11 / 18
11.王太子妃の狂気②
しおりを挟む
「どうしたんだ、マリー?何がおかしい」
王太子は妻の異変を感じ労わるように声を掛けてくるが、私の笑い声は止まらない。
「あっはははは!だって王太子様も宰相も重鎮達もおかしなことを言うから、クックック」
「いったい何がおかしいというんだ?」
私は彼らが知らない事実を親切にも教えてあげることにした。別に今までも隠していたわけではない、ただ言う必要もないと思って黙っていただけだ。
「だって子供が生まれる可能性なんて有り得ないのに。ふふふ、私が子を身籠る可能性はないのよ。一年前に強力な避妊薬を服用したせいで、身体がボロボロになりもう子は持てないと診断を受けております。だから子供なんて、ふふふ、どう頑張っても出来ないわ。あっはははは~♪」
私は話しながらも笑いを止めることなんて出来なかった。私の話を聞き、驚愕の表情をする人々に胸がすく思いだった。特に、驚いている王太子と宰相の顔は最高だった。いつも優しい王太子と冷静な宰相、この二人のこんな表情は見たことはない。
「どういうことだ!避妊薬なんてなぜ飲んだ!」
王太子は顔を真っ赤にして、叫ぶように聞いてきた。その声は悲痛そのものだったが、私には彼が何を悲しんでいるのか分からない…。
「私は立派な王太子妃として生きているの。
夫の癒しを邪魔せず、公務を完璧にこなす。
そして早急に夫の癒しを側妃に迎えて世継ぎを誕生させる。王太子様だって、愛していない王太子妃が産んだ子より、愛する側妃が産んだ子のほうが愛せるでしょう?子供は両親に愛されたほうが幸せだもの。だから私は薬を飲んだのよ、ふふふ。
これですべて完璧な王太子妃になれたわ。あはははは♪」
周りは私を見て口々に何か叫んでいるが、何も聞こえない。自分の笑い声しか聞こえないし聞きたくない。
---わ・た・し、完璧でしょう…?
最高の気分だわ、だってみんなが望む王太子妃になれているでしょう?
みんな満足してるわよね、
あっははははは、ふっふふふふふ………。
みんなが笑い続ける私を見ている。
宰相は動揺し『マリアンヌ!』と叫んでいるように聞こえるが、これは現実かしら?だって宰相は王太子妃である私を呼び捨てにしてはいけないはずよ。だから私は宰相に親切に教えてあげた。
「私に父はいないのよ、あはははっ」
王太子は私の両肩を痛いほど強く掴んで『マリーしっかりしてくれ!』と揺さぶってくる。
---肩が痛いわ、やめて欲しい。
いつも私に優しく嘘を吐いているのだから、今日も同じにしてれば良いのに。そうしたら私もいつも通り演じ返してあげる。
「王太子様、今日はどうされたのですか?」
ねえ、立派な王太子妃でしょう?
これをあなた達は望んでいたのよね?
クックック、あははははーー。
私、王太子を幸せにしてあげたわ…きっと。
私は今、最高の気分だ。自分が壊れているのか演じているのかよく分からないけど、このままでいたいのだけは確かだ。
王太子は妻の異変を感じ労わるように声を掛けてくるが、私の笑い声は止まらない。
「あっはははは!だって王太子様も宰相も重鎮達もおかしなことを言うから、クックック」
「いったい何がおかしいというんだ?」
私は彼らが知らない事実を親切にも教えてあげることにした。別に今までも隠していたわけではない、ただ言う必要もないと思って黙っていただけだ。
「だって子供が生まれる可能性なんて有り得ないのに。ふふふ、私が子を身籠る可能性はないのよ。一年前に強力な避妊薬を服用したせいで、身体がボロボロになりもう子は持てないと診断を受けております。だから子供なんて、ふふふ、どう頑張っても出来ないわ。あっはははは~♪」
私は話しながらも笑いを止めることなんて出来なかった。私の話を聞き、驚愕の表情をする人々に胸がすく思いだった。特に、驚いている王太子と宰相の顔は最高だった。いつも優しい王太子と冷静な宰相、この二人のこんな表情は見たことはない。
「どういうことだ!避妊薬なんてなぜ飲んだ!」
王太子は顔を真っ赤にして、叫ぶように聞いてきた。その声は悲痛そのものだったが、私には彼が何を悲しんでいるのか分からない…。
「私は立派な王太子妃として生きているの。
夫の癒しを邪魔せず、公務を完璧にこなす。
そして早急に夫の癒しを側妃に迎えて世継ぎを誕生させる。王太子様だって、愛していない王太子妃が産んだ子より、愛する側妃が産んだ子のほうが愛せるでしょう?子供は両親に愛されたほうが幸せだもの。だから私は薬を飲んだのよ、ふふふ。
これですべて完璧な王太子妃になれたわ。あはははは♪」
周りは私を見て口々に何か叫んでいるが、何も聞こえない。自分の笑い声しか聞こえないし聞きたくない。
---わ・た・し、完璧でしょう…?
