体が蒸発しました。
魔石くらいは残ったけど素材がパー。威力あり過ぎて意味がわかんなかったよ。でもこれなら神霊にも通用するかもしれない。
で、今はクランハウスの自室。リーネの眠る横で物語を読んでいるわけだ。本のタイトルは【英雄王と悪魔の木】。神聖エスペラント教国の初代教皇となった英雄王ディーンの物語らしい。その本によるとディーンは元々エルガイア王国の王子で、神の啓示により力を手にしエルガイア国の王となった。
その後クリフォトを現世に植え付けたクリフォトの守護者たる国王パルムを倒し英雄王と呼ばれるようになる。そして女神アルテアの教えを広めるために神聖エスペラント教国を興し、初代皇帝になったそうだ。
このあたりはクリフォトの木の伝承通りだが話の内容はより細かくなっている。そして何より、クリフォトの木が世界に根付くための条件が記されていた。
「クリフォトの木を根付かせる条件が魔王が存在することと、多くの魂を捧げることだって?」
ニーグリは公爵級悪魔だ。魔王を名乗っているわけじゃない。しかしこの話に出てくる魔王も元は公爵級悪魔だった。その公爵級悪魔に力を与えたもの。それが人々の信仰と祈りだったのだ。
「つまり、アマラは今まさにクリフォトの木の伝承を再現しようとしているのか。つまり時間を与えるのは拙いということになる」
アマラは既に一国の王となった。そしてニーグリを神として崇めさせようとしている。全く同じじゃないか。
ではディーンはどのようにしてその魔王を打ち倒したのか。それはやはりダンジョンをクリアし、その報酬である神剣『約束された勝利の剣』の力を借りたからだ。これが事実であるなら神聖エスペラント教国には神剣が存在することになる。
最後まで読み終えると、ページの一番最後にメッセージが書かれた紙が挟まっていた。
『約束された勝利の剣は実在する。そして奴らもその存在を知っているはずだ。絶対に奪われてはならない』
……うぉい。そんな大事なことは向こうの教皇様にご信託でも与えて伝えてよ。できれば協力体制築く手助けもしてほしいな。
などと思っていたらメッセージの内容が変化した。
『最後の試練をクリアしたらな。期待はしている』
「……神様見てらっしゃる?」
するとまたメッセージの内容が変化した。
『先程はお楽しみでしたね』
「ふぁっ!?」
なに見てんのさぁぁぁっ!?
顔が引きつっているのが自分でもわかる。感情に任せ、問答無用で僕はその紙を破り捨てた。
……僕のプライバシーどこいった?
神様が覗きみたいな真似しないでよ、まったくもう。
……もう、寝よう。
僕は布団に潜り込んだ。
それから3日経ち、僕らは神霊に挑むためダンジョンへとやって来た。今いるのは48階層の渦の中の部屋だ。その先の神像の近くに次の階層へと繋がる門が開かれていた。門といってもこちらは虚空に浮かぶ赤い渦。これが次の階層に進むためのゲートということだ。
「いよいよ最後の試練だな。一応の準備は終えたが、先ずは今の自分たちの力がニーグリクラスの存在に通用するのかを試すことになる。やるだけやってみよう」
飛び込む前にサルヴァンが皆に声をかける。ボスへ挑む前のいつものやりとりではあるんだけどね。最後の試練なんだから気合を入れないと。
「ああ、わかっているさ。最初から全開でいかせてもらう」
「うん、私も全力全開でいくよ」
アレサは既に龍炎光牙剣を帯剣しており魔力を込め直すための魔晶石も十分な数を用意してある。リーネもその膨大な魔力をさらに高めるため、装備を新調したのだ。
リーネは新たに手の甲に宝石をつけたグローブをしており、この宝石には僕の強化が込められている。これにより魔法の威力を任意で強化できるのだ。
「じゃあいつも通りのやり方で行こう。サルヴァンがタンク、アレサとリーネで攻撃して僕がサポート。次に繋げるためにも一つでも多くの情報を得て、やばいと判断したら撤退するから」
「生き返らせてもらえるのにか?」
