57 / 57
【おまけの話】膝枕
しおりを挟む
今日は我が家に親しい友人達を招いてお茶会を開いていた。
小さい頃からの友人達なのでお互いに必要以上の気遣いなしで楽しくお喋りを楽しんでいる。
みな既婚者なので自然と話題は結婚生活についてが中心となってくる。
その流れから『膝枕』について一人が熱く語り出した。
「やっぱり膝枕はいいわよね。別に変なことをしている訳ではないけれど、なんか胸が高鳴ってくるわ。
私の膝に頭を乗せている旦那様がいつも以上に素敵に見えるのに、なんか可愛く思えるのよ。不思議でしょう?彼も『君に癒やされているよ』て喜んでくれるし、お手軽かつ愛が深まってこんなに良いことはないわ」
照れながらもその表情は嬉しさを隠しきれていない。聞いているこちらまで、なんだか照れてしまうほど。
「みんなもしているのかしら…?」
思わず他の友人達に訊ねてみた。
私はヒューイと一度も膝枕をしたことはなかった。
知識としては知っていたけれでも、『しましょう』といつ言うのが正しいの分からなかったし、何より恥ずかしくて自分からは言い出せなかった。
それに彼もそのことについて触れたことはない。
だからそれが普通だと思っていたのだ、先程の話を聞くまでは…。
「いつもではないけれど、…たまにするわ。私が座っていると夫が膝に頭を乗せてくるの。特に何も言わないけれど、凄く満足そうな顔をしているから私も甘えられているようで嬉しいわ」
そう言っているのは強面で筋肉隆々の身体を持つ騎士団長を夫に持つ華奢な友人だった。
えっ、想像出来ないわ。
あの騎士団長様が甘えているの…。
膝枕に体格差や男らしさは関係ないことを知る。
続いて年下の幼馴染と結婚したちょっと気が強いと言われているしっかり者の友人が口を開く。
「私も普段はしないけれども、夫婦喧嘩のあとにしたりするわ。そうするとすぐに仲直りが出来るから、うふふ」
どうやら膝枕には年齢も関係ないらしい。
みんなが嬉しそうに話しているのを聞いて興味が湧いてくる。
「私もしてみたいわ…」
思わずそう呟いてしまう。
それを聞いた友人達は『大丈夫、喜ばれるから。自分からお願いしてみるといいわ』と口々に勧めてくる。
お茶会が終わる頃には膝枕をやってみたいと思うようになっていた。
大丈夫かしら、嫌だって言われたら…。
でも一度くらいしてみたいな。
私は勇気を出してヒューイにお願いしてみることにした。
逸る気持ちを押さえきれず、長椅子にはクッションを並べ肌触りの良い膝掛けも用意する。
彼が私の膝に頭を乗せ寛いでいる姿を想像する。
足りないものはなにもないはず、準備は完璧だった。
あとは彼が帰ってきたらお願いするだけ。
彼は予定通りの時間に帰ってきたので、いつものように玄関で彼を出迎える。
「ヒューイ、お帰りなさい。今日もお仕事お疲れさま」
「ただいま、マリア。変わりはなかったかい?」
彼は私の頬に口付けを落としながらいつもの台詞を口にする。
お願いを今言うべきかどうか迷っていると、なにかあると察した彼が私の顔を覗き込みながら訊ねてくる。
「マリア、なにか変わったがあったのか?
