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第27話 気疲れする悪役令息
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その後、伯爵から開放された僕は次に夫人につかまった。
そして何故かエディット抜きでサンルームに連れて行かれてしまった。
その理由は僕のエディットに対する本心を聞き出したいから…等と夫人は話していたけれども、本当の理由はそうではなかった。
夫にも娘にも聞かれたくない、自分の若かりし頃の恋愛体験を語りたかっただけだったようだ。
どうも御夫人達の間で昔の恋愛話をするのが流行しているらしく、若い男性の意見を聞きたいとか、何とかで……。
そこで甘ったるいお菓子を沢山並べられて恋愛論?みたいな話を延々と1時間半に渡り、聞かされることになるのだった――。
****
ボーン
ボーン
ボーン
サンルームに16時を告げる振り子時計の音が鳴り響いた。
「あら…まぁ!いけない。もうこんな時間だったのね?」
夫人が驚いたように壁に掛けられた振り子時計を見た。
「ええ、そのようですね」
夫人の話につきあわされて、疲れ切ってはいたものの僕は笑みを浮かべて頷いた。
「まぁ…。私ったらどうしましょう。アドルフ様とのお話が楽しくて、ついつい長話になってしまったわ。何しろ、アドルフ様はお話が聞き上手でいらっしゃいますから」
夫人がニコニコしながら僕を見ている。
「ありがとうございます」
頭を下げて夫人にお礼を言うものの……うん。聞き上手なのは当然だ。
何しろ前世の僕は飲料メーカー勤務の営業マン。自社製品を置いてもらう為に様々な会社や小売店を回った。
そこで営業先の人の世間話や愚痴話を聞いたりと、信頼を得て……得意先を新規開拓してきたのだから。
伯爵との話では、まるで会社の上司と話をしているみたいで落ち着かなかったけれども熟年女性?との会話は得意だった
「でも17時にエディットと出掛けるのであれば、もう御自宅に戻られるお時間はありませんよね?」
「ええ……そうなりますね」
結局明日の定期試験の勉強をすることが出来なかった…。
仕方ない。
エディットに教科書を借りて、今から出掛けるまでの1時間だけでも勉強しないと。
そんなことを考えていると、夫人がとんでもない事を提案してきた。
「それではアドルフ様、場所を移して今度は我が家自慢のティーハウスに行ってお話をしませんか?」
えっ?!夫人!冗談ですよね?
それより僕はほんの少しの合間でも勉強をしたいのに……。
そこで僕は夫人に声を掛けた。
「あの、それよりもエディットをここに呼んできて頂けませんか?2人だけで大事な話があるので。どうかお願いします」
まさか夫人に直接、「歴史の教科書をエディットから借りたい」等と言えるはずない。
「あら…まぁ、そうでしたわね?アドルフ様はエディットの婚約者なのですから当然ですわよね?分かりました。すぐにあの子を呼んでまいります!」
「お願いします」
頭を下げると、夫人は「ええ、お待ち下さい」と言って、いそいそとサンルームを出ていった。
パタパタと夫人の足音が遠くなり…ようやく僕は肩の力を抜くことが出来た。
「ふ~疲れた……」
ため息を付き、天井を見上げる。
全く、なんてことだろう。
本来であれば今日は1日、家に閉じこもって明日の試験勉強をしようと思っていたのに、僕の計画が全てパアになってしまった。
大体、何故こんなことになってしまったのだろう?
