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第174話 《アマラの視点》アマラVSドレカヴァク 後編
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「死ぬのはテメーだアマラ、殺戮の宴!」
ドレカヴァクの影が広がり、そこから無数の黒い触手が生える。その触手が大きな口を開け、一斉に俺に襲いかかって来た。
「なめるな! 死滅陣」
発動場所は俺の足元だ。俺に闇属性エネルギーの魔法は効かないからな。近づく触手なんぞ一網打尽にしてくれるわ。
俺を中心に魔法陣が展開され、闇属性のエネルギーが立ち昇る。その効果範囲は広くドレカヴァクも含まれていた。これが俺の魔力だ!
その闇のエネルギーに呑まれ、黒い触手どもはいとも容易く消滅する。魔法の効果が切れた後には俺とドレカヴァクだけが立っていた。奴も無事なのはムカつくな。
「さすがだな。なかなかやるじゃねーか。だが忘れたのか? 俺が加護を授けたときに闇属性無効を得ていただろ。つまり俺にも闇属性エネルギーは効かないってことさ」
「あー、そういや持ってたな。闇属性エネルギーが効かないのはお互い様ってわけか」
俺がぶっきらぼうに言い放つが奴はニヤニヤしていた。
ドレカヴァクの攻撃は闇属性魔法が大半のはず。つまり奴には俺を仕留めるのが難しくなるはずだよな。なのにあの余裕はなんだ?
「そしてお前も恐らくニーグリも闇属性エネルギーは効かねぇんだろうな。だがそれでも俺が負けることはあり得ない。見せてやろう、クリフォトの木を喰って得たものを」
ドレカヴァクを中心に六芒星の魔法陣が展開された。それは見覚えのある魔法陣。そうだ、確かあれはニーグリが魔王になったときのものだ!
「ま、まさか……!」
「そう、そのまさかだ。俺は魔王になる資格を得たのさ!」
魔法陣から現れた黒い泡がドレカヴァクを包んでいく。まずいな、さすがに魔王になったらやばいかもしれん。俺は阻止するべく肉体を魔力強化。全力の一撃で儀式を中断させてやる!
「させん、冥王魔覇拳!」
しかし六芒星の魔法陣には障壁が張られており、俺の侵入を許さない。クソッ、近づくことすらできんとは!
「ギャハハハ、無駄だ! 魔王選定は不可侵の儀式。貴様ごときに中断させられるわけがない」
黒い泡に包まれたままドレカヴァクのいやらしい笑い声が響いた。まずい、こいつはニーグリの奴じゃないと対処不可だ!
そして黒い泡が弾けた。
と同時に何か力の抜けた感覚が俺を襲った。な、なんなんだ?
「ふーっ、どうやら暗黒神は俺の方を魔王に選んだらしいな」
どういう意味だ?
俺の方をだと?
魔界では複数の魔王がいるらしいんだ。魔王が2人になっただけだろ。
「魔王になったからっていい気になるんじゃねーよ。貴様からはニーグリ程の力は感じられないな」
「あん? なーんにも知らねえんだな。確かに魔界には複数の魔王がいる。だがそれは魔界が広く、何層もあるからだ。だから各層に魔王が一人存在する。それに対して地上は1つの層として扱われる。つまり俺はニーグリの奴から魔王の位を取り上げたのさ!」
な、なんだと!?
もしかして俺の力が抜ける感覚はニーグリが魔王としての力を失ったからだとでもいうのか?
「お前も感じているんだろ? 力の抜けていく感覚をよぉっ!」
ドレカヴァクが俺を指差しいやらしく嗤う。否定できないのが腹立たしいな。しかしなぜだ、なぜこいつが魔王に選ばれた?
「クソッ、まさか貴様程度が魔王になるとは思わなかったぞ。だが闇属性エネルギーが俺に効かない以上貴様に俺を倒す手段もないだろ」
今ニーグリがこちらに向かっている。もう少し時間を稼いで二人がかりなら勝てるかもしれん。とにかく時間を稼がないとな。
「忘れたのか? 俺は元々死の魔神。俺はアンデッドを創ることができる。そして俺の腹の中には俺が喰ったナーラとビルドの魔石が残っている。消化できないあたりさすがは上位魔神だよな。こいつを元に配下を作ることだってできるんだぜ?」
ドレカヴァクは勝ち誇ったように口からの2つの魔石を吐き出し、俺に向けた。虹色に輝くその魔石は間違いなく魔神クラスのものだろう。
まずいな、ビルドの奴は超肉体派だしナーラも基本スペックは高い。力の落ちた俺では正直もて余すかもしれん。クソッ、早く来てくれニーグリ!
