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異世界へ行った彼女の話:第二十六話
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水の中へ沈んでいく中、私は人魚のような姿になると、鰭を動かしながらに潜っていく。
脚は鱗に覆われ、人間の脚とは違い泳ぎやすい。
それに鰓も備わっているから呼吸も問題ない。
無事に魔術板が発動したことにほっと胸をなでおろす中、魚たちが群れを成して私の周りを泳いでいく。
そんな姿を横目に、私はゴールが見えない暗い池の底へ沈んでいくと、次第に体が圧迫されていった。
私はすぐに水中に陣を描いていくと、シャボン玉のような球体を三重に自分をくるんだ。
一つのシャボン玉には自分自身と水を入れ、二つ目と三つ目ののシャボン玉に空気を入れる。
そうして三つ目に水をゆっくり流し込むと、そのまま底へゆっくりと沈んでいく。
シャボン玉を観察し変化する水圧を確認していく中、辺りは全く光が差し込まない暗闇に包まれていった。
私はまた陣を描いてみると、小さな明かりを作り辺りを照らす。
するとそこには、最初にみた大きな岩のトンネルが目の前に現れた。
ここだ……ここを進んで行けば帰れるかもしれない。
私は脚をクネクネと動かし、トンネルの中へ進もうとした刹那、突然に大きな影が現れた
「おぉぉ 本当にきなさった。 あやつが言っていた通りになってしまったな……。コラコラッ、待ちなさいお嬢さん、あんさんにはここは渡れぬ。渡れば死んでしまうからな」
行く手を阻むように現れた影へ光を向けると、そこには2m以上あるだろう……二本の長い髭を揺らす鯰が入口を塞いでいく。
「あなたは……?ってそれよりもそこを退いてほしいの。私はこの洞窟を通りたいの」
「ふぅ~む、悪いがそれは出来ぬ」
「どうして?私はこのトンネルを通って知らない世界へ来たの。だから……」
「わかっておる、わかっておるのじゃ。儂がお嬢さんをこの世界へ引っ張り込んだんじゃ張本人じゃからな」
彼の言葉に私は大きく目を見開くと、その場で固まった。
この鯰が私をここへ……?
どうして……?
何の為に……?
鯰を見つめたままに狼狽する中、彼はグルグルを体を丸めると、私へと視線をあわせる。
「お嬢さんが知っておるのかわしゃしらんが……異世界間の移動は禁止されておる」
「禁止……?それならどうして私を……?」
「ふむぅ、まずどこから話せば良いじゃろうか。まぁ、最初から説明しておくか」
鯰はウネウネと体を揺らすと、私の周りを回りながらに語り始めた。
その昔……儂もまだ若かった頃じゃ。
一人毎日ダラダラと過ごしていた。
来るのは言葉も通じない低能な奴ばかりじゃったからの。
儂はここを離れられんし、人間がここへ来ることは基本ない。
だが儂は人間の存在を知っておった。
儂らと同じ意思を持ち、小さな世界で生き行く存在。
どんな者なのかずっと気になっておった。
あの日、初めて人間がここへやってきた。
現れたのは若い坊主でな。
だが途轍もない魔力を持っておってなぁ……。
想像するに儂の魔力に惹かれて、引き寄せられたのじゃと考えておる。
一人で退屈しておった儂は、初めて見る人間に興奮してな、その坊主と色々と話をしたんじゃ。
そやつはとある世界の王子さんだった。
儂は世界と世界を繋ぐ番人でな、いつからここに居たのかそれすら思い出せん。
初め話す人間に興奮してなぁ、他愛のない話をした……。
もちろん話が終わればすぐに解放してやるつもりだった。
だが儂の話を聞いた坊主は、異界へ渡りたいとそう言い始めたんじゃ。
番人として異界へ何かを送ることは禁止されてる。
そうわかっておったんじゃが、儂は純粋に興味があった。
人間に会える機会などもうないじゃろう……そんな人間が異界へ渡ればどうなるのか。
好奇心が疼くと儂は道を作り、坊主を渡らせてしまったんじゃ。
一人ぐらいならまぁよいか、と軽い気持ちだったんじゃよ……。
異界は魔術を使うには適しておらん環境じゃからな、戻ることは難しい。
そう説明したうえであやつは渡ることを選んだ。
坊主は地球へたどり着くと、お前さんに出会ったんじゃ。
送る前に儂は知っておったのじゃが……あえて説明はせんかった。
異界と異界はそれぞれ時間の流れが違う。
この世界での一年は、地球ではたったの半月じゃ。
つまりだな……仮に坊主の寿命が60歳だとして、生命力は元の世界を基準としておるからな、普通に考えて地球では長くは生きられなかったはずだった。
彼の2年は日本のひと月じゃからの。
短い期間じゃからええじゃろ、と軽く考えておった。
それでなくても人間の生命力は儂らから見ればほんの一瞬じゃ。
そんな人生をあやつがどう生きるのか、純粋に興味があった、
しかし儂はここを離れることは出来ん。
だから坊主が死ねが、この場所へ来るように魔術をかけたんじゃ。
死後ゆっくりあやつと話をしようと思っての。
そしてお嬢さんと坊主は、その短い時間の中で愛し合いあった。
お嬢さんが近くにいた事で、あやつは自分の生命力がなくなると、知らず知らずに、お主の生命力を自分へ吸収し、日本で生きていくことになったのじゃ。
