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第35話 怪しい台詞を吐く悪役令息
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エディットは今の青年を見てどう思ったのだろう?
やはり運命的な物を感じたのだろうか?
何しろ2人は……この世界で必ず結ばれる運命なのだから。
僕はエディットの心の内を知りたくなった。
「ねぇ、エディット」
「はい、何でしょうか?」
ハンカチをポケットにしまいながら返事をするエディット。
「今の人を見て、どう思った?」
つい、真剣な顔つきになってしまう。
「え?どう…?とは?」
エディットはキョトンとした顔で首を傾げた。
「今の彼だよ。エディットが落としたハンカチを拾ってくれた人のことだよ」
「あの方ですか?親切な方でしたね」
そこで話を終えてしまった。
え?もう終わりなのだろうか?
「それだけ?他には?」
「え?他にはと言われても……特に何もありませんけど?」
「ええ?!」
嘘だろう?
思わず耳を疑った。
「どうかしましたか?アドルフ様」
「いやいや。どうかしましたか?は僕じゃなくて、むしろエディットの方だよ。さっきの男の人を見て何か感じかなったのかい?素敵な人だな~とか、運命的に惹かれてしまう何かを…」
つい、言葉に力がこもってしまう。
「あ、あの…」
エディットの顔に困惑の表情が浮かび……。
「すみません、何も感じませんでした」
申し訳無さげに謝られてしまった。
「そ、そんな……」
僕にはエディットの言葉が信じられなかった。確か、僕の記憶ではハンカチを拾ってくれた王子の背中を見守りながらエディットは心の中で、こう呟いたんだ。
『何て素敵な方なのかしら……。また何処かでお会い出来たらいいのに…」
と―。
「う~ん……」
腕組みをして考える。
…そうか、きっとあれだ。
エディットは僕に遠慮して本心を言えないだけなのだろう。
「エディット、僕に何の遠慮もしなくていいから正直に答えてくれるかい?さっきの男性を見て、魅力的な何かや『ときめき』を感じたりはしなかったのかい?」
男の口から『魅力的』や『ときめき』いう言葉はあまり合わない…と言うか、気持ち悪いと思われるかもしれない。
けれど……。
どうしてもエディットの本心を知っておかなければ、このままモヤモヤした気分が残って今夜は眠れないかもしれない。
何しろ、僕の将来?がかかっているのだから。
「いいえ…先程も申し上げた通り、何も感じませんでした……と言うか、どんな男性だったのかも…覚えていないのですけど……」
けれど相変わらずエディットの反応は薄く、ますます困惑した表情に変わる。
そんな彼女を見ていると、何だか自分が悪いことをしている気持ちになってきた。
うん……これ以上追求するのはやめよう。
「ごめん、エディット。しつこく尋ねるような真似をして……君を困らせるつもりは無かったんだ。ただ……男の僕から見ても、素敵に見えたから…さ」
「え?そ、そうですか…?」
エディットが目を見開いた。
しまった!今…思いきり、誤解される台詞を言ってしまった。
「あ、あの…今の台詞は…別に変なつもりで言ったわけじゃないからね?」
そう。別に僕はそんな趣味は断じて、一切無いのだから。
するとエディットがクスクスと肩を震わせて笑いだした。
「フフフ……アドルフ様ったら…」
「え…?エディット…?」
何故急に笑いだしたのだろう?
「あ…すみません。まさか…アドルフ様にそのようにお茶目なところがあるとは思わなかったものですから」
「え?ええっ?!お、お茶目?!この僕が?!」
悪役令息の僕がっ?!
「はい、でも…そんなところも……」
最後の台詞はあまりにも小さな声で聞き取れなかった。
そして赤く頬を染めて俯いているエディット。
「エディット?」
名前を呼ぶと、エディットは顔を上げた。
「あの……アドルフ様」
「何だい?」
「先程…ときめきを感じなかったか、尋ねられて否定しましたけど…訂正させて下さい。ときめきなら……感じています」
エディットは真っ直ぐ僕の目を見た。
「え……?」
僕とエディットはオレンジ色に美しく光り輝くランタンの下で、少しの間見つめ合った――。
やはり運命的な物を感じたのだろうか?
