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第144話 神霊アウラ 後編
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極太の闇の閃光がアウラを飲み込む。そして闇が通り過ぎた後には平然とアウラが立っていた。アウラの前には光る壁が見える。恐らくあれて防いだのだろう、全くの無傷のようだ。
「なかなかの威力ですね。直撃すれば私でさえも手傷を負うでしょう。直撃さえさせることができれば、ですがね……」
「なら次は私だな」
龍炎光牙剣に炎をまとわせアレサが迫る。その後ろをサルヴァンが追随。サルヴァンの武器には防壁や魔法を破壊するための破壊が付与されている。そしてもちろん僕とリーネもただ眺めているわけはない。
「光膜」
「闇の手」
僕の光膜で光属性への耐性を上げ、リーネの闇の手は連携の締めを務めるための仕込みに入る。そして僕も前へ出た。
「いくぞサルヴァン! 防壁」
「おう!」
アレサが防壁を踏み台に高く跳び上がる。そしてサルヴァンはまっすぐアウラに突っ込み、障壁の破壊を狙った。
「喰らえ!」
「甘いですね」
アウラは障壁でサルヴァンの一撃を受け止める。すると破壊の効果で障壁にヒビが入った。しかし破壊するには届いていない。相当な高密度の魔力によって生成されているようだ。
「ほう……?」
それを見てアウラが感嘆の声をあげる。でも褒めるにはまだ早いよ!
「もらった!」
そしてアウラの真後ろからアレサが剣を振るう。なぜ上空に跳んだはずのアレサがアウラの真後ろに回っていたのか。それは上空に跳んだアレサが飛翔の魔晶石の力を開放したからだ。
サルヴァンは囮で前からの二段攻撃、と思わせておいてのはさみ撃ち。もちろんそこで終わるわけはない。そのために僕が前に出ているのだ。
アウラはアレサの剣撃をひびの入った障壁で受け止める。すると障壁は涼やかな音を立てて割れた。今がチャンスとばかりにサルヴァンが再び斧を振るう。
「うらぁっ!」
しかしアウラは振るった斧の刃を素手で受け止めてしまう。あれで傷を負わないとかどういう肉体なんだか。破壊の効果もアウラの肉体には影響を及ぼしていないようだ。
ま、想定内だけどね。僕は拡大解釈による無声発動で新しく覚えた魔法を発動させる。使用したのは光の手という闇の手の光魔法版だ。アウラの足下に大量の手を召喚し、アウラの体中を掴む。そしてサルヴァンが素早く横に転がり退避した。
「解放! 深淵気発衝」
そしてほぼゼロ距離からアレサがスキルにより保持していた魔法を発動させる。防御膜は破壊した。これなら直撃するはず。
極太の黒い閃光がアウラを飲み込む。そこをさらにリーネが追撃する。リーネの闇の手が手にしているのは超龍炎光牙剣だ。それを力任せにアウラのいるはずの場所へと振り下ろした。
闇の閃光が通り過ぎ、姿を現したアウラめがけて超龍炎光牙剣が振り下ろされると周辺の石床が轟音を立てて崩壊、砂塵や石床を巻き上げる。クレーターができてもよさそうなもんだけど、どういうわけかクレーターはできず石床が壊れるに留まっていた。
「やったか!?」
そう思ったのも束の間。超龍炎光牙剣にヒビが入り、亀裂が広がっていく。そしてガラガラと崩れさっていった。
「今のはかなり痛かったですね……。お見事でした。合格点をあげてもいいほどです」
姿を現したアウラは衣装もボロボロ、手傷を負って美しい肌にはところどころ血が滲んでいる。あれに耐えるとかどういう肉体なのやら。
「ですが神霊の力を舐めてもらっては困ります。お見せしましょう、公爵級の力とはどのようなものなのかを」
ふっ、とアウラの姿がかき消えた。いや、疾すぎて目で追えていないのだ。
「ぐふっ……?」
その一瞬で近づかれ、サルヴァンの胸をアウラの右腕が貫いた。辛うじて反応し、跳んだようだが間に合わなかったようだ。
「……まず一人」
アウラが腕を引き抜くとサルヴァンは吐血して力なく膝を付き、そして倒れた。そしてサルヴァンに背を向けると、またもその姿がかき消える。
「くっ……!」
そのアウラの動きに反応し、アレサが動いた。アウラの貫手を避け、お返しにと剣を振るうがあっさりと受け止められる。
「……!」
「人の身でその領域に辿り着くとは見事としか言えませんね。ですが……」
真下から伸びた光に飲み込まれ、アレサの絶叫が響き渡った。
「いやぁぁぁぁっ!! 深淵気発衝」
その絶叫を聞き、リーネが泣き叫びながら極大魔法を放つ。しかしその黒い閃光は届くことがなかった。
「素晴らしい魔力量と才能です。まさに稀代の魔導士と呼んで差し支えないでしょう」
「え……!?」
一瞬で近づかれ、リーネの首が跳んだ。僕は一瞬頭が真っ白になった。
リーネ……。
アレサ……。
サルヴァン……。
よくも、よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも!
