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第三章集う光の使者
6すれ違い
しおりを挟む何一つとして知らなかったし、知ろうともしなかった。
厳格な祖父の背中を見ることしなかったが、よく考えればあの時。
運よくあの森に行くことができたのは出来過ぎている。
「私は…なんて思い違いを」
「泣くんじゃないよ。こんな馬鹿なやり方しかできないアイツが悪い」
「エリー、お前もいい加減許してやれ」
「フンッ」
口では悪く言っても一番オルフェスを理解しているエリーは不機嫌だった。
(お前は昔から解り辛いんだ…)
言葉にしなくても解ってもらうなんて無理な話だ。
「オンディーヌ、君のお祖父様は男の中の男だ」
「レオ…」
「自分が悪になる事を選んだのだろう。恐らく君にも会う気はない、その覚悟を持って貴族籍を除籍したのだろう」
「でも…私は」
何も知らずに勘違いし続けた事が悔しかった。
何もかも捨てて家族を守ったオルフェスの覚悟は相当な物だった。
「なたば会えばいい」
「「「え?」」」
オンディーヌだけでなくその場にいる全員が耳を疑う。
「すべてを解決してお祖父様を我が国に迎えようじゃないか。そうすればいい。うん、そうしよう」
「いや、アンタは馬鹿なのかい」
「レグルスお兄様、外交的問題が…」
相手は元侯爵であり国王陛下のご意見番でもあった人物だったが。
「優秀な方なのだろう?ならば兄上は歓迎するだろうし…問題ない」
「アンタの頭をどうなってんだい!馬鹿だろ」
「ああ、僕は頭が悪い」
「開き直ってんじゃないよ!」
胸を張って言う事ではないが、オンディーヌの心は救われた。
(そうよ…終わりじゃない)
まだ間に合うかもしれない。
オルフェスと話し合う事もできる。
生きていれば必ず。
「ありがとうございますレオ」
「ん?」
アンジェリークやジルフォードならまず考えられない事だった。
この国の王族や貴族では常識にとらわれ過ぎているが、既に権力と関係ないレグルスだから言える事なのだった。
「レグルスお兄様、本当に自由ですわね。その前に神殿を見つけなくてはならないのですからね」
「大丈夫だろ?聖女、セイレーンの末裔、ローレライの末裔と勇者がいてできないなら、他の誰にも無理だ」
「そうですが…」
ある意味では的を得ていた。
「何としても成功させよう。僕もオルフエス殿に会ってみたい」
「はい!」
オンディーヌは決意を新たにし、旅支度が整い神殿に向かう事になるのだった。
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