3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

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2章⭐︎それぞれの役割編⭐︎

新しい従魔

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-side リアム-



 どおおおん!


 再び爆発音がした方角を見るとルーカスが見えた。すぐ見つかった事にホッとしつつも近づいて話しかける。


「どうしたの?ルーカス」
『ああ。暇だったからな。この山にいる強いやつを挑発するがてら山を切り拓いていたぜ!』
「……?」「おー。やるなー!」


 何を言っているんだ。このペットは。
 あとレオンはやるなーじゃない。
 なんでそこまで冷静なんだ。


『あれ?聞こえてないのか?暇だったから挑発がてら山を……』
「き、聞こえてる聞こえてる。んん……?待てよ。挑発するだけならそこまで自然破壊しなくても良くなくないか?」


 動揺しすぎてまともな事言っているか不安になってきたが、諦めずに返す。


『心配するな!環境には配慮してある。生態系が崩れない絶妙な加減でな!』
「そういう問題じゃないんだよな。というか、無駄に器用なことやめなされ。はー。どうせこんな事しても来る保証はないでしょ。それに、できれば来ないで欲しいし」
「何を言ってるんだリアム。強いやつとの戦闘できるんだぞ。こんな機会は滅多にない」


 あ、そういえばここには味方がいなかったと思わず遠い目をしてしまう。


『そんな、死んだ魚みたいな顔すんなよな!
 テンションぶち上げだろうがおい』
「いや、急に治安悪いなここ」
「ふっ。心配しなくても、大丈夫だリアム。
 どうやらこちらへ、来てるみたいだぞ。俺も楽しみだ」
「いや、心配なんてしてないし、来て欲しいって思ってないんだけど。そもそも、山壊しただけで相手にとっては呼ばれたかどうか分からないだろ。来るわけないよ。うん」
『お呼びか。お主ら』
「そんなこと言っても無駄だルーカス。俺は騙されないからな」
『む?ルーカス?誰だそれは』
「へ?」


 見ると、息を呑むほど美しい狼がいた。
 思わず、見入ってしまう。


『[鑑定]。おお、そこの神竜がルーカスというのか!神竜が人間の従魔とは珍しい。むむ、待てよ、リアムと言ったか。お主、なかなかいいスキル持ってるではないか。ふむ……、ではワシもお主と従魔仮契約でもしとくか。うむ。これでよしっと』
「は?」
『あーー!お前、俺の許可取らずに、何主人と勝手に従魔契約しているんだよ!』
『む。たしかにこれはマナー違反だったのう。悪かった。でもほれ、ワシも美味しい飯を食いたくてのお。許せ』
『まー。従魔契約してしまったものは仕方がないし?俺と戦ってくれるなら、いいけど』
『む?そんなんでいいのか?』
『ああ。楽しみだぜ』
『ふっ。久々に腕がなる。主人にワシの実力を見せるいい機会であるしな』
『あ?そーいえば、リアムは?おーい』


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


「……はっ。俺は何を?さっきまで、なんか非現実的なことが目の前で起こっていたが気のせいだよな。王宮に戻るか」
『現実だ。現実。お前はフェンリルを従魔にしたんだよ』
「へっ?フェンリル?……」
「ああ。俺も見るのは初めてだがな。あれが、フェンリルか。格がちげえぜ」
『主人。飯をくれ』


 フェンリルらしき何かが俺に向かっていう。きっと夢だろう。


『だから、フェンリルだってそいつ。夢でもねえし』


 だが認めん。認めんぞ俺は。


『結婚報告を娘から受ける頑固親父かっつーの。ってか俺も飯食いてえわ」
「そういえば、俺も飯食いたい」
「はは……ははは」


 なんかもう、どうにでもなーれ。


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 そこから、30秒くらい放心して秒で立ち直った俺はとりあえず、フェンリル?に餌付けをする事にした。フェンリル?ってだけで断じてフェンリルと認めたわけではない。
 さらっと[鑑定]使っていたのとかは決して見ていない。


「それはそれとして、はあ。狼って確か、肉食だよな。何にしようか」
『狼ではく、フェンリルだ。ワシは基本なんでも食べるのお。それこそこの前は異界の土地でラグナロクってイベントに招待されたので、オーディンとかいうのを食ってきた』


 いつのまにか小さくなって、俺の隣に来ていたフェンリル。こう見ると可愛い犬にしか見えないし、もうフェンリルでなくてもいいだろう。思わず、頬が緩んでしまう。


「ふーん。……ん?」


 なんか、今聞き捨てならないことを聞いていたがいちいち突っ込んでも意味がないか。


『すげーな、あいつ。もう順応してきてやがる。神殺しまでした奴相手にあの余裕』
「小心者のくせして、意外と図太いからな。フェンリルが勝手に従魔契約してた時も、どっちでもいいって本能で思っていたから契約が成立したんだろうし、本能的には怖がってないんだろう」


 何か、レオンとルーカスもヒソヒソ話しているが無視だ無視。
 それはそれとして、俺はスペアリブを作る事にした。何というか、犬といえば骨つき肉だろという安易な発想でだ。


 作り方は簡単だ。お肉と、すりおろしニンニクと生姜に、塩胡椒、酒、味醂、醤油、蜂蜜(砂糖でも可)をジップが付いている袋で混ぜ、少し寝かす。そして、オーブンで焼いたら完成だ。寝かす時間や、オーブンで焼く時間など結構暇だったので、黒毛和牛のサーロインステーキを焼いて、先食べる。


「今日の飯もうまいな。流石リアム」
『ほー。どれどれ、むむ。ほほう。これはなかなか。こんな柔らかい肉は初めてだ!』
『ああ!とにかく柔らかくてうまいな。流石主人だぜ』
「あはは」


 まあ、黒毛和牛のステーキなんて、まずく作る方が難しいくらいの食べ物だからな。


「さて、俺も食べるか。……う、うまい!」


 いくらでも食べれてしまいそうな魔性な味だな。口の中でとろける。これは……、作ってよかったかも。美味しく食べている間に、スペアリブの方も出来上がったので食べる。


『むむ。こちらの方もまた美味しいな。かみごたえがある』
『さっきのは牛とかいう魔物で、こっちのが豚とかいう魔物だな?最近ようやくわかってきたぜ』
「あはは。流石だね。正確にいうと牛も豚も魔力器官を持ってないから、魔物ではないんだけど」
『ああ。そういえば、主人たちの世界に魔法はないんだったな』
『む……。そうなのか?異世界といえば、お主、勇者か何かか?加護にもスキルにも恵まれているが』
「勇者……って魔王を倒す人?この世界にはいるんだ」
『そうだが。その反応を見ると違うのか。時期的にはそろそろ来るはずなんだが』
『ああー。そうかそういえば、もうそんな時期なんだな。忘れてたぜ!』
「そんな時期?」
『勇者召喚をどこかの国が定期的にやっておってのお。打倒魔王を掲げて頑張っておる国があるらしいのだ。まあ、ワシには関係ないことだが。もし、主人が勇者だったら20年分の飯と引き換えに倒してこようかと思ってのお』
「は、はあ。別にそんなことしなくても飯くらいいくらでも食べさせるから。頼むから、目立たずに大人しくしといてください」
『む。無償で食べさてくれるだと!?ふむ。たしかにこれだけ美味しい食い物を食べれたら、問題ないか。では、主人、本契約をしてくれ』
「本契約?」
『名前をつけることだ!名前をつけることで、仮契約から本契約に移行できるんだぜ』
「え?今は仮登録ってこと?てことは、この契約解消できるの?」
『クックック……。主人は面白いことを言いなさる。解消してみるといいのお。ラグナロクでのオーディンと同じようにカミコロ……』
「わ、わかった」
『流石主人殿。いい名前を期待しておるぞ』


 はあ。やり方が脅迫犯のそれなんだよな。
 魔物相手には、前世の法律など通用しないけど。


「名前か?うーん。銀色だし、シルバーとかどう?」
『むむ。シルバーか。まあいいだろう。ワシの名はシルバーじゃ』


 シルバーがそういうと、俺から何かが流れた。今ので従魔契約が成功したのだろう。


『ふむ。成功だのう。では、これからいい飯を頼むぞ。主人』
「う、うん。分かった」


 なんかもうどうにでもなーれ。


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


「はあー。あ、そうだ、そーいえばさ、食堂の鶏小屋で飼ってるコカトリスも名前をつけてなかったから、仮契約状態ってこと?」
『あ、そーいえばそうだな。早く名前つけてやれ』
「ゴシュジンサマー。ヒドイーヒドイー」


 みると、3羽とも泣きたそうな顔をしていた。うん、ごめんて。


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