「創骸!」
奴が魔法を放つと同時に魔石を地面に落とすと、その魔石から肉塊がモコモコと盛り上がる。俺はそのキモさに驚き、一歩下がった。
そしてそれは見知った2体のアンデッドを生み出す。こんの悪趣味野朗が……。
「ア、アマラ……様……!」
「フン……! 貴方様に拳を向けることお許しください……」
生み出された2人には元の感情が残っているようだ。ナーラは不完全な崩れかかった肉体で俺の名を呼ぶ。ビルドはところどころ崩れ去った肉体でサイドチェストのポーズを取った。
「ナーラ、ビルド……!」
「ククッ、涙のご対面か? 命令だ。アマラを殺せ」
ドレカヴァクが俺を指差し2人に命令する。
「お逃げください、アマラ様……!」
ナーラが苦悶の表情を浮かべて俺に殴りかかってきた。俺は間一髪横に飛んでその攻撃をかわす。しかしその後をしっかりとビルドが追いついていた。
「アマラ様、避けてください!」
ビルドの右フックが俺の横っ面を殴る。
地面に叩きつけられ、その勢いで俺は地面を転がった。歯が何本かいったか。だが生きている。奴のパワーは大公の頃の俺でも目を見張るものがあった。力の落ちた俺は恐らく侯爵級だろう。
なのにダメージは歯が何本かいった程度。アンデッドの分パワーが落ちているのかそれとも、ビルドの奴が辛うじて加減してくれていたのかだな。
「おい、手加減してんじゃねーよ。さっさとアマラの奴をぶっ殺せ」
「こんな奴の言う事を聞かないといけないなんて無念だわ……!」
「同感です」
ドレカヴァクが2人を叱責する。どうやら手加減してくれていたらしい。そして2人は嫌でもドレカヴァクには逆らえないっていうことかよ。
マジでムカつくな。しかし何より腹が立つのはこんな状況で2人を楽にしてやることさえできないことだ。
「アマラ様逃げてください! ビルド、悪いけど一緒に滅んでね。神域への昇華!」
ナーラが最上位クラスの光系浄滅魔法を行使した。そうか、ナーラの写し身の元はあのナターシャだ。奴の能力の一端をコピーしていたというのか……。
「なにぃっ!? なんで浄滅魔法を使えるんだよ!」
これにはドレカヴァクも慌てたようだ。光が広がるが、それほどの範囲ではなく俺まで届いていない。残った理性で自壊を選んだということか……。
光の止んだ後には2つの魔石が転がっていた。ナーラ、ビルド。俺はお前らの王だ。お前の忠義に必ず応えてやるからな……!
そして満を持してもう一つの巨大な闇が俺とドレカヴァクの間に割り込んで来た。
ドレカヴァクの影が広がり、そこから無数の黒い触手が生える。その触手が大きな口を開け、一斉に俺に襲いかかって来た。
「なめるな! 死滅陣」
発動場所は俺の足元だ。俺に闇属性エネルギーの魔法は効かないからな。近づく触手なんぞ一網打尽にしてくれるわ。
俺を中心に魔法陣が展開され、闇属性のエネルギーが立ち昇る。その効果範囲は広くドレカヴァクも含まれていた。これが俺の魔力だ!
その闇のエネルギーに呑まれ、黒い触手どもはいとも容易く消滅する。魔法の効果が切れた後には俺とドレカヴァクだけが立っていた。奴も無事なのはムカつくな。
「さすがだな。なかなかやるじゃねーか。だが忘れたのか? 俺が加護を授けたときに闇属性無効を得ていただろ。つまり俺にも闇属性エネルギーは効かないってことさ」
「あー、そういや持ってたな。闇属性エネルギーが効かないのはお互い様ってわけか」
俺がぶっきらぼうに言い放つが奴はニヤニヤしていた。
ドレカヴァクの攻撃は闇属性魔法が大半のはず。つまり奴には俺を仕留めるのが難しくなるはずだよな。なのにあの余裕はなんだ?
「そしてお前も恐らくニーグリも闇属性エネルギーは効かねぇんだろうな。だがそれでも俺が負けることはあり得ない。見せてやろう、クリフォトの木を喰って得たものを」
ドレカヴァクを中心に六芒星の魔法陣が展開された。それは見覚えのある魔法陣。そうだ、確かあれはニーグリが魔王になったときのものだ!
「ま、まさか……!」
「そう、そのまさかだ。俺は魔王になる資格を得たのさ!」
魔法陣から現れた黒い泡がドレカヴァクを包んでいく。まずいな、さすがに魔王になったらやばいかもしれん。俺は阻止するべく肉体を魔力強化。全力の一撃で儀式を中断させてやる!
「させん、冥王魔覇拳!」
しかし六芒星の魔法陣には障壁が張られており、俺の侵入を許さない。クソッ、近づくことすらできんとは!
「ギャハハハ、無駄だ! 魔王選定は不可侵の儀式。貴様ごときに中断させられるわけがない」
黒い泡に包まれたままドレカヴァクのいやらしい笑い声が響いた。まずい、こいつはニーグリの奴じゃないと対処不可だ!
