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第108話 馬術訓練 1
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「馬術かぁ……」
ため息をつきながら更衣室で着替えをしていた。
制服とシャツを脱いでユニフォームに着替えようとした時、背後からエミリオが声を掛けてきた。
「それにしても相変わらずお前の背中の傷目立つよな。痛くないのかよ」
え?背中の傷?
一瞬何のことか分からなかったけれど、気づけば勝手に言葉が口をついて出ていた。
「うん、もう平気だよ。第一子供の頃の傷だしね」
「そうだよな、以前も聞いたしな」
ラモンが頷く。
「あ……」
そこで初めて僕は我に返った。
僕の背中には傷があったのか?しかもそんな記憶がないのに、何で言葉が勝手に口をついて出てしまったのだろう?
その時強い視線を感じて振り向くと、何故かブラッドリーがじっと僕を見つめていた。その視線はいつものブラッドリーとは違っている。
どこか刺すような視線に感じた。
「な、何?」
すると、すぐにいつもの表情に戻るブラッドリー。
「いや、お前が馬術の授業を受けるのは久しぶりだけど大丈夫かと思ってね」
大丈夫?何が大丈夫なんだろう?
「うん、大丈夫だよ」
ブラッドリーの言葉の意味が少し気になったけれども、僕は無難な返事をした――。
****
着替えを終えた僕達は青空のもと、馬術訓練を行うフィールドに集まっていた。
「はい!それではグループごとに前半と後半に分けてこれから馬術訓練を行います!各自自分で馬を選ぶように!」
馬術の男性講師が僕達に声を掛けた。
僕達の前には厩舎があり、そこには20頭ほどの馬が並んでいる。
どうしよう、馬になんて乗ったこと無いのに……。
アドルフだった記憶が無い元社畜の僕にとっては、馬に乗るのはまさに初めてと言っても良かった過言ではなかった。
だから出来れば後半グループになれれば、他の学生たちが馬に乗る様子を見て参考にしようと思っていたのに……。
「まさか前半グループになってしまうなんて……」
思わずため息をついてしまった。
「何だ。やっぱり馬術の授業が不安だったんだな?」
すると後半グループのブラッドリーが突然声を掛けてきた。
「う、うん……まあね。何しろ一度は馬に蹴られているし……そのせいで記憶喪失になっているから馬に乗れる自信が無いんだよ」
「安心しろよ、なら俺が扱いやすそうな馬を一緒に選んでやるからそれに乗ればいいだろう。何、記憶がなくても身体が乗り方を覚えているはずだろうからな」
既に同じ前半グループのラモンとエミリオは既に自分の馬を選んで側に並んで立っている。
「ほらアドルフ、早く選ばないと良い馬が選べないぞ」
ブラッドリーが急かしてきた。
「うん、そうだね。それじゃ頼むよ。一緒に選んでくれるかな?」
ブラッドリーは更衣室に向かいながら馬術が得意な話をしていたから、彼に任せておけば大丈夫だろう。
「ああ、任せておけ。それじゃ行こうぜ」
「そうだね」
そして僕はブラッドリーと一緒に自分が乗る馬を探す為に厩舎へ近付いた。
既に大半の馬は他の学生たちが乗ってしまい、出払っていた。
今厩舎に残っている馬は6頭だった。
「う~ん……中々いい馬が残っていないな……」
ブラッドリーは馬をじっと見つめながら考え込んでいる。
「……」
馬の事を何一つ知らない僕はブラッドリーに任せることにした。
やがて……。
「お、アドルフ。この馬が良さそうだぞ」
ブラッドリーが選んだ馬は栗毛色の毛並みが美しい馬だった――。
ため息をつきながら更衣室で着替えをしていた。
制服とシャツを脱いでユニフォームに着替えようとした時、背後からエミリオが声を掛けてきた。
「それにしても相変わらずお前の背中の傷目立つよな。痛くないのかよ」
え?背中の傷?
一瞬何のことか分からなかったけれど、気づけば勝手に言葉が口をついて出ていた。
「うん、もう平気だよ。第一子供の頃の傷だしね」
「そうだよな、以前も聞いたしな」
ラモンが頷く。
「あ……」
そこで初めて僕は我に返った。
僕の背中には傷があったのか?しかもそんな記憶がないのに、何で言葉が勝手に口をついて出てしまったのだろう?
その時強い視線を感じて振り向くと、何故かブラッドリーがじっと僕を見つめていた。その視線はいつものブラッドリーとは違っている。
どこか刺すような視線に感じた。
「な、何?」
すると、すぐにいつもの表情に戻るブラッドリー。
「いや、お前が馬術の授業を受けるのは久しぶりだけど大丈夫かと思ってね」
大丈夫?何が大丈夫なんだろう?
「うん、大丈夫だよ」
ブラッドリーの言葉の意味が少し気になったけれども、僕は無難な返事をした――。
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着替えを終えた僕達は青空のもと、馬術訓練を行うフィールドに集まっていた。
「はい!それではグループごとに前半と後半に分けてこれから馬術訓練を行います!各自自分で馬を選ぶように!」
馬術の男性講師が僕達に声を掛けた。
僕達の前には厩舎があり、そこには20頭ほどの馬が並んでいる。
どうしよう、馬になんて乗ったこと無いのに……。
アドルフだった記憶が無い元社畜の僕にとっては、馬に乗るのはまさに初めてと言っても良かった過言ではなかった。
だから出来れば後半グループになれれば、他の学生たちが馬に乗る様子を見て参考にしようと思っていたのに……。
「まさか前半グループになってしまうなんて……」
思わずため息をついてしまった。
「何だ。やっぱり馬術の授業が不安だったんだな?」
すると後半グループのブラッドリーが突然声を掛けてきた。
「う、うん……まあね。何しろ一度は馬に蹴られているし……そのせいで記憶喪失になっているから馬に乗れる自信が無いんだよ」
「安心しろよ、なら俺が扱いやすそうな馬を一緒に選んでやるからそれに乗ればいいだろう。何、記憶がなくても身体が乗り方を覚えているはずだろうからな」
既に同じ前半グループのラモンとエミリオは既に自分の馬を選んで側に並んで立っている。
「ほらアドルフ、早く選ばないと良い馬が選べないぞ」
ブラッドリーが急かしてきた。
「うん、そうだね。それじゃ頼むよ。一緒に選んでくれるかな?」
ブラッドリーは更衣室に向かいながら馬術が得意な話をしていたから、彼に任せておけば大丈夫だろう。
「ああ、任せておけ。それじゃ行こうぜ」
「そうだね」
そして僕はブラッドリーと一緒に自分が乗る馬を探す為に厩舎へ近付いた。
既に大半の馬は他の学生たちが乗ってしまい、出払っていた。
今厩舎に残っている馬は6頭だった。
「う~ん……中々いい馬が残っていないな……」
ブラッドリーは馬をじっと見つめながら考え込んでいる。
「……」
馬の事を何一つ知らない僕はブラッドリーに任せることにした。
やがて……。
「お、アドルフ。この馬が良さそうだぞ」
ブラッドリーが選んだ馬は栗毛色の毛並みが美しい馬だった――。
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