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第100話 心の声
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馬車の中で僕はエディットに告白する台詞を一生懸命考えていた。
さて、エディットに会えたら何と言って告白しよう?
「エディット、僕と来年も再来年も一緒に『ランタンフェスティバル』に一緒に行ってもらえないかな?」
う~ん……これでは駄目だな…。
きっとエディットは深い意味も考えずに『いいですよ』と返事をしてくれるに違いない。
「やっぱり、ここはストレートに『好きだ』って伝えるべきなのかな……?」
けれど、はっきり言って恥ずかしい。
考えてみれば、実際の僕の精神年齢は26歳。それなのに妹のサチよりも年下で、まだ17歳(来月18歳になるけれども)のエディットに告白しようとしているのだから。
冷静に考えると、なんだか自分が犯罪めいた事をしようとしている気分になってしまう。
だけど……。
「そうだ、今の僕は18歳のアドルフ・ヴァレンシュタインなんだ。何も悪いことをしようとしているわけじゃない。第一、エディットは僕の婚約者なんだから……自分の気持ちを告げるのは当然のことだ」
よし、やっぱりここは包み隠さず自分の気持ちをエディットに告げるんだ。
大丈夫……。
仮にも僕は婚約者だし、多分嫌われてはいないはずだから。
僕は無理やり自分の気持ちに言い聞かせた――。
****
エディットの屋敷に到着した僕を出迎えてくれたドアマンは、初め酷く驚いた様子で僕を迎え入れてくれた。
そしてすぐに「奥様を呼んでまいります」と言って、僕の前から慌ただしく去っていくと次にエディットの母親が僕を出迎えてくれた。
「まぁ!アドルフさん!今日はお見舞いに来れなかったのではないのですか?!」
夫人は僕を見るなり、妙な事を言ってきた。
「え?一体誰からそのことを聞いたのですか?」
何のことか分からずに首を傾げながら尋ねてみた。
「ええ、ブラッドリーさんがエディットのお見舞いに来てくださったのよ?アドルフさんが今日お見舞いに来れないので頼まれて代理で来たと言って、今エディットの部屋に来ているのよ?」
「ええっ?!な、何ですってっ?!」
そんなこと頼んでいないのに?
あまりの言葉に驚いてしまった。
「あ、でも大丈夫。安心して頂戴。2人きりにはさせていないから。エディットの部屋にはメイドとフットマンをそれぞれ2人ずつつけているから大丈夫よ?」
「い、いえ。そのことで驚いたわけでは……」
僕が驚いているのはそこじゃない。
どうしてブラッドリーがここに来ているんだ?
そもそも今日は家の用事があるって言っていたはずなのに?
「あの、僕もエディットに会わせて頂くことが出来ますか?」
「ええ、勿論ですよ。では案内致しますね」
「はい、お願いします」
そして僕は夫人に連れられてエディットの部屋へと向かった。
****
「あの開いている扉がエディットの部屋よ。念の為に部屋の扉も開けて置くように伝えておいたのよ」
夫人が指し示した先には、扉が開け放たれた部屋があった。
「あの扉の先が……エディットの部屋……」
「ええ、では行きましょう」
夫人に促され、2人で部屋に近づいていくと中から楽しげな笑い声が聞こえてきた。
「フフフ……ブラッドリー様ったら相変わらずですね」
その楽しげな笑い声はエディットのものだった。
え……?笑い声……?
その声に胸が何故かズキリと傷んだ。
「そうか?でもその調子だと明日は学校に来れそうだな?良かった、今日1日ずっと心配してたんだ」
ブラッドリーも気さくにエディットに話しかけている。
「あら、随分楽しそうねぇ……」
「そ、そうですね……」
婦人ののんびりした口調に返事をするも、気が気でなかった。
エディットは僕と一緒の時、あんなに楽しげに笑ったことは一度も無かったのに……。
ひょっとすると、本当はエディットとブラッドリーは互いの事を好きあっていたのだろうか?
僕はエディットが自分に気があると思っていただけで……本当は勘違いしていただけなのかもしれない。
何しろ、僕とエディットの婚約は本来親同士が決めたものだったはずだ……。
『そうだ、ようやく思い出したか?』
その時、僕の中で本来のアドルフの声が聞こえてきた気がした。
ひょっとすると……僕はここにいてはいけないのかもしれない。
「あ、あの……エディットも元気そうなので、僕はこれで帰ることにします」
夫人に声を掛けるも、時既に遅し。
「エディットッ!アドルフ様がお見舞いにいらっしゃったわよ!」
夫人は大きな声で部屋の中に入ってしまった。
「え?あ、あのっ!」
慌てて僕は夫人の後を追いかけた――。
さて、エディットに会えたら何と言って告白しよう?
