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第16話 ボッチは暇
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普通、お話の世界では私の勇姿? を見た誰かが感心して声をかけてそこから友情なり恋が芽生える……というのがテンプレだろう。
しかし、悲しいことにそんなことにはならなかった。
気付けば誰もいないキャンパス内に、薄汚れた格好で1人取り残された哀れな女。
「別にいいけどね。だって私はひっそり、目立たず生きていこうと決めたんだから」
う~ん……だけど、これでは自分が何処の教室で何の授業を受ければよいのかさっぱり分からない。
ステラは既に一週間大学を休んでいる。これ以上休むと単位取得に問題が発生するかもしれない……。
そこで私は閃いた。
「そうだ、学務課に行ってみようかな? あそこに行けば自分の履修科目画分かるんじゃないかな」
いや、そもそもこの大学に学務課があるのかは分からない。
「とりあえず、案内板でも探してみよう……」
カバンを小脇に抱えて、今度は案内板を探すためにキャンパス内の探索を始めた。
****
幸いなことに、学務課はすぐに見つけ出すことが出来た。
「え~と、ステラ・アボットさんですね……」
受付の女性が分厚い名簿をペラペラとめくっている。
「はい、2年のステラ・アボットです。どうです? 分かりますか?」
「そうですね……これだけの名簿から探し出すのは大変でして……せめて学部を教えていただけませんか?」
「アハハハ……えっと……すみません。それも忘れてしまって……」
笑って誤魔化せば、ますます不審の目を向けられる。
「あの、本当にステラ・アボットさんですよね?」
「ええ、もちろんです。ほ、ほら。身分証明の写真、同じですよね!?」
カバンの中に偶然? 入っていた学生証を取り出して中を開く。幸いなことに、この世界ではモノクロだけど写真が存在している世界だったのだ。
「そうですね……確かに、お顔は同じですね?」
差し出された学生証の写真と私の顔を何度も見直す女性。
「はい。先週、頭を強く打ったショックで大学に関する記憶を無くしてしまったようなのです。でも、お医者様の話ではこの記憶喪失は一過性のものなのでいずれは記憶は戻るでしょうと言われています」
自分でも呆れるほどにペラペラと口からでまかせを言う。
すると今の話を真に受けてくれたのだろう。途端に女性事務員の顔に同情が浮かぶ。
「まぁ……そうだったのですね? お気の毒に。ならこちらも頑張って探しますね」
「はい、お願いします!」
――約20分後
「あった! ありましたよ! こちらがステラさんの履修科目の一覧です!」
女性事務員が喚起の声を上げる。
「ありがとうございます! 早速見せて下さい」
「ええ。どうぞ」
ズイッと差し出され、早速見てみる。
「うっ!」
あまりの文字数の多さにクラクラしてきた。だめだ……! とてもではないが覚えきれない!