最高の気分だわ、だってみんなが望む王太子妃になれているでしょう?
みんな満足してるわよね、
あっははははは、ふっふふふふふ………。
みんなが笑い続ける私を見ている。
宰相は動揺し『マリアンヌ!』と叫んでいるように聞こえるが、これは現実かしら?だって宰相は王太子妃である私を呼び捨てにしてはいけないはずよ。だから私は宰相に親切に教えてあげた。
「私に父はいないのよ、あはははっ」
王太子は私の両肩を痛いほど強く掴んで『マリーしっかりしてくれ!』と揺さぶってくる。
---肩が痛いわ、やめて欲しい。
いつも私に優しく嘘を吐いているのだから、今日も同じにしてれば良いのに。そうしたら私もいつも通り演じ返してあげる。
「王太子様、今日はどうされたのですか?」
ねえ、立派な王太子妃でしょう?
これをあなた達は望んでいたのよね?
クックック、あははははーー。
私、王太子を幸せにしてあげたわ…きっと。
私は今、最高の気分だ。自分が壊れているのか演じているのかよく分からないけど、このままでいたいのだけは確かだ。
829
あなたにおすすめの小説
貴方が側妃を望んだのです
cyaru
恋愛
「君はそれでいいのか」王太子ハロルドは言った。
「えぇ。勿論ですわ」婚約者の公爵令嬢フランセアは答えた。
誠の愛に気がついたと言われたフランセアは微笑んで答えた。
※2022年6月12日。一部書き足しました。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
史実などに基づいたものではない事をご理解ください。
※話の都合上、残酷な描写がありますがそれがざまぁなのかは受け取り方は人それぞれです。
表現的にどうかと思う回は冒頭に注意喚起を書き込むようにしますが有無は作者の判断です。
※更新していくうえでタグは幾つか増えます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
【完結】そんなに好きなら、そっちへ行けば?
雨雲レーダー
恋愛
侯爵令嬢クラリスは、王太子ユリウスから一方的に婚約破棄を告げられる。
理由は、平民の美少女リナリアに心を奪われたから。
クラリスはただ微笑み、こう返す。
「そんなに好きなら、そっちへ行けば?」
そうして物語は終わる……はずだった。
けれど、ここからすべてが狂い始める。
*完結まで予約投稿済みです。
*1日3回更新(7時・12時・18時)
身代わりの恋だと思っていました〜記憶を失った私に、元婚約者が泣いて縋る理由〜
恋せよ恋
恋愛
「君を愛している。一目惚れだったんだ」
18歳の伯爵令嬢エリカは、9歳年上のリヒャルト伯爵から
情熱的な求婚を受け、幸せの絶頂にいた。
しかし、親族顔合わせの席で運命が狂い出す。
彼の視線の先にいたのは、エリカの伯母であり、
彼の学生時代の恋人で「初めての女性」だった……ミレイユ。
「あの子は私の身代わりでしょう」「私はあなただけなの」
伯母ミレイユの甘い誘惑と、裏切りの密会。
衝撃の事実を目撃したエリカは、階段から転落し、
彼と過ごした愛しくも残酷な二年間の記憶だけを失ってしまう。
「……あの、どちら様でしょうか?」
無垢な瞳で問いかけるエリカに、絶望し泣き崩れるリヒャルト。
裏切った男と、略奪を企てた伯母。
二人に待ち受けるのは、甘い報復と取り返しのつかない後悔だった。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
花嫁に「君を愛することはできない」と伝えた結果
藍田ひびき
恋愛
「アンジェリカ、君を愛することはできない」
結婚式の後、侯爵家の騎士のレナード・フォーブズは妻へそう告げた。彼は主君の娘、キャロライン・リンスコット侯爵令嬢を愛していたのだ。
アンジェリカの言葉には耳を貸さず、キャロラインへの『真実の愛』を貫こうとするレナードだったが――。
※ 他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる