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第一章婚約破棄と白のグリモワール
15成績と昇格
しおりを挟む魔法学園は特殊な制度がある。
身分関係なく、学園に在籍する間に良い成績や、相応しい振る舞いをすれは評価される。
その証に星と呼ばれる校章が与えられる。
星の数で優秀かどうか解り。
星が黄金であればある程優れているが。
相応しくない行動や、試験の成績が悪いと星が灰色になり消えていく。
中でも優れた生徒は制服が違う。
通常は一般科と特別科に別れるが、その上が存在する。
それが特待生だった。
一般科にも特待生はいるが特別科の特待生とはかなりの差があるのだ。
特待生の女子生徒は赤いスカーフで男子生徒は青となっている。
制服も一般科は普通の紺色のブレザーだが、特別科は白いブレザーで特待生はブレザーの生地が異なっている。
特待生は憧れだった。
メアリは魔力はそれ程高くないが治癒師としての能力が高く正式も優秀だった。
今日は中間試験の結果発表だった。
メアリは一年休学していたので夏休みに試験を受けたのだが――。
――以下の者を特別科とする。
試験の結果によりクラスが上になるのだが、その人物は。
ミカエル・エレンデール
リーシア・エレンデール
ギーゼラ・パーランド
メアリ・バルセルク
ユリウス・アルフリード
「嘘でしょ!何であいつが…」
「戦場で貢献したからって…ユーフィリア様の代わりに出たからでしょ?」
「本当ならユーフィリア様が特別科のはずだったのに!」
この結果に不満を持つ者が多かった。
そこに現れたのは魔術を担当するカープ・ジギンスが現れる。
「先生!これはどういうことですか!」
「そうです。他の方ともかく何故…」
誰もが納得できなかった。
休学していたメアリが何故特別科にと詰め寄る。
「夏休みに受けた試験と彼女が戦場で貢献した評価です」
「だけど!」
「これは正当な評価です。学科の試験…特に医療、薬学の専門分野に関しては文句のつけようがありません。そして薬学の論文も独創的ですが評価に値します」
「そんな…」
「教科書通りの回答ではありませんでしたし。彼女が同行した騎士達だけが無傷でした」
戦場では同行する治癒師の腕で生死が変わる。
メアリが同行した部隊は皆無傷で帰還したのだったが…
「それはたまたまです」
「たまたま?運だけで戦場を生き残れると?貴方達は戦場を舐めているのですか」
「えっ…それは」
カープは静かに怒りを見せる。
「魔術師としてあるまじき考えですね」
「先生!」
「失礼します」
失言をした生徒はその場に立ち尽くした。
余談であるが戦場を舐めていたその生徒は落第点を取り、星を一つ失ったのだった。
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