3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
9 / 85
1章⭐︎アインス王国脱出編⭐︎

バレた!

しおりを挟む
-side リアム-


 
 道中、暇だったので、ルーカスにこの世界のことをもっと詳しく聞いてみた。


「(へー。この世界には10個の国があると)」
『今はそうだな。1番古い国が、お前らがさっきいた、アインス王国だぜ。……もっとも、俺が生まれた方がずっと早いがな』
「(口調が若いし、精神年齢も幼いし、ちっさいから可愛く見えるだけで、実は爺ちゃんより爺ちゃんなんだよな)」
『おい、なんだその失礼な発言は。俺は精神年齢が幼くも、爺ちゃんでもないぞ!』
「(やっべ。念話切ってなかった。やらかした~。あっ……)」


 この発言すら念話を切ってなかった。


『ふんっ。もう知らないもんな。この世界のこと、これ以上何も教えないぞ!』


 ちょっ。それは、まずい。


「(ごめんって。本当に。悪いと思ってる)」


 誠心誠意謝る。


 クスクスクス……。


 すると、隣から声が笑い声が聞こえてくる。


「リアム様ったら、一人で百面相して面白いですね」
「おい。言ってやるなって」


 みると、リサとアレクだけではなく、同じ馬車に乗っている、みんながコチラを注目していた。ちなみに6人乗りの馬車である。
 そういえば、この人たちにはルーカスの姿が見えてないのだ。


「(え、まさか俺って超恥ずかしいやつ?)」
『ぎゃはは。前にも一回、町中でやらかしてるのに学習しないやつだな!』
「……」


 ルーカスがからかってくるが、言い返せない。言い返そうとすると、また1人で百面相しそうだからである。


『やーい。やーい。このど変態~。1人で百面相してるとか何考えてるんだ!ムッツリ』


 それを良いことにもっとからかってくる。
 くっ。我慢だ我慢。


『まあ、まだ5歳だから、仕方ないよな。俺もそういう時期もあった。お兄さんお前に春が来て嬉しいぞ!』


 やっぱできない。というか、5歳児に春は早すぎるって。


「(本当はお爺ちゃんのくせに、自分のこと兄さんとか)」
『あ、何を~!』


 そう言って、ルーカスは俺に飛びかかってきた。


「うわあ。やめろって!」
『やめねえよ!お前にはどちらが強いか、分からせてやる!』
「そういう問題じゃないって!」
『え?あっ』


 見ると、ルーカスも周りが注目していることに気づいたようだ。


『やらかしたーー。すまん』
「(まあ、いいよ。それより、どうしよう)」
『なるようになるだろう』
「(そんな無責任な)」
『ふんっ。ちょっとは痛い目見ろってんだ。そうしたらお兄さんを敬うだろう』


 どう考えても、弟的な立ち位置のルーカス君は激おこである。


『あ、今失礼なこと考えてただろ』
「(や、やだなあ~。俺を疑うなんて。俺がそんな酷いやつに見えるのか?)」
『はいダウト。犯人に限ってそういうこというんだよな』


 ……チッ。隠しきれなかったようだ。
 それはそれとして、唖然としている周りの人たちどうしようか。さっきから、口をぽかんと開けているのだが。それもそうか。側から見れば、心霊現象に見えるだろうし。


「まさか…見えるのですか?」


 リサが口を開く。


「え、何を?(ここで何かが見えるって言ったら、社会的に終わる気がする)」
「惚けないでください!精霊ですよ。精霊。
この世界では10万人に1人と言われる確率で精霊使いが生まれるのです。精霊は彼らにしか見えないため、側から見たらよく1人で喋ってるとか、百面相をしているとかと勘違いされるそうです」
「精霊使いが使う魔法は、一般の魔法使いが使う魔法とはレベルが違う。だから、どの王国は彼らを囲いたがるんだ。精霊使い1人の力は小国の戦力に匹敵すると言われているからな。それで、お前はどうなんだ?」
「(ど、どうしよう。ルーカス。なんか勘違いしてるけど)」
『まあ、あながち間違ってないからそのままでいいんじゃねえか?』
「(そうなの?)」
『ああ。殆どの人間には見えないから精霊としか表現されないが、人間達の精霊には神竜も含まれるはずだ。過去に、神竜を見れた人間なんて、実例がないから、多分だが。俺は強い精霊ってことでいいと思うぞ!』


 そんな適当なとも思ったが、それで乗り切るしかないだろう。


「今聞いたところ、そうみたいです」
「なに?その精霊はそんな知能が高いのか?」


 話を外から聞き耳を立てていた、レオンがそう言った。


「え?」
「意思疎通できる精霊が最低でも上位精霊だとされている。上位精霊を使役できる精霊使いなど、世界でも両手で数えられる程度だぞ。
それこそ、国のパワーバランスを変えてしまうほどの存在だ」
「あーーっと」
『まあ、いいんじゃねえか?俺も一応上位精霊(笑)だしな』