「あの~コピーをとらせて頂いてもいいでしょうか?」
「……は?」
私がその女性事務員に変な目で見られたのは言うまでもない……。
それから約30分かけて、私は自分の履修科目一覧を全て手書きでノートに書き写した。
「ど、どうもありがとうございました……」
写し終えた一覧表を返却する。
「いいえ、お疲れ様でした。でも、本日の1時限目の授業には間に合いませんでしたね?」
「え、ええ……仕方ありません。試験で挽回しますから。どうもありがとうございました」
お礼を述べると、腱鞘炎になりそうな手首をマッサージしながら学務課を後にした。
****
私はキャンパス内のベンチに座り、ノートに書き写してきた履修科目に目を通していた。
本日は1時限目の授業の後は3時限目まで空き時間になっているのだ。
「それにしても、ステラって随分効率の悪い授業の取り方をしているわね。こんなに空き時間があるなら、何したらいいか分からないじゃない」
ノートをカバンにしまうと、目の前の花壇をじっと見つめる。
「あ~ボッチは暇だな……」
ポツリとつぶやいた時。
「あれ? こんなところで何してるんだよ?」
「え?」
不意に声をかけられ、驚いて顔を上げた――
しかし、悲しいことにそんなことにはならなかった。
気付けば誰もいないキャンパス内に、薄汚れた格好で1人取り残された哀れな女。
「別にいいけどね。だって私はひっそり、目立たず生きていこうと決めたんだから」
う~ん……だけど、これでは自分が何処の教室で何の授業を受ければよいのかさっぱり分からない。
ステラは既に一週間大学を休んでいる。これ以上休むと単位取得に問題が発生するかもしれない……。
そこで私は閃いた。
「そうだ、学務課に行ってみようかな? あそこに行けば自分の履修科目画分かるんじゃないかな」
いや、そもそもこの大学に学務課があるのかは分からない。
「とりあえず、案内板でも探してみよう……」
カバンを小脇に抱えて、今度は案内板を探すためにキャンパス内の探索を始めた。
****
幸いなことに、学務課はすぐに見つけ出すことが出来た。
「え~と、ステラ・アボットさんですね……」
受付の女性が分厚い名簿をペラペラとめくっている。
「はい、2年のステラ・アボットです。どうです? 分かりますか?」
「そうですね……これだけの名簿から探し出すのは大変でして……せめて学部を教えていただけませんか?」
「アハハハ……えっと……すみません。それも忘れてしまって……」
笑って誤魔化せば、ますます不審の目を向けられる。
「あの、本当にステラ・アボットさんですよね?」
「ええ、もちろんです。ほ、ほら。身分証明の写真、同じですよね!?」
カバンの中に偶然? 入っていた学生証を取り出して中を開く。幸いなことに、この世界ではモノクロだけど写真が存在している世界だったのだ。
「そうですね……確かに、お顔は同じですね?」
差し出された学生証の写真と私の顔を何度も見直す女性。
「はい。先週、頭を強く打ったショックで大学に関する記憶を無くしてしまったようなのです。でも、お医者様の話ではこの記憶喪失は一過性のものなのでいずれは記憶は戻るでしょうと言われています」
自分でも呆れるほどにペラペラと口からでまかせを言う。
すると今の話を真に受けてくれたのだろう。途端に女性事務員の顔に同情が浮かぶ。
「まぁ……そうだったのですね? お気の毒に。ならこちらも頑張って探しますね」
「はい、お願いします!」
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「あった! ありましたよ! こちらがステラさんの履修科目の一覧です!」
女性事務員が喚起の声を上げる。
「ありがとうございます! 早速見せて下さい」
「ええ。どうぞ」
ズイッと差し出され、早速見てみる。
「うっ!」
あまりの文字数の多さにクラクラしてきた。だめだ……! とてもではないが覚えきれない!
「あの~コピーをとらせて頂いてもいいでしょうか?」
「……は?」
私がその女性事務員に変な目で見られたのは言うまでもない……。
それから約30分かけて、私は自分の履修科目一覧を全て手書きでノートに書き写した。
「ど、どうもありがとうございました……」
写し終えた一覧表を返却する。
「いいえ、お疲れ様でした。でも、本日の1時限目の授業には間に合いませんでしたね?」
「え、ええ……仕方ありません。試験で挽回しますから。どうもありがとうございました」
お礼を述べると、腱鞘炎になりそうな手首をマッサージしながら学務課を後にした。
****
私はキャンパス内のベンチに座り、ノートに書き写してきた履修科目に目を通していた。
本日は1時限目の授業の後は3時限目まで空き時間になっているのだ。
「それにしても、ステラって随分効率の悪い授業の取り方をしているわね。こんなに空き時間があるなら、何したらいいか分からないじゃない」
ノートをカバンにしまうと、目の前の花壇をじっと見つめる。
「あ~ボッチは暇だな……」
ポツリとつぶやいた時。
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「え?」
不意に声をかけられ、驚いて顔を上げた――
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