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第二章魔導士の条件
1最古の魔導士
しおりを挟む――魔導士。
それは魔法を使う魔術師や魔法使いの最高位に与えられる。
魔術師は多く存在しても魔導士の数は少ない。
特に最古の魔導士と呼ばれたのが白魔導士だった。
治癒師の中でも最高位とされていたが、現在では黒魔魔導士が重宝される理由は、戦闘能力が高いからだった。
ただし、激しい戦闘の中では結界と治癒魔法は重要だった。
傷ついた仲間を癒し、攻撃から身を守る事に特化した魔法は限られた者のみしか習得できない。
特に精霊と心を通わせるのは限られた魔導師のみだった。
「――つまり、白魔導士の存在は力のみならずという事になります」
授業で教師が白魔導士について語る。
「通常、治癒師は癒しの魔法を使いますが、初代白の大魔導師様。猊下は治癒と同時に強い結界魔法を同時に使いながら戦闘時は民を守りながら仲間の支援をしたと言われています」
教師の説明を聞きながら生徒は半信半疑だった。
「いくら何でも普通無理じゃない」
「伝説になっているから信憑性に欠けるな」
真面目に授業を聞きながらも現実的にありえないと思うのが大半だった。
しかしそのありえないで出来事を目の当たりにした人物がいる。
「やはりね…」
「姫様」
「解っていましてよ。他言無用ですものね」
リーシアとギーゼラはその力を目の当たりにしているので作り話とは思わなかったが。
「まぁ、多少は盛られているだろうな」
「ユリウス」
「光魔法と言ってもそこまでできるか。現実的じゃない」
現実主義のユリウスは他の生徒と同じ反応だったのだが、彼は後に自分の現実主義をぶち壊されることになる。
「とりあえず…って、何しているんだお前は」
「え?初代の白魔導士様はどうしてこんな長ったらしい恰好をしていたのかと思って」
一人頭を抱えて唸っているメアリが気になり尋ねると、頓珍漢な事を考えていた。
「それに前から思ったんですけど」
「何だよ」
「冒険家の女性騎士は何で露出度が高いんですかね」
「は?」
「だって、鎧で隠すべき所を隠していないし。足を出し過ぎな気がするんですよね」
教科書に描かれている女性騎士や弓使い服装を指さす。
さっきからやたらと真剣に考えていると思えば、呆れるユリウスだった。
(本当に彼女が白のグリモワールの継承者なのか?)
あの時は頼もしく感じたが、私生活は随分と楽天的というかのんびりしているように思った。
(それにしてもだ)
ユリウスはメアリを見てため息をつく。
このクラスにあの噂を信じる者はいないが、未だにメアリを良く思わない生徒は少なからず存在する。
「おお…何でも入るポシェット…コッペパンが入るかも」
「あのなぁー」
メアリはどう考えてもお気楽すぎた。
無関係出るユリウスは心配する程だったのでまたため息をつくことになった。
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