【完結】真実の愛に目覚めたと婚約解消になったので私は永遠の愛に生きることにします!

ユウ

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65.完璧だった計画~エドガーside

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計画通りすべて上手くいくはずだった。
なのに、全ての計画を台無しにしたのはあの男の出現からだった。


私は幼少期に王都からそこまで離れていない伯爵家に生まれた。
王弟殿下の親族でもあり、幼少期の頃からティエゴ様の側近として仕えていた。


あの方と私が出会ったのは、ティエゴ様の側近として迎えられて直ぐだった。


とてもお美しい方だった。
白磁のような美しい肌に絹のように美しい髪に、女神のような美しさを持ちながらも凛とした佇まいに思わず目を奪われた。



アリスティア・アルデンテ侯爵令嬢。


王侯貴族の中でも高貴な身分で王族に嫁ぐには申し分なかった。

しかし、彼女はには兄弟がいない。
その為、彼女が嫁いだ後にはアルデンテ侯爵家は跡継ぎがいない。

その為第二子が姫君であった場合はアルデンテ侯爵家に養子にするという話も出ていた。


なんとお可哀想だと思った。
高貴な生まれでありながらも、政略結婚をしなくてはならず。

お体の弱いティエゴ様を支えるべく苦労なさっていた彼女を私ならば支えて差し上げられるのにと思うようになった。


例え王太子妃となっても寵妃によりその座は奪われる。
陛下が他国の血筋の低い妾を愛していたように、彼女も哀れな人生を送るのだろう。


そんな時だった。


王弟殿下よりある話を持ち掛けられた。


「エドガーよ。そなたはアルデンテ侯爵令嬢を好いているのではないか」

「そっ、そのような…」

「隠さなくともよい。そなたはティエゴ殿下の側近だ。それに血筋が良すぎる令嬢を王妃に据え置くのは危険も伴う。しかし後ろ盾はどうしても必要だ」

「それは…」

「故に殿下の腹心の側近の妻であれば問題はないはずだ」

「え…」


この時、私の中である欲望が芽生えた。


アリスティア様を私の妻に。


あの美しい方が私の物に。


私に膝まづくと言うのか。


「アルデンテ侯爵家には跡継ぎはおらぬ。しかしそなたが婿となればそなたは侯爵の座に就き、今後も殿下を長さえする事ができよう」

「はっ…はい」


「聞けば殿下とアリスティア嬢はあくまで友人の関係でしかない。聞けば最近は下町の娘に夢中と聞くではないか」


お忍びに立ち寄った町にある教会で出会ったロゼッタという娘だ。

その娘にティエゴ様はご執心だったが、所詮は遊びだ。
気に留める事もないと止めようともしないし、少しすれば熱も冷めるし、他の貴族に匂わせていたから適当に始末できると思っていた。


だが…。


「その娘を新たな妃に迎えればよい。そうすれば円満に事を進められよう」

「かしこまりました」


王弟殿下の意図を察した私は、計画を実行した。


元よりティエゴ様とあの娘との関係が激しくなればアリスティア嬢は傷心して私を見てくださるのではないか。

あわよくば弱った時を狙い慰め手中に収めたいと言う欲望もあったのだ。


だがこれは好機だとも思った。


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