それとも体調が優れないとか…?」
彼が私を心配しているのが伝わってくる。
彼はもともと気遣いを忘れない人だけれども、最近はそれに拍車が掛かっている。
大丈夫なのに、心配し過ぎだわ。
私は彼の不安を取り除く為にも今、お願いをすることにした。
「大丈夫、健康そのものよ。ただね、お願いがあるの。今日、友人達と話していたら、仲睦まじい夫婦はみな膝枕をしているみたいなの。私も一度くらいしてみたいなって思って…」
「そんなことならお安い御用だ。こっちに来てごらん、さあここに座って」
彼は快諾してくれ、私が用意していた長椅子に一緒に座る。そして念願の膝枕をしながらヒューイが優しい声音で訊ねてくる。
「ちょっと硬くて済まない。
マリア、痛くないか?楽しいかい?」
彼が言う通り鍛えられた彼の太腿は硬いけど、痛くはない。楽しいかと聞かれたら…彼と一緒だからもちろん楽しいとは思う。
でも私が求めていたものとは決定的な違いがあった。
「…これは確かに膝枕だけど、これじゃないの。
私がやってみたかった膝枕は逆なの。
私の膝の上にヒューイが頭を乗せて寛いでもらいたかったのよ!」
思わず大きな声で彼に訴える。
なぜか彼の引き締まった太腿の上に私が頭を乗せ、彼が優しく髪を撫でてくれている。これも素敵だけれども、妻としては彼に寛いでもらいたい、癒やしてあげたいのだ。
起き上がってやり直そうとしたけれど、彼から止められる。
「それは駄目だ。マリアの願いでも聞けない」
彼は真剣な表情で私のお願いをきっぱりと拒む。
そして膝枕をされたままの私にそっと手を伸ばし、その大きな手で慈しむように私のお腹をそっと撫でる。
「ちょっとでも今は駄目だ。俺の身体は大きくて重いからお腹の子もびっくりしてしまう」
膝枕でお腹の子がびっくりすることはないと思うけれども、彼は身籠っている私のことが心配でならないようだ。
大きなお腹を撫でている彼の手に自分の手を重ねて、お腹の子に話し掛ける。
「ふふふ、本当にお父様は心配性ね」
「……愛する妻と子を心配するの夫として父として当然だ。なあ、お前もそう思うだろ?」
彼は大きな身体を窮屈そうに折り曲げて私のお腹に顔を近づけ、とても優しく話し掛ける。
するとお腹の子が元気よく蹴ってくる。まるで父である彼に同意するかのように。
私達はお互いに顔を見合わせ笑う。
「本当にお利口な子だわ。それにやんちゃなのかしら、いつも強く蹴ってくれるから」
出産予定日まではあと二ヶ月ほど。今のところ何も問題なく過ごせている。
どうかこのまま順調にと願わない日はない。
「この子は元気な子だ。大丈夫、あと少しで生まれてくる。元気な天使をこの腕に抱く日はすぐに来る」
力強い彼の言葉で私の不安は薄らいでいく。
二人で大きくなったお腹を優しく撫でながらお腹の子に話し掛ける。
「元気に生まれてきてね。
待っているわ、あなたの誕生を心から」
「いつでも生まれてきていいぞ。
男の子でも女な子でもどちらでも大歓迎だ」
心から我が子の誕生を待ち望んでいる私達。
この子がいつでも生まれてきていいように準備も整っている。
早く会いたいと思う。
でもこの早く会いたいと思えることがなにより幸せだった。
このニケ月後の深夜、マイル侯爵邸に元気な産声が響き渡る。髪の色、目の色、顔つき、全てが父であるヒューイに似ている元気な二人の男の子の誕生だった。
彼も私もそして誰もが二人の誕生を心から喜び、嬉し涙を流した。
そして父となったヒューイと祖父となったマイル侯爵はもうひとり分の子供部屋の用意をする為に競うように部屋を飛び出していった。
(完)
*********************
最後までお付き合い頂き、有り難うございました♪
心より感謝を申し上げます(◍•ᴗ•◍)✧*。
小さい頃からの友人達なのでお互いに必要以上の気遣いなしで楽しくお喋りを楽しんでいる。
みな既婚者なので自然と話題は結婚生活についてが中心となってくる。
その流れから『膝枕』について一人が熱く語り出した。
「やっぱり膝枕はいいわよね。別に変なことをしている訳ではないけれど、なんか胸が高鳴ってくるわ。
私の膝に頭を乗せている旦那様がいつも以上に素敵に見えるのに、なんか可愛く思えるのよ。不思議でしょう?彼も『君に癒やされているよ』て喜んでくれるし、お手軽かつ愛が深まってこんなに良いことはないわ」
照れながらもその表情は嬉しさを隠しきれていない。聞いているこちらまで、なんだか照れてしまうほど。
「みんなもしているのかしら…?」
思わず他の友人達に訊ねてみた。
私はヒューイと一度も膝枕をしたことはなかった。
知識としては知っていたけれでも、『しましょう』といつ言うのが正しいの分からなかったし、何より恥ずかしくて自分からは言い出せなかった。
