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3.いくらなんでもギャップがあり過ぎです
3-6
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準備が終わり、俺はしずしずと椅子に腰を下ろした。
「いただきます!」
玖堂が、勢いよく手を合わせる。
そして、迷いなく和風ハンバーグに箸を伸ばした。
「美味しいーー!」
そう言って、ごはんをもりもりとかきこむ。相変わらず食べっぷりが良い。
「あの、味付け大丈夫……? もし味が薄かったら、追加で調味料を足すけど」
俺の問いに、玖堂は首を振る。
「ぜんぜん。ちょうど良いよ」
曇りなき眼だ。俺の良心が、ズキズキと痛む。
「……いじわるして、ごめん」
「いじわる?」
「玖堂は、濃い味が好きじゃん? それなのに今日は、あっさりな味にしたから」
「こんないじわるなら、毎日されてもいいけど」
トマトの塩昆布和えを口に運びながら、玖堂が微笑む。
思わず、胸がトゥンク……! となる。
か、かかか、かっこよーーー! 俺の彼氏って、中身までイケメンーーーー!
いや、気が早い。まだ彼氏じゃなかった。
俺は、ポットからグラスに麦茶を注いだ。そして、がぶ飲みする。
最後の一滴まで飲み干し、空になったグラスをダン! とテーブルに置く。
「く、玖堂……!」
勢いをつけたつもりだったのに、いざ口を開くと蚊の鳴くような声しか出なかった。
「どうしたの」
もぐもぐと咀嚼しながら、玖堂が俺のほうを見る。
「ほ、保健室でのことなんだけど……」
ごくっと飲み込んでから、玖堂が「あぁ」とうなずく。
「な、なんかさ。玖堂は、その、勘違いをしてたみたいだから。改めて説明しようと思って……!」
「勘違い?」
「そう! とりあえず、俺が青山の対して特別な感情を持ってるとか、そういうことは絶対にない! 褒められたいっていうのは、その、誰でも良いというか……。むしろ全人類から賞賛されたいというか。褒められると、安心するんだよ……」
気づいたら、俯いていた。
変なことを言っている自覚はあるから。
「だから、張り切って勉強とかしちゃうし、玖堂の目覚まし係も引き受けちゃうし」
「宮下が、委員長をやってるのはそのため? 褒められたいから?」
玖堂の声が聞こえて、ぱっと顔を上げた。
いつの間にか、玖堂は箸を置いていた。真剣な表情で俺のほうを見ている。
「……うん」
観念したように、俺は玖堂に打ち明けた。
俺が、褒められたい理由。
両親に構ってもらえなかったこと。周囲の人間が、兄ばかり可愛がっていたこと。
玖堂は、ずっと黙って聞いてくれていた。
「ほら、俺ってめちゃくちゃ地味じゃん? 黙ってたら空気じゃん? だから頑張ってるんだーー! 俺みたいなやつは、普通にしてたら注目されないんだよな~~! ちゃんとそこにいるのに、いないみたいな扱いされたらイヤじゃん?」
わざと茶化したように、明るく話をした。
頑張って笑顔を作ったけど、玖堂は一緒に笑ってはくれなかった。
そのことに安堵した。やっぱり、笑ってする話じゃなかった……。
「いただきます!」
玖堂が、勢いよく手を合わせる。
そして、迷いなく和風ハンバーグに箸を伸ばした。
「美味しいーー!」
そう言って、ごはんをもりもりとかきこむ。相変わらず食べっぷりが良い。
「あの、味付け大丈夫……? もし味が薄かったら、追加で調味料を足すけど」
俺の問いに、玖堂は首を振る。
「ぜんぜん。ちょうど良いよ」
曇りなき眼だ。俺の良心が、ズキズキと痛む。
「……いじわるして、ごめん」
「いじわる?」
「玖堂は、濃い味が好きじゃん? それなのに今日は、あっさりな味にしたから」
「こんないじわるなら、毎日されてもいいけど」
トマトの塩昆布和えを口に運びながら、玖堂が微笑む。
思わず、胸がトゥンク……! となる。
か、かかか、かっこよーーー! 俺の彼氏って、中身までイケメンーーーー!
いや、気が早い。まだ彼氏じゃなかった。
俺は、ポットからグラスに麦茶を注いだ。そして、がぶ飲みする。
最後の一滴まで飲み干し、空になったグラスをダン! とテーブルに置く。
「く、玖堂……!」
勢いをつけたつもりだったのに、いざ口を開くと蚊の鳴くような声しか出なかった。
「どうしたの」
もぐもぐと咀嚼しながら、玖堂が俺のほうを見る。
「ほ、保健室でのことなんだけど……」
ごくっと飲み込んでから、玖堂が「あぁ」とうなずく。
「な、なんかさ。玖堂は、その、勘違いをしてたみたいだから。改めて説明しようと思って……!」
「勘違い?」
「そう! とりあえず、俺が青山の対して特別な感情を持ってるとか、そういうことは絶対にない! 褒められたいっていうのは、その、誰でも良いというか……。むしろ全人類から賞賛されたいというか。褒められると、安心するんだよ……」
気づいたら、俯いていた。
変なことを言っている自覚はあるから。
「だから、張り切って勉強とかしちゃうし、玖堂の目覚まし係も引き受けちゃうし」
「宮下が、委員長をやってるのはそのため? 褒められたいから?」
玖堂の声が聞こえて、ぱっと顔を上げた。
いつの間にか、玖堂は箸を置いていた。真剣な表情で俺のほうを見ている。
「……うん」
観念したように、俺は玖堂に打ち明けた。
俺が、褒められたい理由。
両親に構ってもらえなかったこと。周囲の人間が、兄ばかり可愛がっていたこと。
玖堂は、ずっと黙って聞いてくれていた。
「ほら、俺ってめちゃくちゃ地味じゃん? 黙ってたら空気じゃん? だから頑張ってるんだーー! 俺みたいなやつは、普通にしてたら注目されないんだよな~~! ちゃんとそこにいるのに、いないみたいな扱いされたらイヤじゃん?」
わざと茶化したように、明るく話をした。
頑張って笑顔を作ったけど、玖堂は一緒に笑ってはくれなかった。
そのことに安堵した。やっぱり、笑ってする話じゃなかった……。
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