「うわぁぁぁぁぁっ!! 付与、神気発衝、強化!」
「なんと無茶な……」
僕は僕自身に神気発衝を付与する。この魔法は神の神気を呼び出し閃光として放つ魔法だ。この魔法を自分に付与すれば神のオーラを身に纏えるのではないか、と考えたことがある。ただ試すのは今が初めてだ。自分自身にどんな負担があるのか見当もつかなかったから。
でも今はそんなこと言っていられない。この試練では死んでも生き返らせてもらえるとはわかっていても、眼の前で大切な仲間が倒れていったんだよ!?
たとえ刺し違えてでも一矢報いてやる!
「うおおおおっ!!」
雄叫びをあげアウラに特攻をかける。ゼロ距離からの神気発衝を強化の5重で浴びせてやるのだ。負担は大きいがこれ以外に僕の取れる選択肢はない。
「終わりです」
アウラの手が僕の心臓を狙う。今の僕にはそれが見えるし体も反応する。半身になって辛うじてかわすと、強化しまくった極大魔法を放つ。
「喰らえ!」
無声発動による極大魔法はアウラを飲み込んだ。確かな手応え。カウンターばりに直撃したはずだ。
しかし光の過ぎ去った跡にはアウラの姿はなく、無茶な強化に耐えられなかった肉体は限界を迎えていた。
「くっ……」
僕は膝をついた後、前のめりに倒れる。そして一瞬の痛みの後、僕の意識はそこで途絶えた。
「なかなかの威力ですね。直撃すれば私でさえも手傷を負うでしょう。直撃さえさせることができれば、ですがね……」
「なら次は私だな」
龍炎光牙剣に炎をまとわせアレサが迫る。その後ろをサルヴァンが追随。サルヴァンの武器には防壁や魔法を破壊するための破壊が付与されている。そしてもちろん僕とリーネもただ眺めているわけはない。
「光膜」
「闇の手」
僕の光膜で光属性への耐性を上げ、リーネの闇の手は連携の締めを務めるための仕込みに入る。そして僕も前へ出た。
「いくぞサルヴァン! 防壁」
「おう!」
アレサが防壁を踏み台に高く跳び上がる。そしてサルヴァンはまっすぐアウラに突っ込み、障壁の破壊を狙った。
「喰らえ!」
「甘いですね」
アウラは障壁でサルヴァンの一撃を受け止める。すると破壊の効果で障壁にヒビが入った。しかし破壊するには届いていない。相当な高密度の魔力によって生成されているようだ。
「ほう……?」
それを見てアウラが感嘆の声をあげる。でも褒めるにはまだ早いよ!