「エディット、僕と来年も再来年も一緒に『ランタンフェスティバル』に一緒に行ってもらえないかな?」
う~ん……これでは駄目だな…。
きっとエディットは深い意味も考えずに『いいですよ』と返事をしてくれるに違いない。
「やっぱり、ここはストレートに『好きだ』って伝えるべきなのかな……?」
けれど、はっきり言って恥ずかしい。
考えてみれば、実際の僕の精神年齢は26歳。それなのに妹のサチよりも年下で、まだ17歳(来月18歳になるけれども)のエディットに告白しようとしているのだから。
冷静に考えると、なんだか自分が犯罪めいた事をしようとしている気分になってしまう。
だけど……。
「そうだ、今の僕は18歳のアドルフ・ヴァレンシュタインなんだ。何も悪いことをしようとしているわけじゃない。第一、エディットは僕の婚約者なんだから……自分の気持ちを告げるのは当然のことだ」
よし、やっぱりここは包み隠さず自分の気持ちをエディットに告げるんだ。
大丈夫……。
仮にも僕は婚約者だし、多分嫌われてはいないはずだから。
僕は無理やり自分の気持ちに言い聞かせた――。
****
エディットの屋敷に到着した僕を出迎えてくれたドアマンは、初め酷く驚いた様子で僕を迎え入れてくれた。
そしてすぐに「奥様を呼んでまいります」と言って、僕の前から慌ただしく去っていくと次にエディットの母親が僕を出迎えてくれた。
「まぁ!アドルフさん!今日はお見舞いに来れなかったのではないのですか?!」
夫人は僕を見るなり、妙な事を言ってきた。
「え?一体誰からそのことを聞いたのですか?」
何のことか分からずに首を傾げながら尋ねてみた。
「ええ、ブラッドリーさんがエディットのお見舞いに来てくださったのよ?アドルフさんが今日お見舞いに来れないので頼まれて代理で来たと言って、今エディットの部屋に来ているのよ?」
「ええっ?!な、何ですってっ?!」
そんなこと頼んでいないのに?
あまりの言葉に驚いてしまった。
「あ、でも大丈夫。安心して頂戴。2人きりにはさせていないから。エディットの部屋にはメイドとフットマンをそれぞれ2人ずつつけているから大丈夫よ?」
「い、いえ。そのことで驚いたわけでは……」
僕が驚いているのはそこじゃない。
どうしてブラッドリーがここに来ているんだ?
そもそも今日は家の用事があるって言っていたはずなのに?
「あの、僕もエディットに会わせて頂くことが出来ますか?」
「ええ、勿論ですよ。では案内致しますね」
「はい、お願いします」
そして僕は夫人に連れられてエディットの部屋へと向かった。
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「あの開いている扉がエディットの部屋よ。念の為に部屋の扉も開けて置くように伝えておいたのよ」
夫人が指し示した先には、扉が開け放たれた部屋があった。
「あの扉の先が……エディットの部屋……」
「ええ、では行きましょう」
夫人に促され、2人で部屋に近づいていくと中から楽しげな笑い声が聞こえてきた。
「フフフ……ブラッドリー様ったら相変わらずですね」
その楽しげな笑い声はエディットのものだった。
え……?笑い声……?
その声に胸が何故かズキリと傷んだ。
「そうか?でもその調子だと明日は学校に来れそうだな?良かった、今日1日ずっと心配してたんだ」
ブラッドリーも気さくにエディットに話しかけている。
「あら、随分楽しそうねぇ……」
「そ、そうですね……」
婦人ののんびりした口調に返事をするも、気が気でなかった。
エディットは僕と一緒の時、あんなに楽しげに笑ったことは一度も無かったのに……。
ひょっとすると、本当はエディットとブラッドリーは互いの事を好きあっていたのだろうか?
僕はエディットが自分に気があると思っていただけで……本当は勘違いしていただけなのかもしれない。
何しろ、僕とエディットの婚約は本来親同士が決めたものだったはずだ……。
『そうだ、ようやく思い出したか?』
その時、僕の中で本来のアドルフの声が聞こえてきた気がした。
ひょっとすると……僕はここにいてはいけないのかもしれない。
「あ、あの……エディットも元気そうなので、僕はこれで帰ることにします」
夫人に声を掛けるも、時既に遅し。
「エディットッ!アドルフ様がお見舞いにいらっしゃったわよ!」
夫人は大きな声で部屋の中に入ってしまった。
「え?あ、あのっ!」
慌てて僕は夫人の後を追いかけた――。
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