67 / 85
4章⭐︎学園編⭐︎
入学試験準備
しおりを挟む
-side リアム-
とある平穏な日、俺は父上--ヘンリーに戦闘を教えてもらっていた。
「さてと……、リアム。俺の課題をもう少ししろと言いたいところだが、お前もうすぐ入学試験だろう?」
「ああ……!そういえば、そんなこともありましたね!」
「おい……、まさか忘れてたわけではないよな?」
「まっさかー……」
ジトーっとヘンリー様がこちらを見てくる。俺はそっとその視線を受け流す事にした。
「まあいい、ちょうど交友関係を拡がるという事は実行できていなかったんだ。今から申し込むのでも遅くあるまい」
「ゲッ……!ですが、いまだに運命教との戦いも続いていますし、今すぐに俺が学校に行く必要はないのでは?もう少しお兄さんになってからでも……」
「おいこら、大人びた言葉で急に子供ぶって騙されると思うなよ?」
「バレたか」
「バレバレだ。はぁ……、これは賢いリアムだったらわかると思うが、この世の中、どこに情報が落ちているか分からないし、運命教に情報を得るためには引きこもっていないで外に出ることも必要ではないかね?」
「うっ……」
痛いとこついてくるなあ。
「それに学園へ行くといろいろな人と戦えるから対人戦での戦闘力は確実に上がる。対人戦は魔物相手とは色々と違うからな。人と戦う経験値という面において、運命教と戦う事を考えるにしても、悪くないのではないだろうか?」
「うーむ。それを言われると確かに」
本音を言えば、世界中の美食を食ってまわりたいけど、それは大人になってからでもいいか。
「それに学園には料理学科があり、世界中の高級食材が集まるという話だ」
「行きます。よーーし!入学準備頑張るぞーー!」
「おいっ!今までの説得はなんだったんだよ!」
美味しい食い物情報の方が無駄に理屈並べられるよりよっぽど聞いてて楽しいからな。
試験勉強頑張ろー!
『ヨルムンガルド。あれが我らの主人の本性だ。覚えておくといいぜ!』
『……食い物で釣れば良いということですね。扱いが楽そうで助かります』
『うむ。お主に任せれば安心だのう』
--え?もしかして、俺って単純?
あいでっ……!?そんな呆れた様子で見ないでください父上……。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「試験はどうせ通るだろうが、授業についていけないという事があってはならないから一応一通りは学んでもらおう」
「はーい」
知っていたが、学園の試験内容は大丈夫なようだ。父上によると以下のような試験内容らしい。
◯学園の入試内容◯
1. 魔法の試験: 王立ドライ王国学園では魔法の使用や制御が重要なスキルとされている。魔法の呪文や魔法陣を使用しての実技試験。
2. 知識テスト: 学校では魔法やドライ王国に歴史、生物学、魔法生物のテスト。
3. 生物学的試験: 奇妙な生物やモンスターが存在する。入試では、これらの生物に関する知識をテストする試験が行われることがあり、生物学的特徴や対処法を示す必要がある。
4. 騎乗試験: 魔法の生物や魔獣に騎乗することがある。魔獣の騎乗技術を評価されることがあり、特定の魔獣--ワイバーンに乗るための試験が行われる。
5. 魔法対決: 魔法の試験の一環として、受験生同士で魔法対決を行うことがある。対決では魔法の技術や戦術が評価され、相手を制する必要がある。
6. 個性テスト: 学校では受験生個性や特性も評価されることがある。スキルや冒険者ランク、職歴など客観的に評価できる経歴が評価対象である。
7. 面接試験: 入試の最終段階として、受験生は面接試験に臨むことがあります。面接官、親との3者面談だ。
◯END◯
「これ全てをクリアしないとだめなんだ。多いな」
「この国の最高学府だからな。しっかり勉強しておけ。後のことは、レルに任せてある。しっかりな」
「はーい」
……って、ちょっと待って。レルに任せてある?何か嫌な予感が。
「お久しぶりですね。リアム様」
危険を感じて、その場から飛び退くとニコニコ満面の笑みを浮かべるレルがいた。
アレク達は最近冒険に行っているが、リサ、ラルとレルは使用人だからなんだかんだで結構顔を合わせるのだ。その中でも、レルは最近、俺のストッパーとしてこの家から色々頼られる存在となっていた。
「ひ、久しぶり」
「ヘンリー様に聞いてますよ。色々やっていらっしゃるのだとか」
「い、いや。俺は別に」
「隠しても無駄です。ヘンリー様にも頼まれておりましたので、本日から貴族のマナーも含めてみっちり叩き込ませていただきます」
やっぱり、しごく気満々じゃねえか!?
図ったな父上!
「あー、リアム。達者でな?」
曖昧な笑顔をして父上はそう言った。
え?まさかとは思うけど、息子には厳しくして、自分は逃げるつもり?