もっと早くに儂が気付いておればよかったんじゃがなぁ。
永遠に変わらぬこの場所でおると、時間の流れなどどうでもよくなってしまうんじゃよ。
脚は鱗に覆われ、人間の脚とは違い泳ぎやすい。
それに鰓も備わっているから呼吸も問題ない。
無事に魔術板が発動したことにほっと胸をなでおろす中、魚たちが群れを成して私の周りを泳いでいく。
そんな姿を横目に、私はゴールが見えない暗い池の底へ沈んでいくと、次第に体が圧迫されていった。
私はすぐに水中に陣を描いていくと、シャボン玉のような球体を三重に自分をくるんだ。
一つのシャボン玉には自分自身と水を入れ、二つ目と三つ目ののシャボン玉に空気を入れる。
そうして三つ目に水をゆっくり流し込むと、そのまま底へゆっくりと沈んでいく。
シャボン玉を観察し変化する水圧を確認していく中、辺りは全く光が差し込まない暗闇に包まれていった。
私はまた陣を描いてみると、小さな明かりを作り辺りを照らす。
するとそこには、最初にみた大きな岩のトンネルが目の前に現れた。
ここだ……ここを進んで行けば帰れるかもしれない。
私は脚をクネクネと動かし、トンネルの中へ進もうとした刹那、突然に大きな影が現れた
「おぉぉ 本当にきなさった。 あやつが言っていた通りになってしまったな……。コラコラッ、待ちなさいお嬢さん、あんさんにはここは渡れぬ。渡れば死んでしまうからな」
行く手を阻むように現れた影へ光を向けると、そこには2m以上あるだろう……二本の長い髭を揺らす鯰が入口を塞いでいく。
「あなたは……?ってそれよりもそこを退いてほしいの。私はこの洞窟を通りたいの」
「ふぅ~む、悪いがそれは出来ぬ」
「どうして?私はこのトンネルを通って知らない世界へ来たの。だから……」
「わかっておる、わかっておるのじゃ。儂がお嬢さんをこの世界へ引っ張り込んだんじゃ張本人じゃからな」
彼の言葉に私は大きく目を見開くと、その場で固まった。
この鯰が私をここへ……?
どうして……?
何の為に……?
鯰を見つめたままに狼狽する中、彼はグルグルを体を丸めると、私へと視線をあわせる。
「お嬢さんが知っておるのかわしゃしらんが……異世界間の移動は禁止されておる」
「禁止……?それならどうして私を……?」
「ふむぅ、まずどこから話せば良いじゃろうか。まぁ、最初から説明しておくか」
鯰はウネウネと体を揺らすと、私の周りを回りながらに語り始めた。
その昔……儂もまだ若かった頃じゃ。
一人毎日ダラダラと過ごしていた。
来るのは言葉も通じない低能な奴ばかりじゃったからの。
儂はここを離れられんし、人間がここへ来ることは基本ない。
だが儂は人間の存在を知っておった。
儂らと同じ意思を持ち、小さな世界で生き行く存在。
どんな者なのかずっと気になっておった。
あの日、初めて人間がここへやってきた。
現れたのは若い坊主でな。
だが途轍もない魔力を持っておってなぁ……。
想像するに儂の魔力に惹かれて、引き寄せられたのじゃと考えておる。
一人で退屈しておった儂は、初めて見る人間に興奮してな、その坊主と色々と話をしたんじゃ。
そやつはとある世界の王子さんだった。
儂は世界と世界を繋ぐ番人でな、いつからここに居たのかそれすら思い出せん。
初め話す人間に興奮してなぁ、他愛のない話をした……。
もちろん話が終わればすぐに解放してやるつもりだった。
だが儂の話を聞いた坊主は、異界へ渡りたいとそう言い始めたんじゃ。
番人として異界へ何かを送ることは禁止されてる。
そうわかっておったんじゃが、儂は純粋に興味があった。
人間に会える機会などもうないじゃろう……そんな人間が異界へ渡ればどうなるのか。
好奇心が疼くと儂は道を作り、坊主を渡らせてしまったんじゃ。
一人ぐらいならまぁよいか、と軽い気持ちだったんじゃよ……。
異界は魔術を使うには適しておらん環境じゃからな、戻ることは難しい。
そう説明したうえであやつは渡ることを選んだ。
坊主は地球へたどり着くと、お前さんに出会ったんじゃ。
送る前に儂は知っておったのじゃが……あえて説明はせんかった。
異界と異界はそれぞれ時間の流れが違う。
この世界での一年は、地球ではたったの半月じゃ。
つまりだな……仮に坊主の寿命が60歳だとして、生命力は元の世界を基準としておるからな、普通に考えて地球では長くは生きられなかったはずだった。
彼の2年は日本のひと月じゃからの。
短い期間じゃからええじゃろ、と軽く考えておった。
それでなくても人間の生命力は儂らから見ればほんの一瞬じゃ。
そんな人生をあやつがどう生きるのか、純粋に興味があった、
しかし儂はここを離れることは出来ん。
だから坊主が死ねが、この場所へ来るように魔術をかけたんじゃ。
死後ゆっくりあやつと話をしようと思っての。
そしてお嬢さんと坊主は、その短い時間の中で愛し合いあった。
お嬢さんが近くにいた事で、あやつは自分の生命力がなくなると、知らず知らずに、お主の生命力を自分へ吸収し、日本で生きていくことになったのじゃ。
もっと早くに儂が気付いておればよかったんじゃがなぁ。
永遠に変わらぬこの場所でおると、時間の流れなどどうでもよくなってしまうんじゃよ。
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