144 / 199
第6章 5 3人の推理
しおりを挟む
「大体、この写真に映っている男…ここ『ベルンヘル』の警察署長だ」
「「何だってっ?!」」
ヴィクトールとグスタフは声を揃えて驚いた。
「おまけに…この女、確か窃盗と詐欺の罪で一度捕まった事がある。だがすぐに保釈されているけどな。確かその時、ここに映っている署長が保釈に関わっている。どうやらこの女は警察署長の愛人じゃないかと言われている」
リーの言葉は耳を疑うものだった。ヴィクトールもグスタフも顔が青ざめてしまった。
「おい…その話、嘘じゃないよな?」
するとグスタフの言葉にリーが不服そうに口を尖らせた。
「おい、俺の情報力を疑っているのか?言っておくけどな、俺は『ベルンヘル』に住む浮浪者たち全員と顔見知りなんだ。彼等ほど有益な裏情報を知っている奴らはいないからな。そいつらからありとあらゆる情報を聞き出し、謝礼金を支払っているんだ。そこいらの新聞記者よりも余程ネタを持っているんだからな?」
「すまない、そんなつもりで彼は言ったのではない。許してやってくれ」
ヴィクトールはリーをなだめると尋ねた。
「ところで、この女…名前は…」
「ああ、アグネス・マゼンダか?最も本名かどうかも怪しいけどな」
「そうか。それでこの女の…まぁ、窃盗罪は置いといて、詐欺罪っていうのは一体どんな内容の詐欺だったんだ?」
「ああ、ちょっと待ってろ」
ヴィクトールの質問にリーはポケットから手帳を取り出すとパラパラとめくった。
「え~と…あ、あった。これだな。…なるほど」
リーはニヤリと笑った。
「おい、何だ。俺たちにも早く教えろ」
グスタフが催促した。
「ああ、いいぜ。良いか?聞いて驚けよ。この女2年ほど前に隣の市で結婚詐欺罪の罪で捕まったことがある」
「な、何だってっ?!」
「け…結婚詐欺?!」
ヴィクトールの次にグスタフが声を上げた。
「クッソ…!やはりあの女…!リヒャルト様を誘惑して結婚詐欺を…!」
グスタフが悔しそうに言うが、ヴィクトールは何故か神妙そうな顔をしている。
「どうした?ヴィクトール」
グスタフが尋ねた。
「いや…俺は15の時からシュバルツ家に仕えていたが…俺の知る限り、リヒャルト様はそんなタイプの男性では無いと思う。リヒャルト様はそれは亡くなられた奥様を大事にされていたからな」
ヴィクトールはベッドに横たわっているリヒャルトを見つめながら語り始めた。
「それならあんたはどう思っているんだ?」
「ああ、これは…あくまで俺の勘だが…ひょっとするとリヒャルト様は何らかの方法でアグネスと知り合って、目を付けられたんじゃないのか?伯爵家であるということと、妻を亡くしているということで。だがリヒャルト様は誘惑に屈しなかった。そこで…」
ヴィクトールの言わんとしている意味が分かったグスタフが後に続いた。
「ひょっとして…リヒャルト様と背格好の似た浮浪者を…?」
「ああ、そしてリヒャルト様を誘拐…もしくは監禁し、結婚証明書にサインさせた。もしかするとその際に激し良い暴力が振るわれた可能性もある」
ヴィクトールはまるでその画面を見てきたかのように語る。
「そして浮浪者を代わりにリヒャルト様に仕立て…リヒャルト様と入れ替えた」
「なるほど、そしてついでにリヒャルト様とやらに扮した浮浪者を殺害して運河に沈めたのかも知れないな…」
リーがニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「ああ…恐らく俺たちの考えは間違いないだろう」
ヴィクトールはベッドで眠っているリヒャルトを見つめた―。
「「何だってっ?!」」
ヴィクトールとグスタフは声を揃えて驚いた。
「おまけに…この女、確か窃盗と詐欺の罪で一度捕まった事がある。だがすぐに保釈されているけどな。確かその時、ここに映っている署長が保釈に関わっている。どうやらこの女は警察署長の愛人じゃないかと言われている」
リーの言葉は耳を疑うものだった。ヴィクトールもグスタフも顔が青ざめてしまった。
「おい…その話、嘘じゃないよな?」
するとグスタフの言葉にリーが不服そうに口を尖らせた。
「おい、俺の情報力を疑っているのか?言っておくけどな、俺は『ベルンヘル』に住む浮浪者たち全員と顔見知りなんだ。彼等ほど有益な裏情報を知っている奴らはいないからな。そいつらからありとあらゆる情報を聞き出し、謝礼金を支払っているんだ。そこいらの新聞記者よりも余程ネタを持っているんだからな?」
「すまない、そんなつもりで彼は言ったのではない。許してやってくれ」
ヴィクトールはリーをなだめると尋ねた。
「ところで、この女…名前は…」
「ああ、アグネス・マゼンダか?最も本名かどうかも怪しいけどな」
「そうか。それでこの女の…まぁ、窃盗罪は置いといて、詐欺罪っていうのは一体どんな内容の詐欺だったんだ?」
「ああ、ちょっと待ってろ」
ヴィクトールの質問にリーはポケットから手帳を取り出すとパラパラとめくった。
「え~と…あ、あった。これだな。…なるほど」
リーはニヤリと笑った。
「おい、何だ。俺たちにも早く教えろ」
グスタフが催促した。
「ああ、いいぜ。良いか?聞いて驚けよ。この女2年ほど前に隣の市で結婚詐欺罪の罪で捕まったことがある」
「な、何だってっ?!」
「け…結婚詐欺?!」
ヴィクトールの次にグスタフが声を上げた。
「クッソ…!やはりあの女…!リヒャルト様を誘惑して結婚詐欺を…!」
グスタフが悔しそうに言うが、ヴィクトールは何故か神妙そうな顔をしている。
「どうした?ヴィクトール」
グスタフが尋ねた。
「いや…俺は15の時からシュバルツ家に仕えていたが…俺の知る限り、リヒャルト様はそんなタイプの男性では無いと思う。リヒャルト様はそれは亡くなられた奥様を大事にされていたからな」
ヴィクトールはベッドに横たわっているリヒャルトを見つめながら語り始めた。
「それならあんたはどう思っているんだ?」
「ああ、これは…あくまで俺の勘だが…ひょっとするとリヒャルト様は何らかの方法でアグネスと知り合って、目を付けられたんじゃないのか?伯爵家であるということと、妻を亡くしているということで。だがリヒャルト様は誘惑に屈しなかった。そこで…」
ヴィクトールの言わんとしている意味が分かったグスタフが後に続いた。
「ひょっとして…リヒャルト様と背格好の似た浮浪者を…?」
「ああ、そしてリヒャルト様を誘拐…もしくは監禁し、結婚証明書にサインさせた。もしかするとその際に激し良い暴力が振るわれた可能性もある」
ヴィクトールはまるでその画面を見てきたかのように語る。
「そして浮浪者を代わりにリヒャルト様に仕立て…リヒャルト様と入れ替えた」
「なるほど、そしてついでにリヒャルト様とやらに扮した浮浪者を殺害して運河に沈めたのかも知れないな…」
リーがニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「ああ…恐らく俺たちの考えは間違いないだろう」
ヴィクトールはベッドで眠っているリヒャルトを見つめた―。
24
あなたにおすすめの小説
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
【完結】うちの大公妃は肥満専攻です!
ariya
恋愛
ルドヴィカは一度目の人生を虚しく終える時に神に願った。
神様、私を憐れむならどうか次の生は大事な方を守れるだけの知識と力を与えてください。
そして彼女は二度目の人生を現代日本で過ごす。
内科医として充実な人生を送っていたが、不慮の事故によりあえなく命を落とす。
そして目覚めた時は一度目の生の起点となった婚約破棄の場であった。
------------------------------------
※突然イメージ画像が挿絵で出ることがあります。
※ストーリー内に出しているのはなんちゃって医学です。軽く調べて、脚色を加えているので現実と異なります。調べたい方、気になる方は該当学会HPなどで調べることをおすすめします。
※※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします
紫
恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。
王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい?
つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!?
そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。
報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。
王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。
2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……)
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
私が生きていたことは秘密にしてください
月山 歩
恋愛
メイベルは婚約者と妹によって、崖に突き落とされ、公爵家の領地に倒れていた。
見つけてくれた彼は一見優しそうだが、行方不明のまま隠れて生きて行こうとする私に驚くような提案をする。
「少年の世話係になってくれ。けれど人に話したら消す。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる