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第5章 21 最後の面会
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数時間後―
アリオスは宮殿の応接室に呼ばれていた。自分を呼び出したはずの肝心のアイザック皇子は未だに現れない。もうかれこれ30分近くは待たされていたのだ。アリオスはイライラしながらじっとアイザック皇子が現れるのを待っていた。
(全く…人を呼び出しておいて、一体どういうつもりなんだ?こっちは仕事がたまって一刻も早く用件を済ませて屋敷に帰りたいのに…)
アリオスはザヒム1人に仕事を任せているのが申し訳なく感じていた。するとようやく応接室のドアがカチャリと開かれ、アイザック皇子が現れた。
「やぁ、すまなかったな。アリオス。忙しいところを呼び出してしまって」
「ええ、全くその通りです。私が忙しいのを分ったうえで城に呼んだと言う事は余程大事な用件なのでしょうね?」
アリオスは皮肉を込めて言った。何しろアイザックは未遂とはいえ、男性恐怖症であるスカーレットに対し、痺れ薬を飲ませた上、凌辱しようとした憎い男なのだ。自然と口調もきつくなってしまう。アイザックもアリオスのそんな機嫌の悪さを感じたのか、愛想笑いをしながら向かい側のソファに座った。
「まぁ、そんな怖い顔をするな。確かに君の婚約者に対しては少しやりすぎだったかも知れないと反省しているのだから」
その言葉はますますアリオスの怒りに火をつけた。
「少し?あれのどこが少しだと言うのですかっ?!まさか私をここへ呼んだのも彼女を愛人に差し出せと言うつもりで呼んだのではないでしょうねっ?!」
「ええ?!一体何を言い出すのだ?!そんなはずないに決まっているだろう?スカーレットはアリオスの大切な婚約者なのだから、金輪際二度と彼女には手を出さないと神の前で誓ってもいい」
アリオスは尚も疑い深い視線でアイザックを見ながら質問した。
「そうですか…それなら何故、私を呼びだしたのですか?」
「いや…アリオス。君を呼び出したのは私じゃない。妹のヴァイオレットなんだ。妹が私の名を使って君を呼び出したんだよ。」
その言葉はアリオスに衝撃を与えた。
「な、何ですってっ?!私はもう二度と皇女には会うつもりはありません!騙したのですね?もう帰らせて頂きます!」
アリオスは立ち上がり、帰りかけようとしたときアイザックがそれを引き留めた。
「駄目だ、待ってくれアリオス!妹は…もうすぐ遠方に嫁ぐ事が決まっているのだ。最後にどうしても一目君に会いたいと懇願されたんだ」
「え…?」
アリオスはその言葉に目を見張った―。
****
結局、アリオスは皇室命令と言う半ば強引な形でヴァイオレット皇女と会うように強要されてしまった。しかし、あらぬ誤解を避ける為、アイザック皇子を交えた3人で会う事を条件に不承不承、承諾したのであった。
そして…
カチャリと扉が開かれ、そこにはすっかり痩せ細ってしまったヴァイオレット皇女が侍女に付き従われて現れた。
「ああ、来たのだな?ヴァイオレット」
アイザックはヴァイオレットを見ると声を掛けた。
「はい、お兄様」
ヴァイオレットはアイザックの隣に座るとアリオスを見た。
「アリオス様…」
「…こんにちは」
アリオスはこれ以上自分にあらぬ好意を持たれぬように、そっけない態度で挨拶をした。すると見る見るうちにヴァイオレットの目に涙が浮かぶ。
「アリオス様…私を見て‥もう何も言う事は無いのでしょうか…?」
そしてヴァイオレットはハラハラと涙を流した―。
アリオスは宮殿の応接室に呼ばれていた。自分を呼び出したはずの肝心のアイザック皇子は未だに現れない。もうかれこれ30分近くは待たされていたのだ。アリオスはイライラしながらじっとアイザック皇子が現れるのを待っていた。
(全く…人を呼び出しておいて、一体どういうつもりなんだ?こっちは仕事がたまって一刻も早く用件を済ませて屋敷に帰りたいのに…)
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「やぁ、すまなかったな。アリオス。忙しいところを呼び出してしまって」
「ええ、全くその通りです。私が忙しいのを分ったうえで城に呼んだと言う事は余程大事な用件なのでしょうね?」
アリオスは皮肉を込めて言った。何しろアイザックは未遂とはいえ、男性恐怖症であるスカーレットに対し、痺れ薬を飲ませた上、凌辱しようとした憎い男なのだ。自然と口調もきつくなってしまう。アイザックもアリオスのそんな機嫌の悪さを感じたのか、愛想笑いをしながら向かい側のソファに座った。
「まぁ、そんな怖い顔をするな。確かに君の婚約者に対しては少しやりすぎだったかも知れないと反省しているのだから」
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「少し?あれのどこが少しだと言うのですかっ?!まさか私をここへ呼んだのも彼女を愛人に差し出せと言うつもりで呼んだのではないでしょうねっ?!」
「ええ?!一体何を言い出すのだ?!そんなはずないに決まっているだろう?スカーレットはアリオスの大切な婚約者なのだから、金輪際二度と彼女には手を出さないと神の前で誓ってもいい」
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「そうですか…それなら何故、私を呼びだしたのですか?」
「いや…アリオス。君を呼び出したのは私じゃない。妹のヴァイオレットなんだ。妹が私の名を使って君を呼び出したんだよ。」
その言葉はアリオスに衝撃を与えた。
「な、何ですってっ?!私はもう二度と皇女には会うつもりはありません!騙したのですね?もう帰らせて頂きます!」
アリオスは立ち上がり、帰りかけようとしたときアイザックがそれを引き留めた。
「駄目だ、待ってくれアリオス!妹は…もうすぐ遠方に嫁ぐ事が決まっているのだ。最後にどうしても一目君に会いたいと懇願されたんだ」
「え…?」
アリオスはその言葉に目を見張った―。
****
結局、アリオスは皇室命令と言う半ば強引な形でヴァイオレット皇女と会うように強要されてしまった。しかし、あらぬ誤解を避ける為、アイザック皇子を交えた3人で会う事を条件に不承不承、承諾したのであった。
そして…
カチャリと扉が開かれ、そこにはすっかり痩せ細ってしまったヴァイオレット皇女が侍女に付き従われて現れた。
「ああ、来たのだな?ヴァイオレット」
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「アリオス様…」
「…こんにちは」
アリオスはこれ以上自分にあらぬ好意を持たれぬように、そっけない態度で挨拶をした。すると見る見るうちにヴァイオレットの目に涙が浮かぶ。
「アリオス様…私を見て‥もう何も言う事は無いのでしょうか…?」
そしてヴァイオレットはハラハラと涙を流した―。
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