何しろ2人は……この世界で必ず結ばれる運命なのだから。
僕はエディットの心の内を知りたくなった。
「ねぇ、エディット」
「はい、何でしょうか?」
ハンカチをポケットにしまいながら返事をするエディット。
「今の人を見て、どう思った?」
つい、真剣な顔つきになってしまう。
「え?どう…?とは?」
エディットはキョトンとした顔で首を傾げた。
「今の彼だよ。エディットが落としたハンカチを拾ってくれた人のことだよ」
「あの方ですか?親切な方でしたね」
そこで話を終えてしまった。
え?もう終わりなのだろうか?
「それだけ?他には?」
「え?他にはと言われても……特に何もありませんけど?」
「ええ?!」
嘘だろう?
思わず耳を疑った。
「どうかしましたか?アドルフ様」
「いやいや。どうかしましたか?は僕じゃなくて、むしろエディットの方だよ。さっきの男の人を見て何か感じかなったのかい?素敵な人だな~とか、運命的に惹かれてしまう何かを…」
つい、言葉に力がこもってしまう。
「あ、あの…」
エディットの顔に困惑の表情が浮かび……。
「すみません、何も感じませんでした」
申し訳無さげに謝られてしまった。
「そ、そんな……」
僕にはエディットの言葉が信じられなかった。確か、僕の記憶ではハンカチを拾ってくれた王子の背中を見守りながらエディットは心の中で、こう呟いたんだ。
『何て素敵な方なのかしら……。また何処かでお会い出来たらいいのに…」
と―。
「う~ん……」
腕組みをして考える。
…そうか、きっとあれだ。
エディットは僕に遠慮して本心を言えないだけなのだろう。
「エディット、僕に何の遠慮もしなくていいから正直に答えてくれるかい?さっきの男性を見て、魅力的な何かや『ときめき』を感じたりはしなかったのかい?」
男の口から『魅力的』や『ときめき』いう言葉はあまり合わない…と言うか、気持ち悪いと思われるかもしれない。
けれど……。
どうしてもエディットの本心を知っておかなければ、このままモヤモヤした気分が残って今夜は眠れないかもしれない。
何しろ、僕の将来?がかかっているのだから。
「いいえ…先程も申し上げた通り、何も感じませんでした……と言うか、どんな男性だったのかも…覚えていないのですけど……」
けれど相変わらずエディットの反応は薄く、ますます困惑した表情に変わる。
そんな彼女を見ていると、何だか自分が悪いことをしている気持ちになってきた。
うん……これ以上追求するのはやめよう。
「ごめん、エディット。しつこく尋ねるような真似をして……君を困らせるつもりは無かったんだ。ただ……男の僕から見ても、素敵に見えたから…さ」
「え?そ、そうですか…?」
エディットが目を見開いた。
しまった!今…思いきり、誤解される台詞を言ってしまった。
「あ、あの…今の台詞は…別に変なつもりで言ったわけじゃないからね?」
そう。別に僕はそんな趣味は断じて、一切無いのだから。
するとエディットがクスクスと肩を震わせて笑いだした。
「フフフ……アドルフ様ったら…」
「え…?エディット…?」
何故急に笑いだしたのだろう?
「あ…すみません。まさか…アドルフ様にそのようにお茶目なところがあるとは思わなかったものですから」
「え?ええっ?!お、お茶目?!この僕が?!」
悪役令息の僕がっ?!
「はい、でも…そんなところも……」
最後の台詞はあまりにも小さな声で聞き取れなかった。
そして赤く頬を染めて俯いているエディット。
「エディット?」
名前を呼ぶと、エディットは顔を上げた。
「あの……アドルフ様」
「何だい?」
「先程…ときめきを感じなかったか、尋ねられて否定しましたけど…訂正させて下さい。ときめきなら……感じています」
エディットは真っ直ぐ僕の目を見た。
「え……?」
僕とエディットはオレンジ色に美しく光り輝くランタンの下で、少しの間見つめ合った――。
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