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「わっ。何アレ~?もしかして椎名くん、浮気??」
背後から突然湧いて出た真由先輩に、ほんの一瞬体が宙に浮いた。
「や、やめてくださいよ、真由先輩!!びっくりするじゃないですか!!」
ごめんねと謝りながらも、真由先輩の顔は妙にイキイキしている。
「でも、そんなに驚いちゃったのって、夫の浮気現場目撃しちゃった妻の心境だったからなんじゃないの??社長は全然驚いてなかったし」
「そ、そんなことありません!!」
実際、晴臣の表情は駆け寄って来た女子社員の嬉しそうな顔とは対象的だった…と思う。
「えー?そうかなぁ??椎名くんってカッコいいけど、愛想良い方じゃないよね?その割にあのコとは親しげに話してるように見えますよね、社長?」
「言われてみればそうかもしれないけど、彼が一番心を許してるのは間違いなく蓮見さんでしょ。面白がって変なこというんじゃないよ、織田村」
「…はい、すみません」
今度こそしおらしく謝る真由先輩を横目に、前方にいる晴臣の様子を覗うと、こちらには一瞥もくれずに、話を続けながらエレベーターに乗り込んでいった。
ドアが閉まったのと同時に、上手く表現できない感情がモヤモヤと胸に立ち込めたのは、久々に会ったのに、余計なことを言われたから。
決して、晴臣とあのコとのことが気になってるからじゃない。
パンパンと指摘された頬を両手で包んで確かめていると、遼平が真由先輩に尋ねた。
「ところで織田村、週末の飛行機のチケット取れたの?」
「はい、社長の分ももう手配してあります」
え?
今、週末って言った?
「飛行機のチケットってもしかして、今回の撮影の…?」
「あれ?言ってなかったっけ?じゃあ、今言っとくね。今回の撮影、泊まりだから。準備よろしくね」
ポンッと私の肩を叩きながら、チラと遼平くんに視線を走らせる真由先輩に、今回の撮影のもう一つの目的に気付く。
遼平くんと別れ、販促部まで戻ってきたところで、真由先輩の腕を部屋の隅まで引っ張り込んだ。
「ちょっと、真由先輩!何考えてるんですか!?」
「えー?何のこと??」
典型的なぶりっ子ポーズでしらばっくれる姿を見て確信する。
「すっとぼけないでください!わざわざ泊まりの撮影だなんて、何か企んでるに決まってるでしょ!?」
「そんなことないわよ。今回はクリスマスコフレ用のポスターだから、Classic Palaceとは違った、カラフルなステンドグラスを使った施設を探したら、たまたま遠方だっただけよ。ほら!」
早口でまくし立てながら見せてきたスマホの画面には、確かに壁全体にステンドクラスが貼られている、美しい建物が映し出されていた。
これは、本当に見事だ。
モデルはともかく、すごく雰囲気あるポスターになりそう。
早とちりだった!?
と、居心地の悪さを感じていていると、
「けどまあ…椎名くんがあんな調子だし、何か企むのも悪くないかも~、なんてさっき思っちゃったけどね」
ほくそ笑む真由先輩に、直前に感じた罪悪感が吹っ飛ぶ。
勢いに任せて食後に過ぎった例の件もぶつけてみた。
「ほら!さっきのはやっぱりそういう顔だったんじゃないですか!…あ、そうだ!まさかアレも真由先輩の仕業じゃないですよね!?」
「アレ?何のことよ?」
「私のSNSにアップされまくってる遼平くんと私の写真!!」
背後から突然湧いて出た真由先輩に、ほんの一瞬体が宙に浮いた。
「や、やめてくださいよ、真由先輩!!びっくりするじゃないですか!!」
ごめんねと謝りながらも、真由先輩の顔は妙にイキイキしている。
「でも、そんなに驚いちゃったのって、夫の浮気現場目撃しちゃった妻の心境だったからなんじゃないの??社長は全然驚いてなかったし」
「そ、そんなことありません!!」
実際、晴臣の表情は駆け寄って来た女子社員の嬉しそうな顔とは対象的だった…と思う。
「えー?そうかなぁ??椎名くんってカッコいいけど、愛想良い方じゃないよね?その割にあのコとは親しげに話してるように見えますよね、社長?」
「言われてみればそうかもしれないけど、彼が一番心を許してるのは間違いなく蓮見さんでしょ。面白がって変なこというんじゃないよ、織田村」
「…はい、すみません」
今度こそしおらしく謝る真由先輩を横目に、前方にいる晴臣の様子を覗うと、こちらには一瞥もくれずに、話を続けながらエレベーターに乗り込んでいった。
ドアが閉まったのと同時に、上手く表現できない感情がモヤモヤと胸に立ち込めたのは、久々に会ったのに、余計なことを言われたから。
決して、晴臣とあのコとのことが気になってるからじゃない。
パンパンと指摘された頬を両手で包んで確かめていると、遼平が真由先輩に尋ねた。
「ところで織田村、週末の飛行機のチケット取れたの?」
「はい、社長の分ももう手配してあります」
え?
今、週末って言った?
「飛行機のチケットってもしかして、今回の撮影の…?」
「あれ?言ってなかったっけ?じゃあ、今言っとくね。今回の撮影、泊まりだから。準備よろしくね」
ポンッと私の肩を叩きながら、チラと遼平くんに視線を走らせる真由先輩に、今回の撮影のもう一つの目的に気付く。
遼平くんと別れ、販促部まで戻ってきたところで、真由先輩の腕を部屋の隅まで引っ張り込んだ。
「ちょっと、真由先輩!何考えてるんですか!?」
「えー?何のこと??」
典型的なぶりっ子ポーズでしらばっくれる姿を見て確信する。
「すっとぼけないでください!わざわざ泊まりの撮影だなんて、何か企んでるに決まってるでしょ!?」
「そんなことないわよ。今回はクリスマスコフレ用のポスターだから、Classic Palaceとは違った、カラフルなステンドグラスを使った施設を探したら、たまたま遠方だっただけよ。ほら!」
早口でまくし立てながら見せてきたスマホの画面には、確かに壁全体にステンドクラスが貼られている、美しい建物が映し出されていた。
これは、本当に見事だ。
モデルはともかく、すごく雰囲気あるポスターになりそう。
早とちりだった!?
と、居心地の悪さを感じていていると、
「けどまあ…椎名くんがあんな調子だし、何か企むのも悪くないかも~、なんてさっき思っちゃったけどね」
ほくそ笑む真由先輩に、直前に感じた罪悪感が吹っ飛ぶ。
勢いに任せて食後に過ぎった例の件もぶつけてみた。
「ほら!さっきのはやっぱりそういう顔だったんじゃないですか!…あ、そうだ!まさかアレも真由先輩の仕業じゃないですよね!?」
「アレ?何のことよ?」
「私のSNSにアップされまくってる遼平くんと私の写真!!」
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