それに彼もそのことについて触れたことはない。
だからそれが普通だと思っていたのだ、先程の話を聞くまでは…。
「いつもではないけれど、…たまにするわ。私が座っていると夫が膝に頭を乗せてくるの。特に何も言わないけれど、凄く満足そうな顔をしているから私も甘えられているようで嬉しいわ」
そう言っているのは強面で筋肉隆々の身体を持つ騎士団長を夫に持つ華奢な友人だった。
えっ、想像出来ないわ。
あの騎士団長様が甘えているの…。
膝枕に体格差や男らしさは関係ないことを知る。
続いて年下の幼馴染と結婚したちょっと気が強いと言われているしっかり者の友人が口を開く。
「私も普段はしないけれども、夫婦喧嘩のあとにしたりするわ。そうするとすぐに仲直りが出来るから、うふふ」
どうやら膝枕には年齢も関係ないらしい。
みんなが嬉しそうに話しているのを聞いて興味が湧いてくる。
「私もしてみたいわ…」
思わずそう呟いてしまう。
それを聞いた友人達は『大丈夫、喜ばれるから。自分からお願いしてみるといいわ』と口々に勧めてくる。
お茶会が終わる頃には膝枕をやってみたいと思うようになっていた。
大丈夫かしら、嫌だって言われたら…。
でも一度くらいしてみたいな。
私は勇気を出してヒューイにお願いしてみることにした。
逸る気持ちを押さえきれず、長椅子にはクッションを並べ肌触りの良い膝掛けも用意する。
彼が私の膝に頭を乗せ寛いでいる姿を想像する。
足りないものはなにもないはず、準備は完璧だった。
あとは彼が帰ってきたらお願いするだけ。
彼は予定通りの時間に帰ってきたので、いつものように玄関で彼を出迎える。
「ヒューイ、お帰りなさい。今日もお仕事お疲れさま」
「ただいま、マリア。変わりはなかったかい?」
彼は私の頬に口付けを落としながらいつもの台詞を口にする。
お願いを今言うべきかどうか迷っていると、なにかあると察した彼が私の顔を覗き込みながら訊ねてくる。
「マリア、なにか変わったがあったのか?
それとも体調が優れないとか…?」
彼が私を心配しているのが伝わってくる。
彼はもともと気遣いを忘れない人だけれども、最近はそれに拍車が掛かっている。
大丈夫なのに、心配し過ぎだわ。
私は彼の不安を取り除く為にも今、お願いをすることにした。
「大丈夫、健康そのものよ。ただね、お願いがあるの。今日、友人達と話していたら、仲睦まじい夫婦はみな膝枕をしているみたいなの。私も一度くらいしてみたいなって思って…」
「そんなことならお安い御用だ。こっちに来てごらん、さあここに座って」
彼は快諾してくれ、私が用意していた長椅子に一緒に座る。そして念願の膝枕をしながらヒューイが優しい声音で訊ねてくる。
「ちょっと硬くて済まない。
マリア、痛くないか?楽しいかい?」
彼が言う通り鍛えられた彼の太腿は硬いけど、痛くはない。楽しいかと聞かれたら…彼と一緒だからもちろん楽しいとは思う。
でも私が求めていたものとは決定的な違いがあった。
「…これは確かに膝枕だけど、これじゃないの。
私がやってみたかった膝枕は逆なの。
私の膝の上にヒューイが頭を乗せて寛いでもらいたかったのよ!」
思わず大きな声で彼に訴える。
なぜか彼の引き締まった太腿の上に私が頭を乗せ、彼が優しく髪を撫でてくれている。これも素敵だけれども、妻としては彼に寛いでもらいたい、癒やしてあげたいのだ。
起き上がってやり直そうとしたけれど、彼から止められる。
「それは駄目だ。マリアの願いでも聞けない」
彼は真剣な表情で私のお願いをきっぱりと拒む。
そして膝枕をされたままの私にそっと手を伸ばし、その大きな手で慈しむように私のお腹をそっと撫でる。
「ちょっとでも今は駄目だ。俺の身体は大きくて重いからお腹の子もびっくりしてしまう」
膝枕でお腹の子がびっくりすることはないと思うけれども、彼は身籠っている私のことが心配でならないようだ。
大きなお腹を撫でている彼の手に自分の手を重ねて、お腹の子に話し掛ける。
「ふふふ、本当にお父様は心配性ね」
「……愛する妻と子を心配するの夫として父として当然だ。なあ、お前もそう思うだろ?」
彼は大きな身体を窮屈そうに折り曲げて私のお腹に顔を近づけ、とても優しく話し掛ける。
するとお腹の子が元気よく蹴ってくる。まるで父である彼に同意するかのように。
私達はお互いに顔を見合わせ笑う。
「本当にお利口な子だわ。それにやんちゃなのかしら、いつも強く蹴ってくれるから」
出産予定日まではあと二ヶ月ほど。今のところ何も問題なく過ごせている。
どうかこのまま順調にと願わない日はない。
「この子は元気な子だ。大丈夫、あと少しで生まれてくる。元気な天使をこの腕に抱く日はすぐに来る」
