巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!

ユウ

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62私の答え

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学園での騒動はしばらく続きそうな雰囲気だったけど、一か月もすれば収まるとアンリエット様から聞かされた。


婚約破棄をした男子生徒は既に両親から勘当されていたり、追放の身になっていた。
本人達が当初、望んでいた自由を手に入れたが、意中の相手と添い遂げる事はできなかった事が噂で流れていた。


「当然よ」

「シアン…」

「特に加害者の親は被害者の親に慰謝料を支払うだけでなく、矜持を傷つけたのだから」


長年尽くしてくれた婚約者を裏切った事実は消える事はない。
学校を辞めても社交界ので噂が残るけど、一番気の毒なのは家族なのかもしれない。

当人達は平民になったり、追放になってはい終わりだけど。
家族や兄弟は貴族として生きていくのに一生後ろ指をさされて社交界で冷遇されて行くのだから。


「ああ、それから元公爵令嬢だけど」


「シアン…」


「元公爵家は終わったわ。まぁ当然よね」

風の噂では彼女は修道院に入ることになったと聞くけど、その後の事は聞かされていない。


「今回の事件に介入していなくとも取り巻きを止められるの止めなかった事で責任を追及されたのだから打倒ね?運が良かったら王都の修道院に行けるでしょうけど」

「そっちの方が酷だわ」


地方の方ならばまだマシだけど、王都であれば何年過ぎても噂が消える事おはない。
慈善活動もしていたので余計に辛いかもしれない。


「辺境地の修道院に行かせたのは殿下の優しさよ」

「そうね…」


本来の筋書きとは異なったけど、悪役令嬢として生きた彼女が幸せになれる日が来て欲しい。



「ただ、対応に困っているのは取り巻きの連中よ」

「え?」

「処罰するにも、本人達とその親達が被害者だと訴えていてね」


シアンの話曰く、魔力を暴走させた女子生徒や、ナターシャ様と対立していた女子生徒やその母親が被害者だと訴え出した事で大騒ぎになっていたそうだ。


「被害者である貴女に決定権を与えたいと陛下と王妃陛下が望まれているわ」


「私に?」

「ええ、この後学園長の元に呼ばれているわ」


私の中で答えは決まっている。


だから悩む必要はないのだから。

――私の答えは。


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