「ええーー!」
「行きますよ!リアム様!」
「あとで覚えてろーー!」
咬ませ犬のようなセリフを叫んだ後、無事にレルにしごかれたのだった。仕返しする気力は無かった。
ちなみに試験は無事合格した。
--------------------------------------
とある平穏な日、俺は父上--ヘンリーに戦闘を教えてもらっていた。
「さてと……、リアム。俺の課題をもう少ししろと言いたいところだが、お前もうすぐ入学試験だろう?」
「ああ……!そういえば、そんなこともありましたね!」
「おい……、まさか忘れてたわけではないよな?」
「まっさかー……」
ジトーっとヘンリー様がこちらを見てくる。俺はそっとその視線を受け流す事にした。
「まあいい、ちょうど交友関係を拡がるという事は実行できていなかったんだ。今から申し込むのでも遅くあるまい」
「ゲッ……!ですが、いまだに運命教との戦いも続いていますし、今すぐに俺が学校に行く必要はないのでは?もう少しお兄さんになってからでも……」
「おいこら、大人びた言葉で急に子供ぶって騙されると思うなよ?」
「バレたか」
「バレバレだ。はぁ……、これは賢いリアムだったらわかると思うが、この世の中、どこに情報が落ちているか分からないし、運命教に情報を得るためには引きこもっていないで外に出ることも必要ではないかね?」
「うっ……」
痛いとこついてくるなあ。
「それに学園へ行くといろいろな人と戦えるから対人戦での戦闘力は確実に上がる。対人戦は魔物相手とは色々と違うからな。人と戦う経験値という面において、運命教と戦う事を考えるにしても、悪くないのではないだろうか?」
「うーむ。それを言われると確かに」
本音を言えば、世界中の美食を食ってまわりたいけど、それは大人になってからでもいいか。
「それに学園には料理学科があり、世界中の高級食材が集まるという話だ」
「行きます。よーーし!入学準備頑張るぞーー!」
「おいっ!今までの説得はなんだったんだよ!」
美味しい食い物情報の方が無駄に理屈並べられるよりよっぽど聞いてて楽しいからな。
試験勉強頑張ろー!
『ヨルムンガルド。あれが我らの主人の本性だ。覚えておくといいぜ!』
『……食い物で釣れば良いということですね。扱いが楽そうで助かります』
『うむ。お主に任せれば安心だのう』
--え?もしかして、俺って単純?
あいでっ……!?そんな呆れた様子で見ないでください父上……。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「試験はどうせ通るだろうが、授業についていけないという事があってはならないから一応一通りは学んでもらおう」
「はーい」
知っていたが、学園の試験内容は大丈夫なようだ。父上によると以下のような試験内容らしい。
◯学園の入試内容◯
1. 魔法の試験: 王立ドライ王国学園では魔法の使用や制御が重要なスキルとされている。魔法の呪文や魔法陣を使用しての実技試験。
2. 知識テスト: 学校では魔法やドライ王国に歴史、生物学、魔法生物のテスト。
3. 生物学的試験: 奇妙な生物やモンスターが存在する。入試では、これらの生物に関する知識をテストする試験が行われることがあり、生物学的特徴や対処法を示す必要がある。
4. 騎乗試験: 魔法の生物や魔獣に騎乗することがある。魔獣の騎乗技術を評価されることがあり、特定の魔獣--ワイバーンに乗るための試験が行われる。
5. 魔法対決: 魔法の試験の一環として、受験生同士で魔法対決を行うことがある。対決では魔法の技術や戦術が評価され、相手を制する必要がある。
6. 個性テスト: 学校では受験生個性や特性も評価されることがある。スキルや冒険者ランク、職歴など客観的に評価できる経歴が評価対象である。
7. 面接試験: 入試の最終段階として、受験生は面接試験に臨むことがあります。面接官、親との3者面談だ。
◯END◯
「これ全てをクリアしないとだめなんだ。多いな」
「この国の最高学府だからな。しっかり勉強しておけ。後のことは、レルに任せてある。しっかりな」
「はーい」
……って、ちょっと待って。レルに任せてある?何か嫌な予感が。
「お久しぶりですね。リアム様」
危険を感じて、その場から飛び退くとニコニコ満面の笑みを浮かべるレルがいた。
アレク達は最近冒険に行っているが、リサ、ラルとレルは使用人だからなんだかんだで結構顔を合わせるのだ。その中でも、レルは最近、俺のストッパーとしてこの家から色々頼られる存在となっていた。
「ひ、久しぶり」
「ヘンリー様に聞いてますよ。色々やっていらっしゃるのだとか」
「い、いや。俺は別に」
「隠しても無駄です。ヘンリー様にも頼まれておりましたので、本日から貴族のマナーも含めてみっちり叩き込ませていただきます」
やっぱり、しごく気満々じゃねえか!?
図ったな父上!
「あー、リアム。達者でな?」
曖昧な笑顔をして父上はそう言った。
え?まさかとは思うけど、息子には厳しくして、自分は逃げるつもり?
「ええーー!」
「行きますよ!リアム様!」
「あとで覚えてろーー!」
咬ませ犬のようなセリフを叫んだ後、無事にレルにしごかれたのだった。仕返しする気力は無かった。
ちなみに試験は無事合格した。
--------------------------------------
42
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる