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「それではっ、新商品の爆売れを祝して、カーンパーイ!!!」
飛鳥さんの威勢のいい発声の直後、ジョッキがぶつかり合う音が、eterno社員御用達の居酒屋の一室に鳴り響いた。
「んっ、プハーッ!!あー、最高―!!この日の為に頑張って良かったー。おかわり、おかわり♪」
多分酒豪だろうとは思っていたけれど、飛鳥先輩は自分の大ジョッキのビールを水のごとく飲み干し、早速呼び鈴を鳴らしている。
「ほんとうね。一時はどうなるかと思ったけど」
「ちょとぉ、それ、紅美さんが言います?椎名くんのあんな無茶振り真に受けちゃって」
「アハハ、ごめんごめん。でも、そのお陰でこんな短期で発足以来の売上達成できたんだから、いいじゃーん!!」
「…って、蓮見ちゃん!なんであなた烏龍茶なの!?今日の主役なのにーっ!!」
男性社員に絡まれた挙げ句晴臣に衝撃的なキスをされた因縁の店ということもあり、祝賀会は販促部+松本さんという内輪のメンバーに限られてはいたものの、今日は飲まないと決めていた。
「あ、あんまり強くないので」
愛想笑いで躱すと、あまりお酒に強くないのか、すでに頬の赤くなった松本さんが、私のほっぺをぷにぷにと揉みながらしみじみ言った。
「いやでも、千歳ちゃん、本っっ当…化けるよねー」
「確かに!メイクチェンジした前と後、別人オーラ出てた!!お陰でポスター貼り出し直後から、バンッバン問い合わせ来てたもんね!」
興奮した面持ちの飛鳥先輩が手にしている2杯目のジョッキはすでに残り少なくなっている。
「いえ、それは松本さんの技術と、両方採用することを決めた社長の手腕のお陰で、私は何もー」
そう。
結局、遼平くんは撮影後、その場で結論は出さずに写真のデータを社に持ち帰り、後日両方採用すると発表したのだ。
晴臣の意見を取り入れて作り直された私は、可愛らしいプリンセスラインのドレスを着て髪をゆるくまとめ上げられた。
メイクも全体的に明るい色味のものを使って仕上げられ、「一丁上がり~」と松本さんに言われて初めて鏡に立った時、真逆の印象に変わっている自分自身に驚いた。
今思えば、松本さんに呼ばれて私の姿を確認しに来た遼平くんは、一目見て
「陰と陽か…」
と呟いていたので、もしかしたら最初から2パターンとも使うつもりだったのかもしれない。
「またまたぁ。謙遜しちゃって!!問い合わせの電話、『どこのモデルさんですか!?』っていうのもめちゃめちゃ多かったんでしょ?次も蓮見で決定―っ!!」
え?
正直それは、とても困る。
「さすがにそれはないですよ。今回は緊急事態だっただけですし」
やんわりと次はないと意思表示をしていたらー
「いや、次も蓮見さんにお願いするよ」
ここで聞こえることのないはずの声に否定された。
飛鳥さんの威勢のいい発声の直後、ジョッキがぶつかり合う音が、eterno社員御用達の居酒屋の一室に鳴り響いた。
「んっ、プハーッ!!あー、最高―!!この日の為に頑張って良かったー。おかわり、おかわり♪」
多分酒豪だろうとは思っていたけれど、飛鳥先輩は自分の大ジョッキのビールを水のごとく飲み干し、早速呼び鈴を鳴らしている。
「ほんとうね。一時はどうなるかと思ったけど」
「ちょとぉ、それ、紅美さんが言います?椎名くんのあんな無茶振り真に受けちゃって」
「アハハ、ごめんごめん。でも、そのお陰でこんな短期で発足以来の売上達成できたんだから、いいじゃーん!!」
「…って、蓮見ちゃん!なんであなた烏龍茶なの!?今日の主役なのにーっ!!」
男性社員に絡まれた挙げ句晴臣に衝撃的なキスをされた因縁の店ということもあり、祝賀会は販促部+松本さんという内輪のメンバーに限られてはいたものの、今日は飲まないと決めていた。
「あ、あんまり強くないので」
愛想笑いで躱すと、あまりお酒に強くないのか、すでに頬の赤くなった松本さんが、私のほっぺをぷにぷにと揉みながらしみじみ言った。
「いやでも、千歳ちゃん、本っっ当…化けるよねー」
「確かに!メイクチェンジした前と後、別人オーラ出てた!!お陰でポスター貼り出し直後から、バンッバン問い合わせ来てたもんね!」
興奮した面持ちの飛鳥先輩が手にしている2杯目のジョッキはすでに残り少なくなっている。
「いえ、それは松本さんの技術と、両方採用することを決めた社長の手腕のお陰で、私は何もー」
そう。
結局、遼平くんは撮影後、その場で結論は出さずに写真のデータを社に持ち帰り、後日両方採用すると発表したのだ。
晴臣の意見を取り入れて作り直された私は、可愛らしいプリンセスラインのドレスを着て髪をゆるくまとめ上げられた。
メイクも全体的に明るい色味のものを使って仕上げられ、「一丁上がり~」と松本さんに言われて初めて鏡に立った時、真逆の印象に変わっている自分自身に驚いた。
今思えば、松本さんに呼ばれて私の姿を確認しに来た遼平くんは、一目見て
「陰と陽か…」
と呟いていたので、もしかしたら最初から2パターンとも使うつもりだったのかもしれない。
「またまたぁ。謙遜しちゃって!!問い合わせの電話、『どこのモデルさんですか!?』っていうのもめちゃめちゃ多かったんでしょ?次も蓮見で決定―っ!!」
え?
正直それは、とても困る。
「さすがにそれはないですよ。今回は緊急事態だっただけですし」
やんわりと次はないと意思表示をしていたらー
「いや、次も蓮見さんにお願いするよ」
ここで聞こえることのないはずの声に否定された。
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