力強い彼の言葉で私の不安は薄らいでいく。
二人で大きくなったお腹を優しく撫でながらお腹の子に話し掛ける。
「元気に生まれてきてね。
待っているわ、あなたの誕生を心から」
「いつでも生まれてきていいぞ。
男の子でも女な子でもどちらでも大歓迎だ」
心から我が子の誕生を待ち望んでいる私達。
この子がいつでも生まれてきていいように準備も整っている。
早く会いたいと思う。
でもこの早く会いたいと思えることがなにより幸せだった。
このニケ月後の深夜、マイル侯爵邸に元気な産声が響き渡る。髪の色、目の色、顔つき、全てが父であるヒューイに似ている元気な二人の男の子の誕生だった。
彼も私もそして誰もが二人の誕生を心から喜び、嬉し涙を流した。
そして父となったヒューイと祖父となったマイル侯爵はもうひとり分の子供部屋の用意をする為に競うように部屋を飛び出していった。
(完)
*********************
最後までお付き合い頂き、有り難うございました♪
心より感謝を申し上げます(◍•ᴗ•◍)✧*。
895
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
王太子殿下との思い出は、泡雪のように消えていく
木風
恋愛
王太子殿下の生誕を祝う夜会。
侯爵令嬢にとって、それは一生に一度の夢。
震える手で差し出された御手を取り、ほんの数分だけ踊った奇跡。
二度目に誘われたとき、心は淡い期待に揺れる。
けれど、その瞳は一度も自分を映さなかった。
殿下の視線の先にいるのは誰よりも美しい、公爵令嬢。
「ご一緒いただき感謝します。この後も楽しんで」
優しくも残酷なその言葉に、胸の奥で夢が泡雪のように消えていくのを感じた。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」「エブリスタ」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、雪乃さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎泡雪 / 木風 雪乃
氷の貴婦人
羊
恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。
呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。
感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。
毒の強めなお話で、大人向けテイストです。
あなただけが私を信じてくれたから
樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。
一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。
しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。
処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。
月夜に散る白百合は、君を想う
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢であるアメリアは、王太子殿下の護衛騎士を務める若き公爵、レオンハルトとの政略結婚により、幸せな結婚生活を送っていた。
彼は無口で家を空けることも多かったが、共に過ごす時間はアメリアにとってかけがえのないものだった。
しかし、ある日突然、夫に愛人がいるという噂が彼女の耳に入る。偶然街で目にした、夫と親しげに寄り添う女性の姿に、アメリアは絶望する。信じていた愛が偽りだったと思い込み、彼女は家を飛び出すことを決意する。
一方、レオンハルトには、アメリアに言えない秘密があった。彼の不自然な行動には、王国の未来を左右する重大な使命が関わっていたのだ。妻を守るため、愛する者を危険に晒さないため、彼は自らの心を偽り、冷徹な仮面を被り続けていた。
家出したアメリアは、身分を隠してとある街の孤児院で働き始める。そこでの新たな出会いと生活は、彼女の心を少しずつ癒していく。
しかし、運命は二人を再び引き合わせる。アメリアを探し、奔走するレオンハルト。誤解とすれ違いの中で、二人の愛の真実が試される。
偽りの愛人、王宮の陰謀、そして明かされる公爵の秘密。果たして二人は再び心を通わせ、真実の愛を取り戻すことができるのだろうか。
幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!
ルイス
恋愛
ダイダロス王国の侯爵令嬢であるエレナは、リグリット公爵令息と婚約をしていた。
同じ18歳ということで話も合い、仲睦まじいカップルだったが……。
そこに現れたリグリットの幼馴染の伯爵令嬢の存在。リグリットは幼馴染を優先し始める。
あまりにも度が過ぎるので、エレナは不満を口にするが……リグリットは今までの優しい彼からは豹変し、権力にものを言わせ、エレナを束縛し始めた。
「婚約破棄なんてしたら、どうなるか分かっているな?」
その時、エレナは分かってしまったのだ。リグリットは自分の侯爵令嬢の地位だけにしか興味がないことを……。
そんな彼女の前に現れたのは、幼馴染のヨハン王子殿下だった。エレナの状況を理解し、ヨハンは動いてくれることを約束してくれる。
正式な婚約破棄の申し出をするエレナに対し、激怒するリグリットだったが……。
完結 愛される自信を失ったのは私の罪
音爽(ネソウ)
恋愛
顔も知らないまま婚約した二人。貴族では当たり前の出会いだった。
それでも互いを尊重して歩み寄るのである。幸いにも両人とも一目で気に入ってしまう。
ところが「従妹」称する少女が現れて「私が婚約するはずだった返せ」と宣戦布告してきた。
[完結]「私が婚約者だったはずなのに」愛する人が別の人と婚約するとしたら〜恋する二人を切り裂く政略結婚の行方は〜
h.h
恋愛
王子グレンの婚約者候補であったはずのルーラ。互いに想いあう二人だったが、政略結婚によりグレンは隣国の王女と結婚することになる。そしてルーラもまた別の人と婚約することに……。「将来僕のお嫁さんになって」そんな約束を記憶の奥にしまいこんで、二人は国のために自らの心を犠牲にしようとしていた。ある日、隣国の王女に関する重大な秘密を知ってしまったルーラは、一人真実を解明するために動き出す。「国のためと言いながら、本当はグレン様を取られたくなだけなのかもしれないの」「国のためと言いながら、彼女を俺のものにしたくて抗っているみたいだ」
二人は再び手を取り合うことができるのか……。
全23話で完結(すでに完結済みで投稿しています)
【完結】君を迎えに行く
とっくり
恋愛
顔だけは完璧、中身はちょっぴり残念な侯爵子息カインと、
ふんわり掴みどころのない伯爵令嬢サナ。
幼い頃に婚約したふたりは、静かに関係を深めていくはずだった。
けれど、すれ違いと策略により、婚約は解消されてしまう。
その別れが、恋に鈍いカインを少しずつ変えていく。
やがて彼は気づく。
あの笑顔の奥に、サナが隠していた“本当の想い”に――。
これは、不器用なふたりが、
遠回りの先で見つけた“本当の気持ち”を迎えに行く物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる