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2章⭐︎それぞれの役割編⭐︎
俺の役割
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-side リアム-
『ああ?どう言うことだ?リアム』
「勇者の覚醒前=転生者の依代ってことだよ。
勇者召喚をした瞬間、あいつはあいつでなくなる」
『……!!つまり、お前と同じと言うことか』
そう。俺は転生前のリアムだった記憶がない。つまり、ノアもおそらくは勇者召喚後には俺との記憶は残っていないのではないかと思う。
『だとしたら、面倒だのう。主人殿は勇者と仲が良かったのだろう?』
「ああ。確かに。その記憶が消えるのか……それは、辛いな」
俺は、しんみりする。定期的に召喚されると言うことは、この世界に勇者は必要なのだろう。
『なにしんみりしているんだよ。だったら、止めればいいじゃねえか』
ルーカスがなんでもないことにいう。
「へ……?」
『別に勇者など居なくてもいいしのう。それより主人殿が辛そうにしてる方がワシにとっては問題だのう』
シルバー。お前、いいやつだったのか。
『確かに。ショックを受けて、メンタルに響いたらうまい飯が食えなくなるしな!』
『そうだのう』
「……」
一瞬でも信用した俺が馬鹿だったよ。はあ。でも確かに。さっきから俺の直感が言っているんだよな。勇者召喚をなかったことにしろ……、と。おそらく、俺が“勇者召喚をしているところに偶然通りがかった通行人”というのは違ったのだろう。やっぱり、従魔達のことはもう信用しない。
「ノアは俺がこの世界に来て初めての友人だ。勇者召喚なんかで、記憶を失ってもらったら困るな」
俺がそう言うと同時に何か情報が流れてくるのを感じた。ノアに向かっている悪意、利用しようとしていることなどだ。
これは、おそらくロキの加護。そう考えた瞬間、再び不思議な感覚がした。
………
……………
「クククッ。私の加護をようやく使ってくれたようだね」
同時に声が聞こえた。やはり声には狂気はこもっている。
「ロキ」
みると、見知った顔の美少女がいた。
「この前は色々説明し忘れたからね。
少々時を止めて君に話をしに来たんだ」
ロキは穏やかにそう言った。だけど、なんだろう?なんとなく、怒ってるように感じる。
「ふーん。別に頼んでないけど」
「つれないねえ。まあ、あたしもこの世界に長居はできそうにないから手短に行くよ」
「お、おう」
「まず、勇者召喚についてだけど……。君は、君の転生前の子と同様に、ノアのことをも転生者の依代と思っているけど、それは違うよ」
「へ?」
「勇者召喚はね。禁忌の儀式なんだ。魂を使ったね」
「……」
俺は黙って続きを促す。
「その昔、もういないけど頭のネジの外れた女神がいてね。うっかり、人間に教えちゃったんだよね。異世界からこちらの人間の魂を使って勇者を呼ぶ方法を」
「……!!それって」
「まあまあ。焦らない」
ロキは悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「君さ。この世界に来てから思ったことなかった?自分がまるでゲームのプレーヤーになったようだって」
「う、うん。それは……ずっと思ってた」
「それはね。元の持ち主の精神を破壊して、新しい魂を入れているからなんだ。客観的に自分のことをみれるのも当然だよねー」
「……!!そんな……」
「安心して。リアムの壊れた魂はノートとエマが君専用に作ったものだ。それに、神が認めた分には禁忌ではないはずだ。まあ、神の認定なんて、あてにしない方がいいけど」
「そ、そうか」
少しホッとした。
「ただね。勇者召喚は神が認めてない。人間が勝手に行なっているものだ。しかもご丁寧に聖女の血を大量に使ってまで呼び出すとか悪趣味だよねー。全く、どこの誰がバックアップしているんだろうね」
「……」
ミラが聖女か。
道理で魔力量が多いはずだ。
「なーんて。まあ、黒幕はおそらく運命神なんだろうけどね」
「………。はあ。全く。それを俺に言ってどうするんだ?」
「簡単だよ。ノアを助けるには運命神が予言する運命に逆らうしかない。その覚悟はあるかということだよ」
「……。はーーー。というか、断らせる気ないだろ。その感じ」
「まあね。でも、君も断る気なんてさらさらなさそうだった。ふふっ、それでこそ君は面白いよ。………。うん。運命に叛し選ばれし導き手よ。私は君を」
相変わらず狂気じみていて、それでいて悪戯っぽい笑みを浮かべながら、“賞賛する”と、呟いた。
