【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!

ユウ

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36.帰国

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行と同じ船で帰国すると思っていたら。


「すごい」

「はははっ、飛行船に乗るのは初めてか」


船に乗るのも初めてだったが、空の船を乗るのも初めてだった。


「すごいです。私は空を飛ぶのは初めでです」

「そうか、そうか。本当は竜馬か竜翼と行きたいが、大混乱になるからな」


先帝陛下は竜騎士でもあるのね。
どんなに優れた騎士でも難しいとも言われているのに流石だわ。


「既に飛行船で派手に行く時点で問題なのですが」

「心配ない。飛行船は陸に降りないぞ」

「「は?」」


着地しない?
どうやって空から降りるのかしら?


「何の為にチャッピーを同行させたと思っている?」

「まさか」


「そのまさかだ。チャッピーの背に乗り、そのまま隠密で陸に降りる」


かなり派手ね。
ある意味飛行船で着地するよりも大げさになる気がするのだけど。




「次から次へと」

「もう、今から胃薬と頭痛薬を飲んでいた方が良いかもしれん」


「俺もください」


二人は胃を押さえながらも何処から取り出したのか薬袋を取り出し服用していた。



そして二時間後。




私達はチャッピーの背に乗ってアルデンテ侯爵家に到着した。



「なんというか…まぁ」

「すごいな」

「私も心臓が止まるかと思いましたわ」


思いのほかお父様とリィナは冷静だった。
驚きはしていたようだが、もっと狼狽えると思ったのだが。


「先帝陛下、この度はようこそおこしくださいました。狭い邸ではありますがどうかごゆるりと」

「すまんな、世話になるぞ」

「伯父上…」


お父様は第二騎士団の団長でもある事から先帝陛下と直接会う事もあり言葉を交わしたことは数回であるがあったようで、破天荒な行動をしてもそこまで驚かなかったとか。


「良い邸だ。品の良い美術品に絵画。馬も見せて貰ったが素晴らしい」

「ありがとうございます」

「王宮で過ごすよりもここで過ごす方が居心地が良い。しばらく世話になるぞ」

「はい、どうかお好きにお過ごしください」


元からお父様は寛大な人だった事もあるけど、何も言わずに私を匿い。
今回の件もできるかぎり私を守ると言ってくださったこともありリィナを始め侯爵家の使用人は先帝陛下に感謝を延べできる限りの歓迎を行った。



「よい邸じゃな」


「そうですね。居心地が良い」


シーゲル様も気に入ってくださり安堵する。
明日には王宮に挨拶に向かわなくてはならないので今日だけはゆっくり過ごそうと思っていた私はふと彼女の事が気になった。



ロゼッタさんはどうしているのだろうか。


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