「もらった!」
そしてアウラの真後ろからアレサが剣を振るう。なぜ上空に跳んだはずのアレサがアウラの真後ろに回っていたのか。それは上空に跳んだアレサが飛翔の魔晶石の力を開放したからだ。
サルヴァンは囮で前からの二段攻撃、と思わせておいてのはさみ撃ち。もちろんそこで終わるわけはない。そのために僕が前に出ているのだ。
アウラはアレサの剣撃をひびの入った障壁で受け止める。すると障壁は涼やかな音を立てて割れた。今がチャンスとばかりにサルヴァンが再び斧を振るう。
「うらぁっ!」
しかしアウラは振るった斧の刃を素手で受け止めてしまう。あれで傷を負わないとかどういう肉体なんだか。破壊の効果もアウラの肉体には影響を及ぼしていないようだ。
ま、想定内だけどね。僕は拡大解釈による無声発動で新しく覚えた魔法を発動させる。使用したのは光の手という闇の手の光魔法版だ。アウラの足下に大量の手を召喚し、アウラの体中を掴む。そしてサルヴァンが素早く横に転がり退避した。
「解放! 深淵気発衝」
そしてほぼゼロ距離からアレサがスキルにより保持していた魔法を発動させる。防御膜は破壊した。これなら直撃するはず。
極太の黒い閃光がアウラを飲み込む。そこをさらにリーネが追撃する。リーネの闇の手が手にしているのは超龍炎光牙剣だ。それを力任せにアウラのいるはずの場所へと振り下ろした。
闇の閃光が通り過ぎ、姿を現したアウラめがけて超龍炎光牙剣が振り下ろされると周辺の石床が轟音を立てて崩壊、砂塵や石床を巻き上げる。クレーターができてもよさそうなもんだけど、どういうわけかクレーターはできず石床が壊れるに留まっていた。
「やったか!?」
そう思ったのも束の間。超龍炎光牙剣にヒビが入り、亀裂が広がっていく。そしてガラガラと崩れさっていった。
「今のはかなり痛かったですね……。お見事でした。合格点をあげてもいいほどです」
姿を現したアウラは衣装もボロボロ、手傷を負って美しい肌にはところどころ血が滲んでいる。あれに耐えるとかどういう肉体なのやら。
「ですが神霊の力を舐めてもらっては困ります。お見せしましょう、公爵級の力とはどのようなものなのかを」
ふっ、とアウラの姿がかき消えた。いや、疾すぎて目で追えていないのだ。
「ぐふっ……?」
その一瞬で近づかれ、サルヴァンの胸をアウラの右腕が貫いた。辛うじて反応し、跳んだようだが間に合わなかったようだ。
「……まず一人」
アウラが腕を引き抜くとサルヴァンは吐血して力なく膝を付き、そして倒れた。そしてサルヴァンに背を向けると、またもその姿がかき消える。
「くっ……!」
そのアウラの動きに反応し、アレサが動いた。アウラの貫手を避け、お返しにと剣を振るうがあっさりと受け止められる。
「……!」
「人の身でその領域に辿り着くとは見事としか言えませんね。ですが……」
真下から伸びた光に飲み込まれ、アレサの絶叫が響き渡った。
「いやぁぁぁぁっ!! 深淵気発衝」
その絶叫を聞き、リーネが泣き叫びながら極大魔法を放つ。しかしその黒い閃光は届くことがなかった。
「素晴らしい魔力量と才能です。まさに稀代の魔導士と呼んで差し支えないでしょう」
「え……!?」
一瞬で近づかれ、リーネの首が跳んだ。僕は一瞬頭が真っ白になった。
リーネ……。
アレサ……。
サルヴァン……。
よくも、よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも!
「うわぁぁぁぁぁっ!! 付与、神気発衝、強化!」
「なんと無茶な……」
僕は僕自身に神気発衝を付与する。この魔法は神の神気を呼び出し閃光として放つ魔法だ。この魔法を自分に付与すれば神のオーラを身に纏えるのではないか、と考えたことがある。ただ試すのは今が初めてだ。自分自身にどんな負担があるのか見当もつかなかったから。
でも今はそんなこと言っていられない。この試練では死んでも生き返らせてもらえるとはわかっていても、眼の前で大切な仲間が倒れていったんだよ!?
たとえ刺し違えてでも一矢報いてやる!
「うおおおおっ!!」
雄叫びをあげアウラに特攻をかける。ゼロ距離からの神気発衝を強化の5重で浴びせてやるのだ。負担は大きいがこれ以外に僕の取れる選択肢はない。
「終わりです」
アウラの手が僕の心臓を狙う。今の僕にはそれが見えるし体も反応する。半身になって辛うじてかわすと、強化しまくった極大魔法を放つ。
「喰らえ!」
無声発動による極大魔法はアウラを飲み込んだ。確かな手応え。カウンターばりに直撃したはずだ。
しかし光の過ぎ去った跡にはアウラの姿はなく、無茶な強化に耐えられなかった肉体は限界を迎えていた。
「くっ……」
僕は膝をついた後、前のめりに倒れる。そして一瞬の痛みの後、僕の意識はそこで途絶えた。
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◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
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