 よく分からないが、ルーカスのいうことに従う。


「そうみたいです」
「「「「「「………!!」」」」」」」


 場は騒然とする。


「そ、そうか。しかしそうなるとまずいな」


 アレクが深刻そうな顔で言う。


「な、なんでですか?」
「いや、亡命しても、お前が目をつけられる可能性が高いからな」
「大切にしてもらえることは確かだし大丈夫だろう。持っといて損はない能力だしな」
「はあ。全くレオンは能天気だな。けど、確かに持っていたら、邪険には扱われないだろう。後は、バレたらバレたでその時考えるか。何が起こるか分からないしな」


 アレクはそのように結論付けた。確かにその通りだと俺も思う。




 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢




「お、それよりついたようだぜ。今日の宿泊地に」


 見ると、商人の馬車が大量に並んでる一帯があった。宿場町というよりは、補給場と言ったところだろう。着くと、他の人たちが色々交渉してくれた。一連の交渉が終わると、代表してキールが呼びに来てくれる。


「本日の宿泊場所が決まりました。とは言っても亡命する人たちが非常に多いので、早速野宿になってしまいます。おそらく、これからも野宿が続くでしょう。申し訳ございません」
「大丈夫です。想定の範囲内ですから。お気遣いありがとうございます」


 流石に、脅して無理矢理連れてもらっている身でこれ以上の文句は言えないし、野宿になるだろうとは想定の範囲内だったので、問題はない。


「流石でございます。では、移動しますので、ついてきてください」
「はい」




 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢




 人場に連れて行かれると、商会の人たちが寝袋を用意してくれたみたいだ。


「ここらで、晩御飯にしましょう」
「はい。わかりました」


 そう言って、俺はルーカスに亜空間から、カツサンドを取り出してもらう。
 今日の晩ご飯は、ゴーレムに作らせたオークカツサンドである。


『う、うめえな!なんだ、この外側のやつ!サクサクしてて美味しいぞ。中もカリッとしている』


 オーブンで焼いた食パンに、隠れて飯を食っていたルーカスもご満悦である。一方、冒険者達は携帯食である干し肉を食べていたので、羨ましそうにこちらを見ている。


 ジーーーー。


 流石に悪びれずにずっと食べているのも居た堪れなくなり、「み、みなさんもどうですか?」と根負けして、分けることにした。


「うまっ」「うめえ」「美味しいです。リアム様」「美味しいわね」


 大変ご好評であったが、これで用意していた弁当は全てなくなってしまった。
 材料費はかからないから、別に問題はないんだけどね。そして、夕飯が終わった俺らは寝ることにした。


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


 その夜、『おい、他の奴らが寝ているうちに明日の昼飯用意した方がいいんじゃねえか?』というルーカスの発言により、俺はブラック労働することになった。


「ここら辺なら、大丈夫か」
『だな!』


 今、ルーカスは姿を現している。人目につかない場所だし、夜中だし、まあ大丈夫だろう。


 ガサゴソ……。


 その時、草陰に誰かの気配がした。


『誰だ!?』


 咄嗟にルーカスが俺を庇う体制をとる。


「おお!本当に、神竜を従魔にして、スキルも持っている。ほんとすごいな。流石、神に愛されし異世界の者」


 衝撃的な、爆弾を投下して、そこにいたのはノアだった。


-------------------------------
 
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~

月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」 ​ 猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。 彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。 ​チート能力? 攻撃魔法? いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。 ​「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」 ​ゴブリン相手に正座で茶を勧め、 戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、 牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。 ​そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……? ​「野暮な振る舞いは許しません」 ​これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。

ホームレスは転生したら7歳児!?気弱でコミュ障だった僕が、気づいたら異種族の王になっていました

たぬきち
ファンタジー
1部が12/6に完結して、2部に入ります。 「俺だけ不幸なこんな世界…認めない…認めないぞ!!」 どこにでもいる、さえないおじさん。特技なし。彼女いない。仕事ない。お金ない。外見も悪い。頭もよくない。とにかくなんにもない。そんな主人公、アレン・ロザークが死の間際に涙ながらに訴えたのが人生のやりなおしー。 彼は30年という短い生涯を閉じると、記憶を引き継いだままその意識は幼少期へ飛ばされた。 幼少期に戻ったアレンは前世の記憶と、飼い猫と喋れるオリジナルスキルを頼りに、不都合な未来、出来事を改変していく。 記憶にない事象、改変後に新たに発生したトラブルと戦いながら、2度目の人生での仲間らとアレンは新たな人生を歩んでいく。 新しい世界では『魔宝殿』と呼ばれるダンジョンがあり、前世の世界ではいなかった魔獣、魔族、亜人などが存在し、ただの日雇い店員だった前世とは違い、ダンジョンへ仲間たちと挑んでいきます。 この物語は、記憶を引き継ぎ幼少期にタイムリープした主人公アレンが、自分の人生を都合のいい方へ改変しながら、最低最悪な未来を避け、全く新しい人生を手に入れていきます。 主人公最強系の魔法やスキルはありません。あくまでも前世の記憶と経験を頼りにアレンにとって都合のいい人生を手に入れる物語です。 ※ ネタバレのため、2部が完結したらまた少し書きます。タイトルも2部の始まりに合わせて変えました。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...