転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

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3章⭐︎6歳中盤〜7歳⭐︎

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-side ラインハルト-



 ここはドラゴンの、とはいえ神殿。--という事は、祭壇もある。
 そして、俺たちは女神ライフに文句を言うために、神の銅像の前に来ていた。
 ここの銅像の方が、教会にあったのよりもリアルに感じる。
 流石は、神にもっとも近いとされている生物--古代竜である。


「一応、私たちも一緒に着いて行ってあげるわよ。今のあなたじゃ女神様に何をしでかすか分からないし。」
「うっかり、神界破壊されたら困るしな。」
「お目付役。」
「--とか言いつつ、ピクニックのような格好しているのは気のせいか?」


 そう。今日の精霊達は、アウトドアの格好をしている。魔法でできているから、実際の着心地は変わらない気もするけど、雰囲気か。


「失礼ね。これは、神界に行く時の正装よ。
 私たちが動きやすい服装だわ。決して、野次馬根性の表れでは無いのよ。」
「神界ってそんなに動きにくい場所だったっけ?」
「あんたは神だから影響はないけれど、地上の者が行くときは特殊な装備がいるのよ。」
「この装備だって、作るのに100年はかかるんだぜ。俺はスキル様に作ってもらったけど。」
「へーー。」


 ソフィアもうんうんと頷いているところを見るとそうなのだろう。


「だから、ラインハルト。安心して、護衛を任せてくれ!ちなみに、俺はただの野次馬根性でもある!」
「あ、あなたねえ!その裏切りは反則よ!
 いくら、ラインハルトがチョロいからって言ったって……。あっ……!」
「--あのさあ。」
「大丈夫。うちは、野次馬根性じゃない。
 純粋な興味。一緒にいける。」
「あっ……!ソフィア。あなたまで……!」
「ではラトリア。」
「行ってくる。」
「ちょ……、あたしも付いて行くわよ!」
「み、みんな。あのさ……、色々と突っ込みどころあるんだけど。」
「後にして!」
「えっ……?」
「行くぞ!」


 その時、ピカーーーーー!と、祭壇が光り、俺たちを神殿へ連れいていく。


「いや、俺の扱い方雑ーー!!」




 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢




「やあ、いらっしゃいラインハルト君。」


 神界に着くと、相変わらずイケメンの創造神様が出迎えてくれた。
 御目当ての女神はまだいないようだ--とキョロキョロしていると、「ここにはライフはいないよ」と教えてくれる。


「そうですか。せっかく文句を言いにきたのに。」
「あはは。ふむ。記憶を除く限り、恋愛運10が相当な事故--という事みたいだね。
 まだ、上手く魔法が使えないと言うことも悩んでいると見た。」
「そうですよ。全く。色々大変です。」
「あはは……!今、ライフを呼び出したから、もうすぐくるはずだよ。」
「お気遣いありがとうございます。」
「うん。それより……、ラトリア。ソフィア。ルーカス。久しぶりだね。来ていたんだったら、顔を出しなさい。」


 ぴょこぴょこっと、俺の後ろから、警戒するように、顔を出す精霊達。
 いつも、遠慮がなさすぎるくらいなので、この対応は珍しい。なんでだろう?


「お久しぶりです。マテリ様。あなたのおかげで、うまくやっているわ。」
「そうか。それは良かった。--ところで、聞きたいことがあるんだけど、愛の精霊の話をラインハルト君にしないのはなんでかな?」


 ぎくりっ……!と精霊達が、肩を震わせる。あれ--?もしかして、何か、大事なこと隠し事されてた?だから、記憶の読めるマテリ様を警戒したとか?


「そ、それはですね……。恋愛運10を倍にしたところで、20にしかならないというか……。根本的な治療法にならないというか……。ともかく、そんな感じだわ。」
「と、ともかく、ライフ様に頼んだ方が、いい結果になるんだと考えたからだぜ!」
「は、激しく同意。」


 この動揺。自分達が黒だと言っているようなものだけど。
 というか、10が20になる愛の精霊?そんなものがいるんだったら、神界に来る必要なかったのでは?
 もしかして、俺。騙されてた?
 --というか、さっき、ルーカスがただの野次馬だと言ったのはこう言うことかよ……!


「ラインハルト君。」
「ん?」
「この通り、精霊達は、扱うのが大変だろうけど、うん。……ナイスファイトだね。」
「そ、それ。負けた時に言うやつです。せめて、勝つ前提で、応援してください……。」
「あははっ……!」


 --と、そんな事を話していた時、「ぜえぜえ……。」と息を切らしながら、女神ライフ様が走ってやってきたのだった。




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