不能と噂される皇帝の後宮に放り込まれた姫は恩返しをする

矢野りと

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8.さらば、まったり生活①

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それからロナ妃は生まれて初めての三食昼寝付きダラダラ生活を満喫しながら後宮の侍女や側妃達から様々なことを教わった。


まず皇帝ハヤンは後宮が出来て二年経つが一度たりとも来たことが無い。
立派な体格をしているそうだが、誰も閨を共にした事がないのでブツの大きさは不明。
どんな美女が後宮に来ても興味を示さず一切手を付けないので男色家説は濃厚。
ただ視姦プレイなどの性癖については要確認。
臣下達が世継ぎを作らせるために多くの美女を後宮に送りこんだが次々と臣下に下賜してしまうので、最近では民の間で『心太ところてん後宮』などと揶揄われているらしい。

…上手い、座布団二枚!


そして現在、後宮の側妃は五人まで減ってしまい、最近は心太後宮に入ってくれる美女は皆無だったらしい。

…そりゃそうだ。

そこで世継ぎ問題に頭を悩ませている家臣達はとりあえず誰でもいいからと美少女と噂される貧乏小国の姫を牛100頭と交換で迎え入れたのだった。

 だ、誰でもいい…ですって!
 それならば牛50頭で焼き鳥兄弟(父上&宰相)を送り込んでおけば良かったですわ!
 プンプンッ!
 

多くの側妃達を見てきた侍女達だったが『牛100頭と交換で来た側妃』は初めてだったらしく、ロナ姫からその話を聞いた侍女や側妃達は『アッハッハッハ』とみんな大爆笑していた。

その隣で悲愴な表情をし、よろよろと跪くロナ姫。

 やっぱり100頭では少なすぎましたわ!
 せめて150頭ですわよね…。
 それなら笑われなかったのに…。
 父上、宰相末代まで恨みますよ~。

…ロナ姫、問題は頭数ではないのだよ、との物々交換なのだよ。
それに末代って、自分も含まれていますがいいのかな…。



皇帝が来ない後宮はまさに天国で、側妃達だけでなく侍女達もまったりした雰囲気で気楽な毎日だった。

 フフフん、ここは天国~。
 私は優雅なお姫様~。

最初こそ鼻歌交じりで後宮まったり生活を堪能していたロナ姫だったが、それも一週間が限界だった。

生まれた時から、
『貧乏は友達!』(『ボールは友達!』風で言ってみよう)
『働かざる者食うべからず!』な環境で育ったロナ姫は優雅な食っちゃ寝生活を送っていると、なにやらお尻がムズムズし始めてしまったのだ。

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