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第42話 胸騒ぎを感じる悪役令息
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教室に入ると、そこはまるで日本の大学のような階段教室になっていた。
すり鉢状の教室は左側には大きな窓がはめ込まれ、サンサンと太陽の光が教室に差し込み、教室を温めてくれている。
へ~…こういう教室の造りだったのか……。
駄目だ、やっぱりさっぱり覚えていない。
ブラッドリーと一緒に教室へ入ると、一番後部座席に座っていた3人の派手なメイクをした女子学生たちが次々に声を掛けてきた。
「あ~ら。おはようアドルフ。馬に蹴られたわりには元気そうじゃない」
「はーい久しぶりね。やっぱりさぼりだったのかしら?」
「ねぇ~また何処か楽しいところに遊びに連れて行ってよ」
「え……?」
何なんだ?彼女たちは一体……。何故か日本の派手目な女子高生のようなノリだ。
はっきり言って僕の一番苦手なタイプの女の子たちだ。出来ればあまり関わりたくないものだ。
やっぱり、お嬢様タイプのエディットの方がずっと好感を持てるなぁ……。
その時、僕は余程嫌な顔つきで彼女たちを見ていたのだろう。
徐々に彼女たちの顔が険しくなってくる。
そして次の瞬間……彼女たちは憤慨した様子で僕に文句を言ってきた。
「あら?何よ。そんなしかめっ面して」
「随分嫌そうな目で私達を見てくれるじゃない」
「ちょっと!失礼じゃないっ!」
するとそこへ慌てた様子でブラッドリーが仲裁に入ってきた。
「あ~ごめん、ごめん!実はアドルフは馬に蹴られたショックで記憶喪失になっているんだよ。だから君たちのことも覚えていなくてさ。それで今みたいな態度を取ってしまったんだよ。アドルフには悪気は無かったんだよ。だから俺に免じて許してやって貰えないかなぁ?」
ヘラヘラ笑いながら取り繕うブラッドリー。
「ええ?!そうだったのっ?!」
「やだ!大丈夫?!」
「記憶喪失の人なんて初めて見たわ!」
途端に今度は好奇心の目で僕をジロジロ見つめてくる女子学生たち。
「うん……そういうわけなんだ。記憶を無くしたついでに性格も変わってしまったみたいなんだよ。だから、もう遊びに行きたいなら誰か他の人を誘ってくれないかな?本当にごめんね。それより、ブラッドリー。僕の座る席を教えてくれないか?」
「お、おい!アドルフッ!」
呆気に取られる女子学生達をその場に残し、僕はブラッドリーの腕を掴むと強引にその場を離れて行った。
「どうしたっていうんだよ?お前、本当に性格まで変わってしまったのか?」
僕に腕を引かれながらブラッドリーが声を掛けてきた。
「そうだよ、どう考えても彼女たちは僕の趣味じゃない。大体僕にはエディットがいるのに、他の女の子たちと出掛けられるはず無いだろう?」
エディットが王子と親しくなる前に僕が複数の女性達と仲良く出掛けたりしようものなら浮気男のレッテルを貼られてしまうかもしれない。そんなことになろうものなら追放ルート?は免れない。
ところが何を勘違いしたのか、ブラッドリーは驚きの声を上げた。
「何だってっ?!やっぱりお前、エディットとそういう関係だったのかよ!」
「そういう関係も何も、一応エディットはまだ僕の婚約者だけど?」
「何だよ?そのまだって。何だか気になる言い方するな?」
これ以上何か突っ込まれるのは勘弁して欲しい。
そこで立ち止まってブラッドリーを振り返った。
「それより、僕の席を教えてくれないか?」
「あ~、そうか。お前完全に記憶喪失だったもんな?いいか、別に席なんか決まっていない。好きな場所に座ればいいんだよ」
「へ~そうなんだ。それじゃ大学と変わりないな」
「何言ってるんだよ?俺たちはまだ高校生だろう?大学は来年じゃないか」
「あ…まぁ、そうなんだけどね……」
そこまで話した時……。
