57 / 85
3章⭐︎新しい家族から学ぶ帝王学編⭐︎
出立の日
しおりを挟む
-side リアム-
………
……………
「ロキ様……、ロキ様!!寝ぼけてないで起きてください!聞こえますか?」
『むにゃむにゃ……。はっ……!?ほへ……!?お主……、どうやってここへ?』
ここは夢の中だ。ロキ様は寝ていたようで、寝巻き姿である。俺が、ロキ様のところに自力で会いに来れた事を驚いているみたいだ。
「えっと……気合いです!」
『む?むにゃ……!!正気か?』
「ええ。あなただったら、実際、ここに俺の魂が会いに来ているのは分かるでしょう?」
『む……?確かに。はあ……お主相変わらずぶっ飛んでやがるな。しかし……来れてしまったものは仕方あるまい。して、何のようだ?運命教のことならしばらく動きは落ち着いてそうだぞ』
「いや。それは大丈夫です。俺は、ヨルムンガルドの居場所についての情報が知りたいです。
もし持っていたら、教えてください!」
『む?なんだそんなことか。しかし、困ったな。すぐに言われたって知らない……」
「あ、そうですか。では帰りま……」
『待て待て待て。すぐには……だ。すぐには。調べれば、もしかしたら、分かるかも知れぬぞ』
「あ、そうですか。でも、不確定要素があるんですよね?そういう運要素には、頼らない主義です。欲しいのはあくまで情報ですから。だから、帰り……」
『待て待て待て。今日お前どうした?お、お、落ち着け』
「そっちの方が落ち着いてください。というか、今、急いでいるので。じゃっ!」
『へ……?もしかして、これ夢だった?むにゃむにゃ。……って流されるな。起きろ私!』
…………
………
『お!起きたか、リアム。して、どうだったのだ?』
「ロキ様には会えたけど、知らないっぽかった。一応、調べることもできるとは言われたけど」
『やめておけ。我親ながら、どんな要求されるか分かったものではないからのう』
『ああ。それだったら、俺の親である知識神ノートから聞いた方がよっぽど信頼できるぜ』
「だよなあ」
「お前らロキ様に対する信頼なさすぎだろ。俺は会ったことはねえけど」
「レオンも会ったら分かるよ。あれは信頼できない」
「ほーーん」
あれから、俺はヘンリー、レオンの2人と戦闘での連携の確認をしたりして過ごしていた。父親としてのヘンリーはダンディー貴族というイメージだが、冒険者としてのヘンリーはイメージはやんちゃそうだが、仕事はしっかりするという感じの人だということが分かった。
きっと、母上もこのギャップに惹かれたのだろう……そう思わされるくらいには面倒見の良い先輩だったな。
2人にアドバイスも山ほど貰えて、前よりも確実に強くなった……気がする。
それはそれとして、今日は出発日の朝……と言ってもまだ外は暗いけれども。
ともかく、一つでも多く情報を手に入れたい俺達は手当たり次第、書物や頼れる人をあたっていた。
さっきのロキ様の訪問もそうだ。
どうしても、会いたかったので寝る前にロキ様に会いたいと願ったら、叶った事には驚きだったけれども。
まあ、結果が期待外れであったのは仕方がない。元々ダメ元で言ったし、あの人のポンコツは想定の範囲内だ。
「よし。準備できた。行くか」
「ああ。くーー。久しぶりの長期冒険だ。
楽しみすぎるぜ」
沢山得られた情報のうち、ほとんどは外れだったが、数件は、それっぽい“当たり”の情報もあった。
うち一つは、世界樹の場所である。まず最初にそこをあたろうという話になった。
これから、一体どんな旅になるのだろうか。あの後、国からの指示は、何かしら成果を出せばオーケーという、レオンとヘンリー曰くとても緩い条件ということだったけど、俺は今回が実質初めての冒険であるので、それがどれくらい緩いかは分からないんだよな。
緊張と不安と興奮と……色々な感情が混ざりながら、冒険はスタートした。
------------------------------
………