そうだ、元はと言えばブラッドリーが僕を誘いに家に来たことから始まったんだ。
そして気づけばエディットの屋敷に上がり…これから更に2人で一緒にお祭りに出掛ける約束をしている。
「参ったな…」
小声で呟き、目を閉じた時……。
「あ、あの…アドルフ様…」
不意にエディットの声が聞こえた。
そこで慌てて居住まいをただして振り向くと、エディットがいつの間にか立っていた。
何故か、頬を赤く染めて恥ずかしそうに僕を見つめながら――。
そして何故かエディット抜きでサンルームに連れて行かれてしまった。
その理由は僕のエディットに対する本心を聞き出したいから…等と夫人は話していたけれども、本当の理由はそうではなかった。
夫にも娘にも聞かれたくない、自分の若かりし頃の恋愛体験を語りたかっただけだったようだ。
どうも御夫人達の間で昔の恋愛話をするのが流行しているらしく、若い男性の意見を聞きたいとか、何とかで……。
そこで甘ったるいお菓子を沢山並べられて恋愛論?みたいな話を延々と1時間半に渡り、聞かされることになるのだった――。
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ボーン
ボーン
ボーン
サンルームに16時を告げる振り子時計の音が鳴り響いた。
「あら…まぁ!いけない。もうこんな時間だったのね?」
夫人が驚いたように壁に掛けられた振り子時計を見た。
「ええ、そのようですね」
夫人の話につきあわされて、疲れ切ってはいたものの僕は笑みを浮かべて頷いた。
「まぁ…。私ったらどうしましょう。アドルフ様とのお話が楽しくて、ついつい長話になってしまったわ。何しろ、アドルフ様はお話が聞き上手でいらっしゃいますから」
夫人がニコニコしながら僕を見ている。
「ありがとうございます」
頭を下げて夫人にお礼を言うものの……うん。聞き上手なのは当然だ。
何しろ前世の僕は飲料メーカー勤務の営業マン。自社製品を置いてもらう為に様々な会社や小売店を回った。
そこで営業先の人の世間話や愚痴話を聞いたりと、信頼を得て……得意先を新規開拓してきたのだから。
伯爵との話では、まるで会社の上司と話をしているみたいで落ち着かなかったけれども熟年女性?との会話は得意だった
「でも17時にエディットと出掛けるのであれば、もう御自宅に戻られるお時間はありませんよね?」
「ええ……そうなりますね」
結局明日の定期試験の勉強をすることが出来なかった…。
仕方ない。
エディットに教科書を借りて、今から出掛けるまでの1時間だけでも勉強しないと。
そんなことを考えていると、夫人がとんでもない事を提案してきた。
「それではアドルフ様、場所を移して今度は我が家自慢のティーハウスに行ってお話をしませんか?」
えっ?!夫人!冗談ですよね?
それより僕はほんの少しの合間でも勉強をしたいのに……。
そこで僕は夫人に声を掛けた。
「あの、それよりもエディットをここに呼んできて頂けませんか?2人だけで大事な話があるので。どうかお願いします」
まさか夫人に直接、「歴史の教科書をエディットから借りたい」等と言えるはずない。
「あら…まぁ、そうでしたわね?アドルフ様はエディットの婚約者なのですから当然ですわよね?分かりました。すぐにあの子を呼んでまいります!」
「お願いします」
頭を下げると、夫人は「ええ、お待ち下さい」と言って、いそいそとサンルームを出ていった。
パタパタと夫人の足音が遠くなり…ようやく僕は肩の力を抜くことが出来た。
「ふ~疲れた……」
ため息を付き、天井を見上げる。
全く、なんてことだろう。
本来であれば今日は1日、家に閉じこもって明日の試験勉強をしようと思っていたのに、僕の計画が全てパアになってしまった。
大体、何故こんなことになってしまったのだろう?
そうだ、元はと言えばブラッドリーが僕を誘いに家に来たことから始まったんだ。
そして気づけばエディットの屋敷に上がり…これから更に2人で一緒にお祭りに出掛ける約束をしている。
「参ったな…」
小声で呟き、目を閉じた時……。
「あ、あの…アドルフ様…」
不意にエディットの声が聞こえた。
そこで慌てて居住まいをただして振り向くと、エディットがいつの間にか立っていた。
何故か、頬を赤く染めて恥ずかしそうに僕を見つめながら――。
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