やばかったら撤退、という言葉にアレサが疑問を持つ。確かに死んでも生き返らせてもらえるが、それを当たり前に享受するのは良くないことだ。本来あり得ないことに頼るのは良くない癖がつくこともある。それに逃げることは生き残るために重要な技術でもあるからね。
「痛いのやでしょ?」
「まぁな」
ここでお説教する気はないので軽く流しておく。誰だって好き好んで痛い目をみたいわけじゃないもんね。
「よし、じゃあいくぞ。もちろん勝つつもりでやるからな!」
「「「おう!」」」
そして僕たちは赤い渦に飛び込んだ。そして辿り着いたその先はとにかく広い部屋だ。
いる。この先に。
感じるのだ、その強力な気配を。
僕たちは頷き合い、サルヴァンを戦闘に歩を進める。そして2分程歩くと眩い光が目に飛び込んで来た。その先にあるのは宙に浮かぶ光。
気配がより強くなる。ハッキリ言って化け物だ。本来なら到底人が勝てるような存在とは思えないほどの圧力を感じる。
そして僕らはようやくその姿を確認できる距離まで近づいた。その姿は長身の女性で美を体現したかのようなプロポーションと容姿を併せ持ち、それでいて清楚さを併せ持つ神々しさがあった。
長くたなびくブロンドの髪はその一本一本から光が発せられているのではないかと思えるほど眩い。白いローブは露出が少なく、ゆったりとした印象だ。
「ようこそ勇者たちよ。私は龍神ザルス様にお仕えする神霊アウラと申します。遠慮は要りません。全力でかかってきなさい」
アウラは両腕を広げ、僕らの攻撃を受け止めてみせると言わんばかりに地に降り立ち、しっかりと足を付けてその場に立つ。
「深淵気発衝!」
その挑発に乗り、リーネがいきなり全力の新魔法を放った。
魔石くらいは残ったけど素材がパー。威力あり過ぎて意味がわかんなかったよ。でもこれなら神霊にも通用するかもしれない。
で、今はクランハウスの自室。リーネの眠る横で物語を読んでいるわけだ。本のタイトルは【英雄王と悪魔の木】。神聖エスペラント教国の初代教皇となった英雄王ディーンの物語らしい。その本によるとディーンは元々エルガイア王国の王子で、神の啓示により力を手にしエルガイア国の王となった。
その後クリフォトを現世に植え付けたクリフォトの守護者たる国王パルムを倒し英雄王と呼ばれるようになる。そして女神アルテアの教えを広めるために神聖エスペラント教国を興し、初代皇帝になったそうだ。
このあたりはクリフォトの木の伝承通りだが話の内容はより細かくなっている。そして何より、クリフォトの木が世界に根付くための条件が記されていた。
「クリフォトの木を根付かせる条件が魔王が存在することと、多くの魂を捧げることだって?」
ニーグリは公爵級悪魔だ。魔王を名乗っているわけじゃない。しかしこの話に出てくる魔王も元は公爵級悪魔だった。その公爵級悪魔に力を与えたもの。それが人々の信仰と祈りだったのだ。
「つまり、アマラは今まさにクリフォトの木の伝承を再現しようとしているのか。つまり時間を与えるのは拙いということになる」
アマラは既に一国の王となった。そしてニーグリを神として崇めさせようとしている。全く同じじゃないか。
ではディーンはどのようにしてその魔王を打ち倒したのか。それはやはりダンジョンをクリアし、その報酬である神剣『約束された勝利の剣』の力を借りたからだ。これが事実であるなら神聖エスペラント教国には神剣が存在することになる。
最後まで読み終えると、ページの一番最後にメッセージが書かれた紙が挟まっていた。
『約束された勝利の剣は実在する。そして奴らもその存在を知っているはずだ。絶対に奪われてはならない』
……うぉい。そんな大事なことは向こうの教皇様にご信託でも与えて伝えてよ。できれば協力体制築く手助けもしてほしいな。
などと思っていたらメッセージの内容が変化した。
『最後の試練をクリアしたらな。期待はしている』
「……神様見てらっしゃる?」
するとまたメッセージの内容が変化した。
『先程はお楽しみでしたね』
「ふぁっ!?」
なに見てんのさぁぁぁっ!?