……………
「ロキ様……、ロキ様!!寝ぼけてないで起きてください!聞こえますか?」
『むにゃむにゃ……。はっ……!?ほへ……!?お主……、どうやってここへ?』
ここは夢の中だ。ロキ様は寝ていたようで、寝巻き姿である。俺が、ロキ様のところに自力で会いに来れた事を驚いているみたいだ。
「えっと……気合いです!」
『む?むにゃ……!!正気か?』
「ええ。あなただったら、実際、ここに俺の魂が会いに来ているのは分かるでしょう?」
『む……?確かに。はあ……お主相変わらずぶっ飛んでやがるな。しかし……来れてしまったものは仕方あるまい。して、何のようだ?運命教のことならしばらく動きは落ち着いてそうだぞ』
「いや。それは大丈夫です。俺は、ヨルムンガルドの居場所についての情報が知りたいです。
もし持っていたら、教えてください!」
『む?なんだそんなことか。しかし、困ったな。すぐに言われたって知らない……」
「あ、そうですか。では帰りま……」
『待て待て待て。すぐには……だ。すぐには。調べれば、もしかしたら、分かるかも知れぬぞ』
「あ、そうですか。でも、不確定要素があるんですよね?そういう運要素には、頼らない主義です。欲しいのはあくまで情報ですから。だから、帰り……」
『待て待て待て。今日お前どうした?お、お、落ち着け』
「そっちの方が落ち着いてください。というか、今、急いでいるので。じゃっ!」
『へ……?もしかして、これ夢だった?むにゃむにゃ。……って流されるな。起きろ私!』
…………
………
『お!起きたか、リアム。して、どうだったのだ?』
「ロキ様には会えたけど、知らないっぽかった。一応、調べることもできるとは言われたけど」
『やめておけ。我親ながら、どんな要求されるか分かったものではないからのう』
『ああ。それだったら、俺の親である知識神ノートから聞いた方がよっぽど信頼できるぜ』
「だよなあ」
「お前らロキ様に対する信頼なさすぎだろ。俺は会ったことはねえけど」
「レオンも会ったら分かるよ。あれは信頼できない」
「ほーーん」
あれから、俺はヘンリー、レオンの2人と戦闘での連携の確認をしたりして過ごしていた。父親としてのヘンリーはダンディー貴族というイメージだが、冒険者としてのヘンリーはイメージはやんちゃそうだが、仕事はしっかりするという感じの人だということが分かった。
きっと、母上もこのギャップに惹かれたのだろう……そう思わされるくらいには面倒見の良い先輩だったな。
2人にアドバイスも山ほど貰えて、前よりも確実に強くなった……気がする。
それはそれとして、今日は出発日の朝……と言ってもまだ外は暗いけれども。
ともかく、一つでも多く情報を手に入れたい俺達は手当たり次第、書物や頼れる人をあたっていた。
さっきのロキ様の訪問もそうだ。
どうしても、会いたかったので寝る前にロキ様に会いたいと願ったら、叶った事には驚きだったけれども。
まあ、結果が期待外れであったのは仕方がない。元々ダメ元で言ったし、あの人のポンコツは想定の範囲内だ。
「よし。準備できた。行くか」
「ああ。くーー。久しぶりの長期冒険だ。
楽しみすぎるぜ」
沢山得られた情報のうち、ほとんどは外れだったが、数件は、それっぽい“当たり”の情報もあった。
うち一つは、世界樹の場所である。まず最初にそこをあたろうという話になった。
これから、一体どんな旅になるのだろうか。あの後、国からの指示は、何かしら成果を出せばオーケーという、レオンとヘンリー曰くとても緩い条件ということだったけど、俺は今回が実質初めての冒険であるので、それがどれくらい緩いかは分からないんだよな。
緊張と不安と興奮と……色々な感情が混ざりながら、冒険はスタートした。
------------------------------
57
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる