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28.真実の愛~イライザside
しおりを挟むそして卒業式の日。
私は大勢の前でルゴニス様に婚約破棄を突きつけられた。
「イライザ・ステンシル。この時を持って君との婚約破棄させてもらう!」
「なっ…何を」
「私は真実の愛を見つけた。君との婚約を破棄する」
お祝いの席で私に告げたのは屈辱的な言葉でしかなかった。
誰もが今夜のパーティーで私達を祝おうとしていたのに隣にいるのはあの忌まわしい女だった。
「何をおっしゃっているのか解ってますの?」
「ああ」
「私と婚約破棄をする意味を解っていますの?」
こんな大勢の前で婚約破棄をすればルゴニス様の立場は危ぶまれる。
「私はどんな裁きを受けようとも構わない、愛に生きる。例え何を失っても大切な人を守ると決めた」
「ルゴニス様!」
目障りなあの女がルゴニス様に駆け寄る。
ありえない!
「許して欲しい。こんな俺を」
「いいえ…いいえ!」
まるで私が合妬く役だとでもいいたげで、同情の視線を向ける者。
面白がる者と色々だったが、私の晴れ舞台は最悪な形で終わり、それから数日後に婚約解消が成立した。
「どうして…何故!」
「落ち着かないかイライザ」
「何故私が…」
王族側からは謝罪の手紙と婚約を一方的に解消したので慰謝料が支払われも、私のプライドは深く傷つけられた。
「ルゴニス様は、廃嫡となり、謹慎となった後に王都から追放されるそうだ」
「なんて馬鹿な事を。侯爵の座を捨ててこのような」
本来ならばしばらくの謹慎処分で済むはずが、王家は今回の事を深く詫びてくれて慰謝料とできるだけ私に傷がつかないようにしてくれたらしいけど、こんなの慰めにならない。
聞けば、ルゴニス様は追放の身となったけど、あの女と一緒だとか。
王族の後ろ盾を失いながらも二人は共に辺境地で生きることが許されたことで、社交界では身分も地位も捨てて真実の愛を貫いたと噂が流れ私は傷物令嬢になった。
その後もお父様が新しい婚約者候補を探してくれたが、王子妃になるはずの私が伯爵以下の殿方を夫にするなんてプライドが許さない。
そんな中、アイリスと婚約者のユーリ様は頻繁にお見舞いに来ては外に連れ出してくれるようになった。
一時期引きこもりがちな私に頻繁に心のこもった花束を送られ次第に私はユーリ様に惹かれるようになった。
ユーリ様も私に心を預けてくださるようになり。
「イライザ、ルゴニス様との事は残念だけど。ユーリ様はどうかしら?」
「え?」
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「そうよ!ユーリ様だってお姉様が慕っているはずよ。あの人には相応しくないわ!」
この言葉に私は救われるようだった。
そうだわ。
アイリスは優しいから喜んで受け入れるの違いないわ。
私がこんなに苦しんでいるんだからこれぐらいの願いを聞き入れて当然よね?今まで庇ってあげていたんだから。
そう思っていたのに。
何故?
婚約式に私は婚約破棄を言い渡され、ユーリ様は全てを捨てアイリスと生きて行くと宣言した。
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