顔が引きつっているのが自分でもわかる。感情に任せ、問答無用で僕はその紙を破り捨てた。
……僕のプライバシーどこいった?
神様が覗きみたいな真似しないでよ、まったくもう。
……もう、寝よう。
僕は布団に潜り込んだ。
それから3日経ち、僕らは神霊に挑むためダンジョンへとやって来た。今いるのは48階層の渦の中の部屋だ。その先の神像の近くに次の階層へと繋がる門が開かれていた。門といってもこちらは虚空に浮かぶ赤い渦。これが次の階層に進むためのゲートということだ。
「いよいよ最後の試練だな。一応の準備は終えたが、先ずは今の自分たちの力がニーグリクラスの存在に通用するのかを試すことになる。やるだけやってみよう」
飛び込む前にサルヴァンが皆に声をかける。ボスへ挑む前のいつものやりとりではあるんだけどね。最後の試練なんだから気合を入れないと。
「ああ、わかっているさ。最初から全開でいかせてもらう」
「うん、私も全力全開でいくよ」
アレサは既に龍炎光牙剣を帯剣しており魔力を込め直すための魔晶石も十分な数を用意してある。リーネもその膨大な魔力をさらに高めるため、装備を新調したのだ。
リーネは新たに手の甲に宝石をつけたグローブをしており、この宝石には僕の強化が込められている。これにより魔法の威力を任意で強化できるのだ。
「じゃあいつも通りのやり方で行こう。サルヴァンがタンク、アレサとリーネで攻撃して僕がサポート。次に繋げるためにも一つでも多くの情報を得て、やばいと判断したら撤退するから」
「生き返らせてもらえるのにか?」
やばかったら撤退、という言葉にアレサが疑問を持つ。確かに死んでも生き返らせてもらえるが、それを当たり前に享受するのは良くないことだ。本来あり得ないことに頼るのは良くない癖がつくこともある。それに逃げることは生き残るために重要な技術でもあるからね。
「痛いのやでしょ?」
「まぁな」
ここでお説教する気はないので軽く流しておく。誰だって好き好んで痛い目をみたいわけじゃないもんね。
「よし、じゃあいくぞ。もちろん勝つつもりでやるからな!」
「「「おう!」」」
そして僕たちは赤い渦に飛び込んだ。そして辿り着いたその先はとにかく広い部屋だ。
いる。この先に。
感じるのだ、その強力な気配を。
僕たちは頷き合い、サルヴァンを戦闘に歩を進める。そして2分程歩くと眩い光が目に飛び込んで来た。その先にあるのは宙に浮かぶ光。
気配がより強くなる。ハッキリ言って化け物だ。本来なら到底人が勝てるような存在とは思えないほどの圧力を感じる。
そして僕らはようやくその姿を確認できる距離まで近づいた。その姿は長身の女性で美を体現したかのようなプロポーションと容姿を併せ持ち、それでいて清楚さを併せ持つ神々しさがあった。
長くたなびくブロンドの髪はその一本一本から光が発せられているのではないかと思えるほど眩い。白いローブは露出が少なく、ゆったりとした印象だ。
「ようこそ勇者たちよ。私は龍神ザルス様にお仕えする神霊アウラと申します。遠慮は要りません。全力でかかってきなさい」
アウラは両腕を広げ、僕らの攻撃を受け止めてみせると言わんばかりに地に降り立ち、しっかりと足を付けてその場に立つ。
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その挑発に乗り、リーネがいきなり全力の新魔法を放った。
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◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
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