3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

文字の大きさ
77 / 85
4章⭐︎学園編⭐︎

褒められられてない俺

しおりを挟む
-side リアム-


「さっすがリアム!」
「強いね」
「……ま、まあ」
『意外とこいつ褒められられてないのウケるぜ!』


 うっさいやい。


「リアム君、流石でしたよ」
「カーティス先生!」
「“攻撃こそ最大の防御”と仮説に書かれた時は面食らいましたが、有言実行ですね」
「は、はひぃ!」


 先生に褒められた!良かったあ!


『やっぱり全然褒められられてないみたいですね』
『意外とかわいいのう』


 よせやいっ!かわいいより、かっこいいって言われたい!


 そんな調子で浮かれていると、先生は--パンパンッ!と手を叩く。
 

「以上で戦闘訓練を終了する!この結果は後日、クラス分けに反映される!」


 ほほう。俺とノアは顔を見合わせてはしゃぐ。


「--って事は俺らは当然Sクラスって事!?」
「--だよね?当然だよね?」
「そこ!うるさい!廊下に立ってろ!」
「「--ゲッ!」」
「……素行が悪くて能力ある奴って厄介よねえ……」


 後ろでリリーが何かを呟いたのを尻目に廊下に連れ出されたのだった。



 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


「ただいまー!」
「おお、リアムか。おかえり」
「学校はどうだ?リアム?」
「レオン!」
「今日能力試験があったよ!当然Sクラス!」


 ふふん!とドヤ顔する。
 父上は呆れた様子だ。


「あー……、あのなリアム。クラス変えは結構頻繁に行われるから、気をつけてな」
「--へ?」


 学校で色々あった情報がいってるからか随分と父上厳しいことを言うじゃないか?


「そりゃあお前、入学試験で行われた心理学のテストをクリアしていたら、頻繁にクラスを変えるのは当然な事くらい分かるだろう?」
「は?」
「え?」
「あ、あはははは!そんなわけそんなわけないじゃないですか?」


 俺は笑って誤魔化す。


「知っているか?」


 --ジー


 俺は思わず目を逸らす。


「今お前、嘘をついている行動しかしていないぞ」
「ぐはっ……!」
「はあ……、まあいい、貴族たるもの、心理学くらい、当たり前に学んでおけ」
「わかりましたあ……」


 そういっていつものようにセンシティブな話題をさらっと切り出す父上。



「学校でいじめが起こるメカニズムくらいは知っておいて損はないだろう」
「はあ?」
「まあ諸説あるがな、俺が推している通説でもいいか?」
「うん」
「まずな、人間の人間関係ってのはある程度符号で表す事ができる」
「ほうほう」


 もしかして、ど理系の方ですか?とは、言えない。俺もレオンもそう言う気質があり、この場でこうやって話すことを疑問に思うものもいないからだ。


「好きを+、嫌いを-で表す」
「ふむ」
「AさんBさんの関係、BさんCさんの関係、AさんCさんの関係、それら全てが好きの+か、2つが嫌いの-の時のみ均衡が保たれ、居心地の良い関係、つまり友人関係が成り立つ。そして全ての人間がこの安定したバランスを保つ事を目指すと言う仮説を立てよう」
「へー」


 本当に理系っぽいな。2つが-でも良いというのは、-と-でプラスと見なされるからだろう。


「今Aさんであるお前が、対象物であるCさんを好き、つまり+だとしよう。誰でもいい、クラスメイトの一人とか」
「ほうほう」


 じゃあ、さっきの仮想戦闘訓練で最初に戦った人でいいか。


「ここに、Bさんのノア殿下がいてCさんを好きだったら+、嫌いだから-だとする」
「あー」
「察しの通り、全員+だったら、お前とノア殿下とCさんの関係は良好だし、ノア殿下がCさんが嫌いだった-の関係になるから、お前は-という均衡を保つために、Cさんを嫌いになる事を目指すだろう」
「まあ、ノアを敵に回すくらいならなあ」
「そうだな、この際、嫌いになる理由なんてなんでもいい、大体はノアが理由を提示してくれるはずだ。根本的な理由がバランスを保つためだからな」
「うわあ……」
「そうだ。それが広がるのがいじめだ。大体こう言う状況はシステムエラーによって起こる。閉鎖的で逃げられない環境で起こりがちだ」
「ほう」
「本来、そう言う状況では真っ先にノア殿下みたいな人を切るべきなんだ。誰かの悪口を言うって言うことは感情が抑えられない余裕や理性的になれず、未熟な証でもあるから、そう言うやつとビジネスをやっていても仕方がない。だが、閉鎖的な環境だとそれはしにくい」
「なるほど」


 確かに、前世の世界のネット上で置き換えると配信者をAさん、アンチをBさん、リスナーをCさんって考えると、推しを傷つけるBさんを切るのが正解か。
 そういう意味で、ネットくらい広い環境だと、攻撃的な人からはある程度、逃げられるし、いじめは起こりにくいのかもしれない。
 あとは、開放感ある大学より、閉鎖的な高校の方がいじめは起こりやすいか。攻撃的な人からは、逃げられるもんね。
 この世界の貴族はそう言うことを帝王学で既に勉強しているから、システムエラーが起こりにくいのか。


「まあ、現実のノア殿下は未熟どころか成熟しすぎてて、相手につけいられるような隙なんて見せないからそんな事は絶対に起こらない」
「確かに、あいつが悪口言っている姿は想像できない。なんか、全てを掌握してそう」
「そりゃお前、ノア殿下はお前と違って心理学なんて使いこなしまくってるからな。だから、貴族社会でも信頼が厚いんだ」
「なるほど……、え!?じゃあ、俺は貴族社会で全然信頼性がないって事!?」
「……」
「………」
「ま、まあ、まだ子どもだし、これから頑張れよ、リアム」


 ガビョーン。戦闘スキル以外のメンタル面でもトレーニング頑張ろうと思った1日だった。




--------------------------------------
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~

月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」 ​ 猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。 彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。 ​チート能力? 攻撃魔法? いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。 ​「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」 ​ゴブリン相手に正座で茶を勧め、 戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、 牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。 ​そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……? ​「野暮な振る舞いは許しません」 ​これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。

ホームレスは転生したら7歳児!?気弱でコミュ障だった僕が、気づいたら異種族の王になっていました

たぬきち
ファンタジー
1部が12/6に完結して、2部に入ります。 「俺だけ不幸なこんな世界…認めない…認めないぞ!!」 どこにでもいる、さえないおじさん。特技なし。彼女いない。仕事ない。お金ない。外見も悪い。頭もよくない。とにかくなんにもない。そんな主人公、アレン・ロザークが死の間際に涙ながらに訴えたのが人生のやりなおしー。 彼は30年という短い生涯を閉じると、記憶を引き継いだままその意識は幼少期へ飛ばされた。 幼少期に戻ったアレンは前世の記憶と、飼い猫と喋れるオリジナルスキルを頼りに、不都合な未来、出来事を改変していく。 記憶にない事象、改変後に新たに発生したトラブルと戦いながら、2度目の人生での仲間らとアレンは新たな人生を歩んでいく。 新しい世界では『魔宝殿』と呼ばれるダンジョンがあり、前世の世界ではいなかった魔獣、魔族、亜人などが存在し、ただの日雇い店員だった前世とは違い、ダンジョンへ仲間たちと挑んでいきます。 この物語は、記憶を引き継ぎ幼少期にタイムリープした主人公アレンが、自分の人生を都合のいい方へ改変しながら、最低最悪な未来を避け、全く新しい人生を手に入れていきます。 主人公最強系の魔法やスキルはありません。あくまでも前世の記憶と経験を頼りにアレンにとって都合のいい人生を手に入れる物語です。 ※ ネタバレのため、2部が完結したらまた少し書きます。タイトルも2部の始まりに合わせて変えました。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...