転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

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1章 赤ん坊生活 0〜3歳

大きな大きなお客様

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-side アクシア-



「大変です!大変です!」
「んーー?よく寝た!」


 翌朝、何やら城がざわざわしていたので、目が覚めた。昨日はエリックに神獣様のお話を聞いてたら、興奮しすぎて夜眠れなくなってしまったのだ。
 無理だろうけれど、いつか俺も一緒に冒険してみたいな……、と想像してみたら、そりゃ眠れなくなっちゃうよね。ロマンだもん。


 それにしても、まだ外はお日様が登ったばかりっぽい。起きるにはまだ早い時間だ。
 うーーーん!昨日もあんまり眠れなかったし、また寝ようかな?むにゃむにゃ……。


 ♢  ♢  ♢  ♢  ♢


「アクシア様……、アクシア様!起きてください!」
「むにゃ!」


 どれくらい眠ちゃったのだろうか?
 な、なにーー?エリック。なんの用?


「青龍様がっ!アクシア様の事を青龍様がお呼びです!」
「むにゃっ!?」


 青龍様って、四神獣の一頭?
 昨日話してたやつ?
 お眠な頭が一気に冴えていく。


「と、とにかく、その格好でも良いので、お越しください!」
「分かった!」


 今の俺の格好はママが買ってくれた、可愛い寅さん耳が付いたフードが付いたパジャマだ。正直、人前に出る用の格好ではないけど、貴族とはいえ、子供だから多めに見てくれるだろうし、大丈夫だよね。


 お外に出ると、沢山の兵士がいた。
 緊急事態っぽいから、我が家の私兵総動員っぽい。
 大きなお山も見える。綺麗な青いお山なんてあるんだな。流石異世界。


「アクシア様!通りまーーす!」


 俺を案内してくれるエリックが声をかけると、厳つい格好をした兵隊さん達が道をあけてくれる。エリックはまっすぐ小山の方へと歩いて行った。


「む?来たか」


 地響きのような大きな声が鳴り響く。


「ふぇ!?」


 びっくりしたー!怖くて思わず涙がちょっと出て来た。


「おお……、すまぬ。怖がらせたな。この姿ではどうもな……、ふむ、小型化するか」


 大きなお山さんは、そう言って、まばゆい光を出した。眩しっ!
 光が静まると、そこには青色の竜がいた。もしかして、さっきで山だと思っていたのは、青龍様?


「ふぁぁぁ!かっこいい!」


 真っ青な体は、うっすら体が発光していて、神々しいまでに美しい。目の前にいるドラゴンさんは小さいが、ドラゴンという名に相応しい異彩を放っている。


「うむ!そうだろうそうだろう!我も、毎日鱗をメンテナンスしているのでな」
「ほへーー!」


 そうなんだ!落ちた鱗とか、欲しいな!
 ドラゴンの体から落ちた素材を取るとか、一攫千金の夢だよね!


「ところで、早速本題に入りたいのだが?」
「うん!分かった!」


 青龍様が俺になんのようだろう?
 気になる!


「突然だが、我と旅に出ないか?」
「ふぇ!?」


 まさかのお誘い!ドラゴンさんと冒険!
 行きたい!めっちゃ行きたい!
 だけど、現実的に考えて、俺まだ2歳。
 急に素に戻る。


「どうだ?」
「うーーとね。もう少し大きくならないとだめかな?まだ、俺2歳だし」


 ようやく最近、ちょっと走れるようになったばかりなのだ。冒険者として、戦うなんて、まだ絶対無理。


「むむ。確かにそうだな。では、アクシア、もしお主が、7歳になった時、戦えるようになってから、冒険するのはどうだ?」
「それなら、行きたいかも!」


 今も魔法は初級魔法を全て使えるし、あと、5年もすれば、かなりの属性の中級魔法が扱える魔法使いになれるだろう。


「決まりだな。では、我はそれまでここで住み着くとしよう」
「えっ……、えーー!」


 周りのみんなもざわついている。
 青龍様はここに住み着くって、本当に言ってるのーー!?


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