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第1章 46 そして誰もいなくなった
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「お・・・お前っ!よ、よくもこの場でそんなことを・・・!」
アグネスは怒りで顔を真っ赤に染めると、アーベルの方に近づき平手打ちをしようと右手を大きく振り上げ・・・。
ガッ!
その手首を強く掴まれてしまった。
「ううっ!い、痛い・・!は、放しなさいっ!この・・・下僕のくせに女主人に逆らうとは・・・っ!」
痛みに顔を歪めながらアグネスが腕を振りほどこうともがく。そんなアグネスの手首を掴んでいるアーベルが冷たい視線で言う。
「女主人?あいにくこちらは一度も貴女を女主人とは認めた覚えはありませんが?大体、リヒャルト様に近づく前の名前・・・アグネス・マゼンダ・・・男爵家だそうですが・・こちらの調べではマゼンダという姓を持つ男爵家は存在しないことが判明しておりますが?」
「!!」
その言葉に、アグネスの顔は真っ青になり・・・集められた使用人たちの間ではざわめきが起こった。
「そんなまさか・・・。」
「それじゃアグネス様の正体は一体・・?」
等々・・・。
「アーベル様・・・。」
ブリジットは青ざめた顔でアーベルを見つめるしかなかった。
「お・・お前は・・・っ!」
アグネスが身体をブルブル震わせるのを見たアーベルはパッと掴んでいた手を離した。途端にアグネスは背後に下がると言った。
「お・・・お前は即刻クビよっ!い、今すぐこの屋敷から出ておいきっ!
そしてアーベルを指さした。そんなアグネスを見つめていたアーベルは不敵に笑うと言った。
「ええ・・・いいでしょう。すぐに出ていきますとも。もともと貴女のような偽の伯爵夫人に仕える気はさらさらありませんでしたからね。これでせいせいしました。
ですが・・・。」
再びジロリとアーベルはアグネスを睨みつけると言った。
「この屋敷は・・・リヒャルト様と・・スカーレット様の物です・・・!汚い手を使ってリヒャルト様を勝手に亡き者にし・・・スカーレット様を追い出した事・・必ず一矢報いてみせますからね・・・!」
そして隣に立つブリジットを見た。
「ブリジット様・・どうかお元気で・・スカーレット様をよろしくお願い致します・・。」
「アーベル様・・・。」
するとアグネスは叫んだ。
「グダグダ言わずにとっとと出ておいきっ!」
「ええ、言われなくとも出ていきます・・・。せいぜい僅かな伯爵夫人の夢を見るといいでしょう。いずれ・・・化けの皮が剝がれるでしょうからね。」
ぞっとするほど冷たい声でアーベルは言ってのけるとそのまま背を向け、靴音を鳴らしながら大股で部屋を出て行った。その後をブリジットも追いかけた。
「お前など、どこかでのたれ死んでしまえっ!」
アグネスが去って行くアーベルに投げつけた言葉は使用人たちの信頼度を一気に落としてしまった。
「そんな・・・あのアーベル様にあのような口を・・・・。」
「そういえばグスタフ様もいきなりクビにされたと聞いているわ・・。」
「なんて酷い・・・。」
彼らの言葉はしっかりアグネスの耳に入っていた。
「う・・うるさいっ!お前たち・・・文句があるなら出ておいきっ!」
するとその言葉に1人のフットマンが声を上げた。
「ええ・・・それでは出ていかせていただきます。」
「え?」
一瞬、その言葉にアグネスは耳を疑った。するとその言葉を皮切りに続々と声が上がり始めた。
「私も辞めさせていただきます!」
「私も!」
「俺もですっ!」
「こんなところで働いていられるかっ!」
そして、1人、また1人と使用人達は広間を出ていき・・・後には誰一人としてこの広間に残るものはいなかった。
ただ1人、アグネス以外は―。
アグネスは怒りで顔を真っ赤に染めると、アーベルの方に近づき平手打ちをしようと右手を大きく振り上げ・・・。
ガッ!
その手首を強く掴まれてしまった。
「ううっ!い、痛い・・!は、放しなさいっ!この・・・下僕のくせに女主人に逆らうとは・・・っ!」
痛みに顔を歪めながらアグネスが腕を振りほどこうともがく。そんなアグネスの手首を掴んでいるアーベルが冷たい視線で言う。
「女主人?あいにくこちらは一度も貴女を女主人とは認めた覚えはありませんが?大体、リヒャルト様に近づく前の名前・・・アグネス・マゼンダ・・・男爵家だそうですが・・こちらの調べではマゼンダという姓を持つ男爵家は存在しないことが判明しておりますが?」
「!!」
その言葉に、アグネスの顔は真っ青になり・・・集められた使用人たちの間ではざわめきが起こった。
「そんなまさか・・・。」
「それじゃアグネス様の正体は一体・・?」
等々・・・。
「アーベル様・・・。」
ブリジットは青ざめた顔でアーベルを見つめるしかなかった。
「お・・お前は・・・っ!」
アグネスが身体をブルブル震わせるのを見たアーベルはパッと掴んでいた手を離した。途端にアグネスは背後に下がると言った。
「お・・・お前は即刻クビよっ!い、今すぐこの屋敷から出ておいきっ!
そしてアーベルを指さした。そんなアグネスを見つめていたアーベルは不敵に笑うと言った。
「ええ・・・いいでしょう。すぐに出ていきますとも。もともと貴女のような偽の伯爵夫人に仕える気はさらさらありませんでしたからね。これでせいせいしました。
ですが・・・。」
再びジロリとアーベルはアグネスを睨みつけると言った。
「この屋敷は・・・リヒャルト様と・・スカーレット様の物です・・・!汚い手を使ってリヒャルト様を勝手に亡き者にし・・・スカーレット様を追い出した事・・必ず一矢報いてみせますからね・・・!」
そして隣に立つブリジットを見た。
「ブリジット様・・どうかお元気で・・スカーレット様をよろしくお願い致します・・。」
「アーベル様・・・。」
するとアグネスは叫んだ。
「グダグダ言わずにとっとと出ておいきっ!」
「ええ、言われなくとも出ていきます・・・。せいぜい僅かな伯爵夫人の夢を見るといいでしょう。いずれ・・・化けの皮が剝がれるでしょうからね。」
ぞっとするほど冷たい声でアーベルは言ってのけるとそのまま背を向け、靴音を鳴らしながら大股で部屋を出て行った。その後をブリジットも追いかけた。
「お前など、どこかでのたれ死んでしまえっ!」
アグネスが去って行くアーベルに投げつけた言葉は使用人たちの信頼度を一気に落としてしまった。
「そんな・・・あのアーベル様にあのような口を・・・・。」
「そういえばグスタフ様もいきなりクビにされたと聞いているわ・・。」
「なんて酷い・・・。」
彼らの言葉はしっかりアグネスの耳に入っていた。
「う・・うるさいっ!お前たち・・・文句があるなら出ておいきっ!」
するとその言葉に1人のフットマンが声を上げた。
「ええ・・・それでは出ていかせていただきます。」
「え?」
一瞬、その言葉にアグネスは耳を疑った。するとその言葉を皮切りに続々と声が上がり始めた。
「私も辞めさせていただきます!」
「私も!」
「俺もですっ!」
「こんなところで働いていられるかっ!」
そして、1人、また1人と使用人達は広間を出ていき・・・後には誰一人としてこの広間に残るものはいなかった。
ただ1人、アグネス以外は―。
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