白のグリモワールの後継者~婚約者と親友が恋仲になりましたので身を引きます。今さら復縁を望まれても困ります!

ユウ

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番外編

お転婆王女と苦労人皇子①

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全ての問題が片付き、新たな教皇猊下の誕生祭を行った後に結婚式が行われた。


ミカエルとメアリの結婚式は盛大に執り行われたがその裏で暗躍していた人物がいた。


「最高の出来栄えですわ!」

「部屋で叫ぶな。見っとも無い」


「あら?そんなことを言っていていいのかしら?姉君にご報告しますわよ」


「姉上を出すんじゃない!」


胃を押さえるユリウスはここ数日何度も胃薬を手に握っていた。


「結婚式のパネルは最高の出来栄えですわ。奮発して良かったですわ」

「おい、これを飾るのか」


「当然ですわ、来年にはメアリ様の像を作り、その後には新しい物語を書かせなくては。題して白の魔導士様シリーズですわ!」

「んなもんに労力を使うなら他にやることがあるだろ!」


ミカエルとメアリの結婚式では多くの記者を招き国一番のカメラマンを呼びその写真は全てリーシアの手元にある。


もはや病的な程だと思われても仕方ないのだが。


「お前、何でそんなに白の大魔導師に拘るんだよ」

「男性で比較的自由に過ごせる貴方には解りませんわ。王女というのはどれだけ残酷なのか。塔に閉じ込められたお姫様ですわ。鳥籠に捕らえられた哀れな鳥ですのよ」


「何所がだよ。お前は自由だっただろうが。公爵令嬢の時も王女になってからも」


ユリウスは国王が倒れ王弟殿下が王の代理を務める前のリーシアの生活ぶりを知っていた。


公爵令嬢の時も令嬢に有るまじき行動を取っていたが、今もそう変わらない。
多少の不自由はあったが。



「解ってませんわね。王女と公爵令嬢では重さが違いますのよ?その所為で私の長年の希望は叶わなかったんです」

「希望と言う名の野望だろうが」

「失礼な、白の大魔導師様を探す旅に出る希望を断たれましたのよ」


「メアリは自分から来ただろうが」


「そうですわ。まさか白の大魔導師様自ら私の前に来てくださるなんて。やっぱり運命ですわ」


「いや偶然だろ」


すっかり自分の世界に入り運命の日を思い出しながら悦に浸るリーシアは誰にも留められなかった。


「つーか、気になったんだが」

「何ですの?今忙しいのですが」


手でしっしっをするリーシアに怒りを覚える事はない。

今さらなのだから。


「お前の執着は接着剤よりもキツイぜ」

「まぁ、接着剤ですって?そんなちゃっちいのと一緒にしないでくださる?」

「否定しろよ」


そこは否定して欲しくもあるが、リーシアは写真をから手を放しながら紅茶を飲みながらつげた。


「いいでしょう。私の素敵なエピソードをお教えてさしあげるわ」

「いや、簡単でいい」

「あれはまだか弱かった三歳の頃ですわ!」


「いや、そこまで聞いてねぇよ!」


ユリウスが止めるもリーシアは語り始めた。

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