そして黒い泡が弾けた。
と同時に何か力の抜けた感覚が俺を襲った。な、なんなんだ?
「ふーっ、どうやら暗黒神は俺の方を魔王に選んだらしいな」
どういう意味だ?
俺の方をだと?
魔界では複数の魔王がいるらしいんだ。魔王が2人になっただけだろ。
「魔王になったからっていい気になるんじゃねーよ。貴様からはニーグリ程の力は感じられないな」
「あん? なーんにも知らねえんだな。確かに魔界には複数の魔王がいる。だがそれは魔界が広く、何層もあるからだ。だから各層に魔王が一人存在する。それに対して地上は1つの層として扱われる。つまり俺はニーグリの奴から魔王の位を取り上げたのさ!」
な、なんだと!?
もしかして俺の力が抜ける感覚はニーグリが魔王としての力を失ったからだとでもいうのか?
「お前も感じているんだろ? 力の抜けていく感覚をよぉっ!」
ドレカヴァクが俺を指差しいやらしく嗤う。否定できないのが腹立たしいな。しかしなぜだ、なぜこいつが魔王に選ばれた?
「クソッ、まさか貴様程度が魔王になるとは思わなかったぞ。だが闇属性エネルギーが俺に効かない以上貴様に俺を倒す手段もないだろ」
今ニーグリがこちらに向かっている。もう少し時間を稼いで二人がかりなら勝てるかもしれん。とにかく時間を稼がないとな。
「忘れたのか? 俺は元々死の魔神。俺はアンデッドを創ることができる。そして俺の腹の中には俺が喰ったナーラとビルドの魔石が残っている。消化できないあたりさすがは上位魔神だよな。こいつを元に配下を作ることだってできるんだぜ?」
ドレカヴァクは勝ち誇ったように口からの2つの魔石を吐き出し、俺に向けた。虹色に輝くその魔石は間違いなく魔神クラスのものだろう。
まずいな、ビルドの奴は超肉体派だしナーラも基本スペックは高い。力の落ちた俺では正直もて余すかもしれん。クソッ、早く来てくれニーグリ!
「創骸!」
奴が魔法を放つと同時に魔石を地面に落とすと、その魔石から肉塊がモコモコと盛り上がる。俺はそのキモさに驚き、一歩下がった。
そしてそれは見知った2体のアンデッドを生み出す。こんの悪趣味野朗が……。
「ア、アマラ……様……!」
「フン……! 貴方様に拳を向けることお許しください……」
生み出された2人には元の感情が残っているようだ。ナーラは不完全な崩れかかった肉体で俺の名を呼ぶ。ビルドはところどころ崩れ去った肉体でサイドチェストのポーズを取った。
「ナーラ、ビルド……!」
「ククッ、涙のご対面か? 命令だ。アマラを殺せ」
ドレカヴァクが俺を指差し2人に命令する。
「お逃げください、アマラ様……!」
ナーラが苦悶の表情を浮かべて俺に殴りかかってきた。俺は間一髪横に飛んでその攻撃をかわす。しかしその後をしっかりとビルドが追いついていた。
「アマラ様、避けてください!」
ビルドの右フックが俺の横っ面を殴る。
地面に叩きつけられ、その勢いで俺は地面を転がった。歯が何本かいったか。だが生きている。奴のパワーは大公の頃の俺でも目を見張るものがあった。力の落ちた俺は恐らく侯爵級だろう。
なのにダメージは歯が何本かいった程度。アンデッドの分パワーが落ちているのかそれとも、ビルドの奴が辛うじて加減してくれていたのかだな。
「おい、手加減してんじゃねーよ。さっさとアマラの奴をぶっ殺せ」
「こんな奴の言う事を聞かないといけないなんて無念だわ……!」
「同感です」
ドレカヴァクが2人を叱責する。どうやら手加減してくれていたらしい。そして2人は嫌でもドレカヴァクには逆らえないっていうことかよ。
マジでムカつくな。しかし何より腹が立つのはこんな状況で2人を楽にしてやることさえできないことだ。
「アマラ様逃げてください! ビルド、悪いけど一緒に滅んでね。神域への昇華!」
ナーラが最上位クラスの光系浄滅魔法を行使した。そうか、ナーラの写し身の元はあのナターシャだ。奴の能力の一端をコピーしていたというのか……。
「なにぃっ!? なんで浄滅魔法を使えるんだよ!」
これにはドレカヴァクも慌てたようだ。光が広がるが、それほどの範囲ではなく俺まで届いていない。残った理性で自壊を選んだということか……。
光の止んだ後には2つの魔石が転がっていた。ナーラ、ビルド。俺はお前らの王だ。お前の忠義に必ず応えてやるからな……!
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◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
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