「おーい、アドルフッ!ブラッドリー!こっちに来いよ!」
「姿を見るのは1週間ぶりくらいじゃないか?」
窓際の席に座って手を振る2人の学生は……。
「あ!思い出したぞ!君たちは悪友のエミリオにラモンじゃないかっ!」
僕は銀の髪の学生と、黒毛の髪の学生を交互に指さした。
「何だよ、その悪友ってのは」
「まぁ、別に事実だろう?」
エミリオとラモンは肩をすくめながら僕を見た。
「ごめん、つい口が滑ってしまったんだ」
エミリオとラモンの後ろの席にブラッドリーと座りながら2人に謝罪した。
「おいっ?!その話し方どうしたんだよ?!」
「女みたいな話し方になってるじゃないかっ!」
ラモンとエミリオが驚いたように僕に言った。
「ああ、そうなんだよ。アドルフの奴、馬に蹴られて記憶喪失になった挙げ句、性格まで変わってしまったようなんだよ。さっきだって、ビクトリア達に話しかけられたときだって、こいつ何て言ったと思う?どう考えても彼女たちは僕の趣味じゃない。大体僕にはエディットがいるのに、他の女の子たちと出掛けられるはず無いだろう?なんて言ったんだぜ?」
又してもブラッドリーは器用に僕のモノマネをする。
「うわっ!お前、ビクトリア達にそんな口を叩いたのかよ?」
「信じられないな~。大体お前、ビクトリアに創立記念パーティーのパートナーの申込みをすると話していたじゃないか!」
エミリオの言葉に仰天してしまった。
「何だってっ?!そうだったのかい?!」
なんて事だ!
危ないところだった……。危うく僕は取り返しのつかない過ちをするところだった。
「おい、そんなことよりも……聞いたか?Aクラスに今日転入生が来るらしいぜ」
ラモンが突然話題を変えてきた。
うん?転校生?
「へ~誰だ?女か?」
女性に目がないブラッドリーが食いついてきた。
「残念だったな。男だ。金の髪で物凄い美形だって女子学生たちが騒いでいたぜ」
「え?!金の髪の男子学生だってっ?!」
ま、まさか……それってこの物語のヒーロである王子のことなんじゃ…?
けれど、王子がこの学園に登場するのはもう少し先の話だったはず…。
ラモンの話に僕は胸騒ぎを感じずにはいられなかった――、
すり鉢状の教室は左側には大きな窓がはめ込まれ、サンサンと太陽の光が教室に差し込み、教室を温めてくれている。
へ~…こういう教室の造りだったのか……。
駄目だ、やっぱりさっぱり覚えていない。
ブラッドリーと一緒に教室へ入ると、一番後部座席に座っていた3人の派手なメイクをした女子学生たちが次々に声を掛けてきた。
「あ~ら。おはようアドルフ。馬に蹴られたわりには元気そうじゃない」
「はーい久しぶりね。やっぱりさぼりだったのかしら?」
「ねぇ~また何処か楽しいところに遊びに連れて行ってよ」
「え……?」
何なんだ?彼女たちは一体……。何故か日本の派手目な女子高生のようなノリだ。
はっきり言って僕の一番苦手なタイプの女の子たちだ。出来ればあまり関わりたくないものだ。
やっぱり、お嬢様タイプのエディットの方がずっと好感を持てるなぁ……。
その時、僕は余程嫌な顔つきで彼女たちを見ていたのだろう。
徐々に彼女たちの顔が険しくなってくる。
そして次の瞬間……彼女たちは憤慨した様子で僕に文句を言ってきた。
「あら?何よ。そんなしかめっ面して」
「随分嫌そうな目で私達を見てくれるじゃない」
「ちょっと!失礼じゃないっ!」
するとそこへ慌てた様子でブラッドリーが仲裁に入ってきた。
「あ~ごめん、ごめん!実はアドルフは馬に蹴られたショックで記憶喪失になっているんだよ。だから君たちのことも覚えていなくてさ。それで今みたいな態度を取ってしまったんだよ。アドルフには悪気は無かったんだよ。だから俺に免じて許してやって貰えないかなぁ?」
ヘラヘラ笑いながら取り繕うブラッドリー。
「ええ?!そうだったのっ?!」
「やだ!大丈夫?!」
「記憶喪失の人なんて初めて見たわ!」
途端に今度は好奇心の目で僕をジロジロ見つめてくる女子学生たち。
