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21.シンデレラは絆される…?③
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充実したシンデレラ生活が続くなか、治療中の王子と会う毎日。
ほんの30分しか会話をする時間がなくても、馬を走らせハァッハァッと息を切らしながら『リリィ、待たせたな』と嬉しそうな表情で私に駆け寄ってくるスナイル王子。
「何をしているんだ?」
「良い肉が手に入ったのでお義母様達が大好きなシチューを作っていますの」
料理をしている私は焦げ付かない様に鍋の中をかきまわす手を休めることなく答えを返す。
「良い匂いだな。だがこれはなんの肉かな?良い肉と言っていたが……」
スナイル様はシチューの鍋を覗き込みながら聞いてくる。なぜか頬を引きつらせながら…。
「お店で買った良い肉ももちろん入っていますが、さっきチラッと見えた茶色いものはそれとは違いますわ。あれは畑で育った肉ですの」
私の言葉を聞き、なぜか安堵の表情をする王子。
「畑で育ったというと大豆のことか。そうかだから茶色かったんだな」
ウンウンと頷きながら『味見していいか?』と笑顔を浮かべて聞いてくる。
「もちろんです、ぜひ味見してくださいませ」
小皿にシチューをよそって『はい、どうぞスナイル様』と差し出しながら先程の会話での間違いを訂正しなければと話し始める。
「あの畑の肉ですが、大豆ではありませんわ。
トンネルを掘るのが大好きな輩のことで、言葉通りの意味ですの。
いつも畑にいて作物を無断で食べまくり、すくすくと育っているので『畑で育った肉』と呼ばれています。王族であるスナイル様でも知らないことがあるなんて、ちょっと可愛いですね」
「…………はっは、そうか…」
『畑で育った肉』を大豆と間違えたことが恥ずかしかったのか、小皿を持ったままぎこちなく動きが止まっている。
完璧な王子とほど遠いそんな姿も、なんか可愛らしいくて、クスッと笑ってしまう。
「スナイル様、大変残念ですが今日はもうお時間が…」
少し離れたところに控えていたガードナー様がそう言って声を掛けてくる。今日は公務が忙しくて30分しかいられないと話していたのを思い出す。
「そ、そうだったな。本当に残念だが、このあと他国の要人達との会食があるんだ。今リリィのシチューを堪能したらこの場から去り難くなってしまうから、今日は味見をするのは断腸の思いで我慢するしかないな」
「政治的にも正しい判断だと思います、スナイル様」
王子の言葉に間髪入れず答える護衛騎士。
なんだろうか。
棒読みのような二人の会話に裏があるような感じがする。
首を傾げる私の頬にそっと触れるだけの口付けを落とし『すまない、本当に…。だがここで倒れるわけにはいかないんだ』と真剣な表情で謝る王子。
…『倒れる』ってなに???
『政治的』ってどういう意味?
そんな疑問が頭に浮かんだけれど、それもすぐさま吹き飛ぶような出来事が起こる。
「リリィ、また明日も絶対に来るからな」
そう言いながらスナイル様が今度は私の唇に優しく口づけをしてくる。
それは頬へするものとは全然違って、砂糖ではないのにとても甘く感じられ、体がふわふわして頭がぼーっとして、顔が一瞬で赤くなってしまう。
「明日も……待って…ま、す」
馬に乗って去っていくスナイル王子の後ろ姿に小さな声で呟いてみる。この声が届いたかどうかは分からないけれども、とても嬉しくてなんとも言えない気持ちで心が満たされていく。
この幸せな気持ちをみんなにも分けてあげたいと思い、保存食にしようと取ってあった『畑の肉』を継母達のシチューにドボンと豪快に追加してあげた。
ほんの30分しか会話をする時間がなくても、馬を走らせハァッハァッと息を切らしながら『リリィ、待たせたな』と嬉しそうな表情で私に駆け寄ってくるスナイル王子。
「何をしているんだ?」
「良い肉が手に入ったのでお義母様達が大好きなシチューを作っていますの」
料理をしている私は焦げ付かない様に鍋の中をかきまわす手を休めることなく答えを返す。
「良い匂いだな。だがこれはなんの肉かな?良い肉と言っていたが……」
スナイル様はシチューの鍋を覗き込みながら聞いてくる。なぜか頬を引きつらせながら…。
「お店で買った良い肉ももちろん入っていますが、さっきチラッと見えた茶色いものはそれとは違いますわ。あれは畑で育った肉ですの」
私の言葉を聞き、なぜか安堵の表情をする王子。
「畑で育ったというと大豆のことか。そうかだから茶色かったんだな」
ウンウンと頷きながら『味見していいか?』と笑顔を浮かべて聞いてくる。
「もちろんです、ぜひ味見してくださいませ」
小皿にシチューをよそって『はい、どうぞスナイル様』と差し出しながら先程の会話での間違いを訂正しなければと話し始める。
「あの畑の肉ですが、大豆ではありませんわ。
トンネルを掘るのが大好きな輩のことで、言葉通りの意味ですの。
いつも畑にいて作物を無断で食べまくり、すくすくと育っているので『畑で育った肉』と呼ばれています。王族であるスナイル様でも知らないことがあるなんて、ちょっと可愛いですね」
「…………はっは、そうか…」
『畑で育った肉』を大豆と間違えたことが恥ずかしかったのか、小皿を持ったままぎこちなく動きが止まっている。
完璧な王子とほど遠いそんな姿も、なんか可愛らしいくて、クスッと笑ってしまう。
「スナイル様、大変残念ですが今日はもうお時間が…」
少し離れたところに控えていたガードナー様がそう言って声を掛けてくる。今日は公務が忙しくて30分しかいられないと話していたのを思い出す。
「そ、そうだったな。本当に残念だが、このあと他国の要人達との会食があるんだ。今リリィのシチューを堪能したらこの場から去り難くなってしまうから、今日は味見をするのは断腸の思いで我慢するしかないな」
「政治的にも正しい判断だと思います、スナイル様」
王子の言葉に間髪入れず答える護衛騎士。
なんだろうか。
棒読みのような二人の会話に裏があるような感じがする。
首を傾げる私の頬にそっと触れるだけの口付けを落とし『すまない、本当に…。だがここで倒れるわけにはいかないんだ』と真剣な表情で謝る王子。
…『倒れる』ってなに???
『政治的』ってどういう意味?
そんな疑問が頭に浮かんだけれど、それもすぐさま吹き飛ぶような出来事が起こる。
「リリィ、また明日も絶対に来るからな」
そう言いながらスナイル様が今度は私の唇に優しく口づけをしてくる。
それは頬へするものとは全然違って、砂糖ではないのにとても甘く感じられ、体がふわふわして頭がぼーっとして、顔が一瞬で赤くなってしまう。
「明日も……待って…ま、す」
馬に乗って去っていくスナイル王子の後ろ姿に小さな声で呟いてみる。この声が届いたかどうかは分からないけれども、とても嬉しくてなんとも言えない気持ちで心が満たされていく。
この幸せな気持ちをみんなにも分けてあげたいと思い、保存食にしようと取ってあった『畑の肉』を継母達のシチューにドボンと豪快に追加してあげた。
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