………………
…………
『ふむ。主人殿の考えている事は大体わかったのう。では、ワシもひとはだ脱ぐとしようかのう。その代わり、さっきのことはチャラにしてくれ』
どうやら、さっきの場面に戻ってきたようだ。そして、いきなり下心たっぷりの意見を言ってきて興醒めである。
「はあ。分かった。ありがとう。一緒に勇者召喚をぶっ潰そう」
みんなが納得したのを見て、俺達は事前に打ち合わせをした奇襲を仕掛ける。
「だ、誰だ?お前ら!!」
ノアとミラをレオンとシルバーが確保したのを見て、ようやくボスに話しかける。
「よお。随分とやってくれたね。なにをやっていたんだ?」
「こ、こんなことをしてただで済むと思っているのか!こちらにはあのお方がついているんだぞ!」
「どうせ、運命神だろ?」
「な、なぜそれを!?」
「……あんたらが鈍臭いからだ」
「り、理不尽の極み!」
……わかりみが深すぎるわ。その返し。
ただ。
「悪いな。運命神とは敵対しないといけないみたいなので」
そう言って俺はボスらしき人を葬った。
「小物ばかりだったようだな」
レオンがそう呟いた。
「うん」
「一旦、戻るぞ。ノアとミラの報告を国王にしなければいけないからな」
「分かった」『うむ』『了解だ』
そう言って俺らは戦場へ戻ることにした。
その道中、さっきロキが俺に言ったことをふと考える。“運命に逆らいし、選ばれし導き手”か。
導き手がこの世界に対してだとすると、俺はこの世界の人たちを幸せにするべきだと勇者に説くというアクションを起こしていたというわけか。
しかも出会って最初の方に。……はあ。やっと分かった。なぜ俺が、ノアに対して力を他者のために使うべきかを説いたのか。
なぜ俺が、ノアに対して出来るだけ幸せな空間を与えようとしていたのか。
全てはノアを闇落ちさせないで、この世界をより良い方向に導くため、だったのか。
この世界、ノアは勇者、ミラは聖女。
そして俺は戦闘狂《プレーヤー》のサポーター……か。
----------------------------
[他]リアムには願望、欲望のほかに、守護者、後見人、保護者、ヘルメット、ボスという意味もあります。
-2章完-
[コメント]
ここまで、読んでいただき、ありがとうございました!楽しんでいただけたら、作者はとても喜びます。
[宣伝]
カクヨム様にて連載中の作品もしよろしければ、よろしくお願いします。プロフィールのwebリンクから作者カクヨムのページに飛べます。
3つ作者おすすめの新作品をあげるとすると、「クラフトスキルで片付け改革」「異世界ゆるふわカフェ巡り」「ヴァイオリン辺境伯の優雅で怠惰なスローライフ」です。(アルファポリス様には、まだありませんが…)
『ああ?どう言うことだ?リアム』
「勇者の覚醒前=転生者の依代ってことだよ。
勇者召喚をした瞬間、あいつはあいつでなくなる」
『……!!つまり、お前と同じと言うことか』
そう。俺は転生前のリアムだった記憶がない。つまり、ノアもおそらくは勇者召喚後には俺との記憶は残っていないのではないかと思う。
『だとしたら、面倒だのう。主人殿は勇者と仲が良かったのだろう?』
「ああ。確かに。その記憶が消えるのか……それは、辛いな」
俺は、しんみりする。定期的に召喚されると言うことは、この世界に勇者は必要なのだろう。
『なにしんみりしているんだよ。だったら、止めればいいじゃねえか』
ルーカスがなんでもないことにいう。
「へ……?」
『別に勇者など居なくてもいいしのう。それより主人殿が辛そうにしてる方がワシにとっては問題だのう』
シルバー。お前、いいやつだったのか。
『確かに。ショックを受けて、メンタルに響いたらうまい飯が食えなくなるしな!』
『そうだのう』
「……」
一瞬でも信用した俺が馬鹿だったよ。はあ。でも確かに。さっきから俺の直感が言っているんだよな。勇者召喚をなかったことにしろ……、と。おそらく、俺が“勇者召喚をしているところに偶然通りがかった通行人”というのは違ったのだろう。やっぱり、従魔達のことはもう信用しない。
「ノアは俺がこの世界に来て初めての友人だ。勇者召喚なんかで、記憶を失ってもらったら困るな」
俺がそう言うと同時に何か情報が流れてくるのを感じた。ノアに向かっている悪意、利用しようとしていることなどだ。
これは、おそらくロキの加護。そう考えた瞬間、再び不思議な感覚がした。
………
……………
「クククッ。私の加護をようやく使ってくれたようだね」
同時に声が聞こえた。やはり声には狂気はこもっている。
「ロキ」
みると、見知った顔の美少女がいた。
「この前は色々説明し忘れたからね。
少々時を止めて君に話をしに来たんだ」
ロキは穏やかにそう言った。だけど、なんだろう?なんとなく、怒ってるように感じる。
「ふーん。別に頼んでないけど」
「つれないねえ。まあ、あたしもこの世界に長居はできそうにないから手短に行くよ」
「お、おう」
「まず、勇者召喚についてだけど……。君は、君の転生前の子と同様に、ノアのことをも転生者の依代と思っているけど、それは違うよ」
「へ?」
「勇者召喚はね。禁忌の儀式なんだ。魂を使ったね」
「……」
俺は黙って続きを促す。
「その昔、もういないけど頭のネジの外れた女神がいてね。うっかり、人間に教えちゃったんだよね。異世界からこちらの人間の魂を使って勇者を呼ぶ方法を」
「……!!それって」
「まあまあ。焦らない」
ロキは悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「君さ。この世界に来てから思ったことなかった?自分がまるでゲームのプレーヤーになったようだって」
「う、うん。それは……ずっと思ってた」
「それはね。元の持ち主の精神を破壊して、新しい魂を入れているからなんだ。客観的に自分のことをみれるのも当然だよねー」
「……!!そんな……」
「安心して。リアムの壊れた魂はノートとエマが君専用に作ったものだ。それに、神が認めた分には禁忌ではないはずだ。まあ、神の認定なんて、あてにしない方がいいけど」
「そ、そうか」
少しホッとした。
「ただね。勇者召喚は神が認めてない。人間が勝手に行なっているものだ。しかもご丁寧に聖女の血を大量に使ってまで呼び出すとか悪趣味だよねー。全く、どこの誰がバックアップしているんだろうね」
「……」
ミラが聖女か。
道理で魔力量が多いはずだ。
「なーんて。まあ、黒幕はおそらく運命神なんだろうけどね」
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相変わらず狂気じみていて、それでいて悪戯っぽい笑みを浮かべながら、“賞賛する”と、呟いた。
………………
…………
『ふむ。主人殿の考えている事は大体わかったのう。では、ワシもひとはだ脱ぐとしようかのう。その代わり、さっきのことはチャラにしてくれ』
どうやら、さっきの場面に戻ってきたようだ。そして、いきなり下心たっぷりの意見を言ってきて興醒めである。
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みんなが納得したのを見て、俺達は事前に打ち合わせをした奇襲を仕掛ける。
「だ、誰だ?お前ら!!」
ノアとミラをレオンとシルバーが確保したのを見て、ようやくボスに話しかける。
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「こ、こんなことをしてただで済むと思っているのか!こちらにはあのお方がついているんだぞ!」
「どうせ、運命神だろ?」
「な、なぜそれを!?」
「……あんたらが鈍臭いからだ」
「り、理不尽の極み!」
……わかりみが深すぎるわ。その返し。
ただ。
「悪いな。運命神とは敵対しないといけないみたいなので」
そう言って俺はボスらしき人を葬った。
「小物ばかりだったようだな」
レオンがそう呟いた。
「うん」
「一旦、戻るぞ。ノアとミラの報告を国王にしなければいけないからな」
「分かった」『うむ』『了解だ』
そう言って俺らは戦場へ戻ることにした。
その道中、さっきロキが俺に言ったことをふと考える。“運命に逆らいし、選ばれし導き手”か。
導き手がこの世界に対してだとすると、俺はこの世界の人たちを幸せにするべきだと勇者に説くというアクションを起こしていたというわけか。
しかも出会って最初の方に。……はあ。やっと分かった。なぜ俺が、ノアに対して力を他者のために使うべきかを説いたのか。
なぜ俺が、ノアに対して出来るだけ幸せな空間を与えようとしていたのか。
全てはノアを闇落ちさせないで、この世界をより良い方向に導くため、だったのか。
この世界、ノアは勇者、ミラは聖女。
そして俺は戦闘狂《プレーヤー》のサポーター……か。
----------------------------
[他]リアムには願望、欲望のほかに、守護者、後見人、保護者、ヘルメット、ボスという意味もあります。
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