「うん……そういうわけなんだ。記憶を無くしたついでに性格も変わってしまったみたいなんだよ。だから、もう遊びに行きたいなら誰か他の人を誘ってくれないかな?本当にごめんね。それより、ブラッドリー。僕の座る席を教えてくれないか?」
「お、おい!アドルフッ!」
呆気に取られる女子学生達をその場に残し、僕はブラッドリーの腕を掴むと強引にその場を離れて行った。
「どうしたっていうんだよ?お前、本当に性格まで変わってしまったのか?」
僕に腕を引かれながらブラッドリーが声を掛けてきた。
「そうだよ、どう考えても彼女たちは僕の趣味じゃない。大体僕にはエディットがいるのに、他の女の子たちと出掛けられるはず無いだろう?」
エディットが王子と親しくなる前に僕が複数の女性達と仲良く出掛けたりしようものなら浮気男のレッテルを貼られてしまうかもしれない。そんなことになろうものなら追放ルート?は免れない。
ところが何を勘違いしたのか、ブラッドリーは驚きの声を上げた。
「何だってっ?!やっぱりお前、エディットとそういう関係だったのかよ!」
「そういう関係も何も、一応エディットはまだ僕の婚約者だけど?」
「何だよ?そのまだって。何だか気になる言い方するな?」
これ以上何か突っ込まれるのは勘弁して欲しい。
そこで立ち止まってブラッドリーを振り返った。
「それより、僕の席を教えてくれないか?」
「あ~、そうか。お前完全に記憶喪失だったもんな?いいか、別に席なんか決まっていない。好きな場所に座ればいいんだよ」
「へ~そうなんだ。それじゃ大学と変わりないな」
「何言ってるんだよ?俺たちはまだ高校生だろう?大学は来年じゃないか」
「あ…まぁ、そうなんだけどね……」
そこまで話した時……。
「おーい、アドルフッ!ブラッドリー!こっちに来いよ!」
「姿を見るのは1週間ぶりくらいじゃないか?」
窓際の席に座って手を振る2人の学生は……。
「あ!思い出したぞ!君たちは悪友のエミリオにラモンじゃないかっ!」
僕は銀の髪の学生と、黒毛の髪の学生を交互に指さした。
「何だよ、その悪友ってのは」
「まぁ、別に事実だろう?」
エミリオとラモンは肩をすくめながら僕を見た。
「ごめん、つい口が滑ってしまったんだ」
エミリオとラモンの後ろの席にブラッドリーと座りながら2人に謝罪した。
「おいっ?!その話し方どうしたんだよ?!」
「女みたいな話し方になってるじゃないかっ!」
ラモンとエミリオが驚いたように僕に言った。
「ああ、そうなんだよ。アドルフの奴、馬に蹴られて記憶喪失になった挙げ句、性格まで変わってしまったようなんだよ。さっきだって、ビクトリア達に話しかけられたときだって、こいつ何て言ったと思う?どう考えても彼女たちは僕の趣味じゃない。大体僕にはエディットがいるのに、他の女の子たちと出掛けられるはず無いだろう?なんて言ったんだぜ?」
又してもブラッドリーは器用に僕のモノマネをする。
「うわっ!お前、ビクトリア達にそんな口を叩いたのかよ?」
「信じられないな~。大体お前、ビクトリアに創立記念パーティーのパートナーの申込みをすると話していたじゃないか!」
エミリオの言葉に仰天してしまった。
「何だってっ?!そうだったのかい?!」
なんて事だ!
危ないところだった……。危うく僕は取り返しのつかない過ちをするところだった。
「おい、そんなことよりも……聞いたか?Aクラスに今日転入生が来るらしいぜ」
ラモンが突然話題を変えてきた。
うん?転校生?
「へ~誰だ?女か?」
女性に目がないブラッドリーが食いついてきた。
「残念だったな。男だ。金の髪で物凄い美形だって女子学生たちが騒いでいたぜ」
「え?!金の髪の男子学生だってっ?!」
ま、まさか……それってこの物語のヒーロである王子のことなんじゃ…?
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