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10.お嬢様の婚約者は騎士様~ロビンside②
しおりを挟むウィンディア辺境伯爵家。
北方領地を支配する大貴族でもあり、代々王家の剣と言われた名家。
王家からの信頼も厚く、武官を輩出して来た一族。
それがウィンディア辺境伯爵家でした。
長男のルカーシュ様は最年少で文官長と呼ばれ外交官としても優秀でした。
次男のユーリ様は騎士団に所属されており、両陛下からも信頼され、王太子殿下の側近でもございました。
最年少で聖騎士の称号を与えられる程、智仁勇を併せ持つ優れた方でした。
貴族平民と分け隔てないお心を持ち、美しい容姿を持つお方です。
幼少の頃にアイリス様の婚約者に選ばれた当初は辺境伯爵子息の次男としか思われておりませんでしたが、12歳の頃に王太子殿下の側近として選ばれ、その後は騎士団に入りスピード出世を果たされました。
かと言って、修行に明け暮れお嬢様を蔑ろにはなさいませんでした。
誕生日に行事ごとや、お祝い事には必ず白い薔薇とお手紙に贈り物が届けられ、お嬢様は大変お喜びになっていました。
ですが、当初はその贈り物ですら奪われる事もあったのです。
傾国の美女として多くの男性を虜にしているイライザ様と、よく似た容姿のローズマリー様が自分宛ての贈り物だと言い出し、アイリス様から奪おうとしたのですが。
アイリス様へのプレゼントは必ず辺境伯爵家の従者がお持ちになっておりました。
大事なドレス等は執事や侍女、乳母の方がお持ちになるので奪うことはできませんし、皆さんとても優秀で、アイリス様を貶そうとすると笑顔で反撃なさいました。
胸がスカッとするようでした。
その時に紹介されたのがジャックでした。
彼はユーリ様の乳兄弟で、アイリス様が家族から蔑ろにされているのを察して一番信頼できる人材を派遣してくださったようです。
多忙なユーリ様は頻繁に会うのは難しいようですが、お二人の仲は良好だったのです。
貴族の婚約は利益の追求ですが、お二人は互いに思い合っておられました。
私はアイリス様がようやく幸せになれると安堵しました。
ですが、天は無情です。
アイリス様に再び試練を与え、ユーリ様を奪おうとなさいました。
きっかけは、イライザ様の婚約が破談になったのです。
その所為で精神的に病んでいるイライザ様を心配したアイリス様の為にユーリ様も協力してくださったのですが、何を勘違いしたのか、イライザ様がユーリ様に心を向けてしまわれました。
奥様はこの時から狙いを定めたのかもしれません。
将来有望で王太子殿下の側近で、聖騎士の称号を持つユーリ様を婿に迎えようと考えたのです。
普通に考えてありえません。
ユーリ様は聖騎士の称号をお持ちの方です。
そんな方に騎士を辞めろだなんて屈辱以外の何物でもないのに。
何よりウィンディア辺境伯爵家を侮辱する行為だと何故気づかないのでしょうか。
辺境伯爵家は侯爵家よりもずっと格上だと言うのに。
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