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振り向けばいつの間にか外出先から戻って来た飛鳥先輩が、険しい顔でスマホを操作している。
「なになに?どういうこと??」
真由先輩は一切遠慮することなく、目を輝かせた。
「仕事帰りから休日まで、婚活組のグループチャットで度々椎名くんの目撃情報上がってたんですよ」
婚活組のグループチャットって…ありとあらゆるネットワークを駆使して『優良物件』とやらの動向をリアルタイムでチェックしてるという、例のアレか。
お姉様方も暇だなと呆れていると、次の一言で思い切り不意打ちを食らった。
「…それも毎回女連れで」
「!!」
今度は口角上がりまくりの真由先輩が、咄嗟に口元を覆った手とは反対の手で、「ほら!」と言わんばかりに私の肩をバシバシと叩いた。
同時に遼平くんの、『付き合ってるのに休みの日も会ってないの?』という驚きの声が脳裏に浮かび、真由先輩に叩かれている肩よりも胸がギシッと痛んだ。
「な、何かの間違いじゃないですか?それか人違いとか」
「それはない。あんなインパクトある外見、婚活グループメンバーが見間違うはずないでしょ」
「じゃあ…頼まれて道を教えてあげてたとか?」
「蓮見…すごく言い辛いけど、連れてたの、毎回同じ女っぽいよ」
遼平くん派の真由先輩情報なら疑う余地はある。
でも、これは、どちらかと言えば晴臣贔屓の飛鳥先輩からの情報。
休日に?
毎回同じ女の子…??
「それ、完全に浮気じゃない!!」
嬉々とした真由先輩の声が胸に突き刺さる。
でも。
いや。
ちょっと待って。
大体、好きだって言って来たのは晴臣の方だし。
本当は付き合ってなんかないんだし。
婚約だって親が勝手に決めたことだし。
何で?
何で私が傷つかなきゃいけないのよ??
たかが晴臣の事なんかで。
「は…蓮水?大丈夫??」
「何がですか?」
「…顔、般若みたいになってる。平日だけど、今夜飲みに行くなら付き合うけど?」
怒ってなんかない。
だから、私の顔が般若になんてなっているわけがない。
だけど、誘われれば無性に飲みたい気分。
「はい!是非!!」
勢いよく飛鳥先輩に返事をしたものの、すぐに横槍が入る。
「ダメよ。撮影近いんだし。いくら修正技術が発達したからって、飲みすぎと睡眠不足で肌トラブル起こされたら困るわ。大体蓮見ちゃん、最近ちょっと顔プニプニしてるから、逆に当日まである程度食事制限しといてね」
ストレスでブツブツできそうですけど…という抵抗は、笹舟のように軽く流されてしまった。
「なになに?どういうこと??」
真由先輩は一切遠慮することなく、目を輝かせた。
「仕事帰りから休日まで、婚活組のグループチャットで度々椎名くんの目撃情報上がってたんですよ」
婚活組のグループチャットって…ありとあらゆるネットワークを駆使して『優良物件』とやらの動向をリアルタイムでチェックしてるという、例のアレか。
お姉様方も暇だなと呆れていると、次の一言で思い切り不意打ちを食らった。
「…それも毎回女連れで」
「!!」
今度は口角上がりまくりの真由先輩が、咄嗟に口元を覆った手とは反対の手で、「ほら!」と言わんばかりに私の肩をバシバシと叩いた。
同時に遼平くんの、『付き合ってるのに休みの日も会ってないの?』という驚きの声が脳裏に浮かび、真由先輩に叩かれている肩よりも胸がギシッと痛んだ。
「な、何かの間違いじゃないですか?それか人違いとか」
「それはない。あんなインパクトある外見、婚活グループメンバーが見間違うはずないでしょ」
「じゃあ…頼まれて道を教えてあげてたとか?」
「蓮見…すごく言い辛いけど、連れてたの、毎回同じ女っぽいよ」
遼平くん派の真由先輩情報なら疑う余地はある。
でも、これは、どちらかと言えば晴臣贔屓の飛鳥先輩からの情報。
休日に?
毎回同じ女の子…??
「それ、完全に浮気じゃない!!」
嬉々とした真由先輩の声が胸に突き刺さる。
でも。
いや。
ちょっと待って。
大体、好きだって言って来たのは晴臣の方だし。
本当は付き合ってなんかないんだし。
婚約だって親が勝手に決めたことだし。
何で?
何で私が傷つかなきゃいけないのよ??
たかが晴臣の事なんかで。
「は…蓮水?大丈夫??」
「何がですか?」
「…顔、般若みたいになってる。平日だけど、今夜飲みに行くなら付き合うけど?」
怒ってなんかない。
だから、私の顔が般若になんてなっているわけがない。
だけど、誘われれば無性に飲みたい気分。
「はい!是非!!」
勢いよく飛鳥先輩に返事をしたものの、すぐに横槍が入る。
「ダメよ。撮影近いんだし。いくら修正技術が発達したからって、飲みすぎと睡眠不足で肌トラブル起こされたら困るわ。大体蓮見ちゃん、最近ちょっと顔プニプニしてるから、逆に当日まである程度食事制限しといてね」
ストレスでブツブツできそうですけど…という抵抗は、笹舟のように軽く流されてしまった。
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